近所に氷河があるそうな。
火星に植民地を建造する野望を持っている、SpaceXのCEOイーロン・マスク。彼が「火星基地アルファ」と名付けたその場所は、「おそらく2028年」に完成とのこと。今からあと9年で作られるようです。
素人目で見ても、あまりに皮算用がすぎるのでは? と思うのですが…なんとNASAが、火星偵察機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)のHiRISEカメラで上空から撮影した画像に、「SpaceX着陸候補地」というラベルを付けていることが判明。これでSpaceXの計画の現実味に拍車が掛かることとなりました。
候補地は6つ
伝えているのはdesignboom。取り挙げられたhumanMars.netのツイートにはこうあります。
Images labelled "Candidate Landing Site for SpaceX #Starship in Arcadia Region" were found in latest data release from @HiRISE. It means @SpaceX is already quietly evaluating best place where to land first Starships on #Mars. We made a map of those sites: https://t.co/fejyWhEtzPpic.twitter.com/wV3ACDbJZx
— human Mars ? (@human_Mars) 2019年9月1日
HiRISEが公開した最新データで、「アルカディア地区内のSpaceXスターシップ着陸候補地」と書かれた画像が見つかりました。これはSpaceXが、すでに火星に最初に宇宙船を着陸させる最適な場所を静かに評価していることを意味します。これらの場所を示す地図を作りました。
なるほど。宇宙船の離着陸も、基地の建造も平地の方が好都合ですよね。なので右下にオリンポス山が見える、アルカディアとアマゾニスの中間に位置するエレボス・モンテスという山脈に近い場所5箇所と、ここには載っていないフレグラ・モンテスという1箇所が、候補地になっているとのことです。
ちなみにWikipediaでは、オリンポス山は標高27kmで裾野の直径は550km、山頂のカルデラは長径80kmとあるので、それを基準にすると候補地のスケール感が何となくわかるかなと思います。
どうやら最適な場所らしい

画像データにラベルがあることを見付けたのは、BEHIND THE BLACKというサイトです。同サイトの管理人は、この周辺が選定された背景には、比較的浅い地下に氷河が埋まっている強力な証拠があり、緯度40度で気候が比較的穏やかな土地である、ということが関係している、と睨んでいます。だから1~5の候補地がほぼ横並びなんですね。
宇宙開発を目論むAmazon(アマゾン)のジェフ・ベゾスCEOは、月面下にあるとされる氷や水について「水があれば酸素を作ることができる。電気を使って水素と酸素に分けると、呼吸もできるしロケット燃料にもなるんだ」と話していたことがあります。なので近くに氷があるのは、非常に大事なことなのです。
SpaceXの動き
少し前、宇宙旅客機ともいえるロケット「Starship(スターシップ)」で使うラプター・エンジンをテストするべく、試験機の「Starhopper(スターホッパー)」が50秒かけて高度150mまで飛び上がり、少し離れた着陸パッドに無事降り立つテスト飛行を成功させました。人類は少しずつ。火星行きに近付いています。
もしかすると、我々が知らないところで基地や植民地を建てるための材料やデザイン、運搬方法、建築方法なども開発が同時進行しているかもしれません。だってそうじゃないと、2028年には間に合いませんもんねぇ?
Source: BEHIND THE BLACK, THE UNIVERSITY OF ARIZONA via humanMars.net, Twitter via designboom, Wikipedia, Instagram