MacでWindowsを動かすには、今でもParallelsが最強なの?

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  • author David Nield - Gizmodo US
  • [原文]
  • 禿頭帽子屋/Word Connection JAPAN
MacでWindowsを動かすには、今でもParallelsが最強なの?
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まだ最強なの?

Windows仮想化ツール、「Parallels Desktop for Mac」の新しいバージョンが発売されました。間もなくリリースされるmacOS Catalina(10.15)をサポートするというのが、今回の特に大きい売りです。でも、ちょっと待って。そもそも、Appleのコンピューター上でWindows OSを使うのに、今でもParallels以上の選択肢はないんでしょうか? その答えを求めて、最新版となるParallels 15をテストしてみました。

Parallelsってなに?

その前に、詳しくない人のために説明が必要ですよね。Parallels Desktop for Macは、MacでWindows環境を実行できるツールで、2006年に登場しました。Windowsそのものを仮想環境で実行するアプリケーションなので、必然的にサイズはかなり大きくなります。Parallelsを終了すると、Windows環境も、そこにインストールされているアプリケーションも、次にParallelsを起動するまで姿を消します。macOSとWindowsの間を瞬時に行き来できる仮想マシン方式で、いちいち再起動しなくていいところが、昔ながらのデュアルブートシステムと違うところです。

今回のParallels 15で新しくなったのは、AppleのMetal技術を介したDirectX 11のサポートで、ゲームのパフォーマンスが上がると言われています(あくまでも理論上の話ですし、さすがにWindows専用PCと同等というわけにはいきませんが)。Parallels社によると、3Dグラフィックスのレンダリングが15%も向上するということです。そこまで要件が高くないMicrosoft Officeアプリケーションも、読み込みが約80%高速になるので、Excelファイルを開く時間もかなり短くなります。

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Parallelsはビギナーにも簡単なのに、高度な設定機能が満載

macOS Catalinaで新しく追加されるSidecar機能もサポートされています。iPadを2つ目のスクリーンとして使える機能なので、なんと、Windows環境をiPadに表示して、Apple Pencilもそこで使えちゃうということです。ほかにも改良点はたくさんあって、Safariや「写真」といったMacの標準アプリからWindowsに直接、画像をドラッグできるようになりました。

価格は、単発購入で80ドル(8,345円)(次以降のバージョンアップのときには改めて購入が必要ですが、たいていは割引があります)。もうひとつの購入オプションが「Pro Edition」というサブスクリプション方式で、年額100ドル(9,818円)かかりますが、毎回のアップグレードがすべて無償になり、開発者やIT管理者に役に立つ最新の機能を使い続けることができます。Parallelsがまったく初めてという方には、無償(14日間)のトライアルもあります。

Microsoft Windowsのライセンスが別料金である点は注意したいところですが、Parallelsからなら、Windowsも簡単に購入できます。現時点で、Windows 10 Homeのライセンスは139ドル(約1万4780円)です。

買いなの?

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WindowsからmacOSのファイルにアクスするのも簡単

ということで、Parallelsは「買い」と考えていいのでしょうか。今でもMac上でWindowsやWindowsアプリケーションを実行する必要があるなら、答えは条件付きで「イエス」です。13年間でバージョンを15まで重ねる間に、Parallelsはどんどん賢くなり、安定もしてきました。少し古いハードウェアでも動作が良くなり、WindowsとmacOSの相互連携も向上しています(必要なら、WindowsのプログラムをmacOS内部でスタンドアローンアプリケーションとして実行することだってできます)。ややこしい使い方にも、いろいろと対応するようになりました。

便利な小技も、随所に散りばめられています。たとえば、WindowsとmacOSの間でデスクトップショートカットとフォルダーを共有できますし、OS間のコピペも可能です。MacのTouch BarからWindowsアプリケーションを起動することもできます。仮想マシンで使えるリソースに対しては、各種の制御ができるようになっています。

全画面モードに切り替えれば、MacなのにWindows PCを使っているような気分になれます。特定の用途とかアプリケーションのためにWindows環境をいつも使う必要があり、セットアップも操作も簡単なほうがいい、というのであれば、Parallelsには今まで以上に感動するでしょう。

ゲームはできるの?

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ゲームの世界はまだまだ苦手

でも、手放しでおすすめできるわけではありません。Parallels社は、DirectX 11のサポートで威力を発揮するゲームとして『Fallout 4』もあげています。でも残念ながら、筆者が起動してみたところでは、ラグが発生したり、内部ファンが唸ったりすることがありました。4年も前に出たゲームを、しかも低画質に設定したし、使ったマシンはMacBook Proの2018年モデル。それなりのi7 CPUと、グラフィックボードまで搭載しているんですけどね。ケースバイケースだと思いますが、筆者がテストした限りでは、ParallelsでMacが高性能のゲーミングPCに早変わりするというわけにはいかないようです。

そうそう、これも書いておかないとですね。ユーザーの環境によっては、思わぬバグや不具合が発生することもあります。筆者の場合は、Wi-Fiが極端に遅くなったりしました。Parallelsをおすすめできない理由になるほどではありませんが、参考にはなるかと思います。

仮想化ソフトウェアということなら、ほかにも選択肢はあります。ITのプロの間で人気があるのは、VMwareの「Fusion」です。単発購入は80ドル(9,925円)で、Parallelsと同等の機能もたくさんありますが、Parallelsほど軽量ではなく、使い方も簡単ではありません。VirtualBox」は無料(Windowsのライセンスは別料金)ですが、設定と実行には時間も手間もかかりますし、実行後にも技術上のノウハウがたくさん必要になります。

Boot Campはどうなの?

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Parallelsと同様、Boot Campにも得手不得手がある

Boot Campは、Windows用に別のパーティションを作る機能です。Mac本体の性能から最大限のパフォーマンスを発揮できるので、米ギズモード編集部でも気に入っている方法です。しかも、macOS標準なので無料で使えます(Windowsライセンスは購入する必要があります、念のため)。

ただし、これはデュアルブートシステムになるので、OS間の切り替えはそれほどスムーズではありません。1つのアプリケーションをときどき使うとか、1回に何分間かだけWindowsに切り替えるとか、そのくらいの使い方なのであれば、いちいち再起動するのは実に面倒です。スピーディーでもありません。これがBoot Campで最もネックになる点なのですが、逆に言うと、MacでWindowsを使う時間が長いのであれば、Boot Campもいい選択肢ということになります。ただ、Windows環境が必要なくなった時に楽なのはParallelsのほう。Parallelsを削除するほうが、Boot Campを削除するより簡単です。

Parallelsは、最安値というわけでもありませんし、最高のパフォーマンスが手に入るわけでもありません。それでも、いくつかの条件付きで、そして予算が許せばの話ですが、MacでWindowsを動かすには、今でもベストな選択肢と言っていいでしょう。何といっても、Parallelsはとにとかく簡単でスマート、便利で高速になっているからです。万人向けでも、オールマイティーでもないというだけの話ですね。

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