え、今のところ私的1番理想的なヘッドホンなんですけど!
私、ワイヤレスヘッドホンに高いお金をかける人じゃないんです。なんでかっていうと、古い考えかもしれませんが、ワイヤレスだとどうしても音がワンランク落ちると思ってるから。まぁ、クラシック好きですから、ひとつひとつの音にこだわりたいんです。お気に入りの楽器の音をクリスタルクリアな状態で聞きたいんです。だから、エクササイズ以外で音楽を聴くときはいまだに有線です。
ギズモードではいろんなワイヤレスヘッドホンを紹介してきましたが、「へー、いいね」という感想くらいでそこまで私の触手は動かなかった。でも、先日リリースされた米GIZのAdam Clark Estes記者によるゼンハイザーのMomentum Wirelessのレビューを読んで、私的暫定ベストワイヤレスヘッドホンを発見。
というわけで、第三世代Momentumのレビュー、いってみよー。
Sennheiser Momentum Wireless

これはなに:プレミアム・ワイヤレス・ヘッドホン
お値段:400ドル(約4万2700円)
好きなところ:サウンドのクオリティが半端無い、つけ心地最高
好きじゃないところ:デザインがちょっといただけない
外見はそのままでも確実に進化
新Momentum Wirelessは、おなじみのヘッドバンドにスライディング式イヤーキャップというルックをキープ。しかし、イヤーキャップの幅を厚くしているので、今までよりも耳の周りにスペースができるようになってつけ心地が向上しています。柔らかなラムスキンは豪華な見た目で、古いMomentum Wirelessのツートンカラーステッチはなくなり、より滑らかになりました。音質は相変わらず抜群で、向上したノイキャンのおかげもあってよくなっています。
なくなったボタン、増えたボタン
開くと電源オン、たたむと電源オフ(電源のオンオフについては、イギリス訛りの英語音声で知らせてくれます)してくれます。また「 Smart Pause」という新機能も搭載。これは、ユーザーがイヤホンを装着するとイヤーキャップの中のセンサーが反応して自動的に再生してくれるというもの。また、3種類のノイズキャンセリング設定を切り替えられるスイッチや、SiriやGoogleアシスタントといった音声アシスタントを呼び出せるボタンがつきました。
僕はMomentrum Wirelessを2週間使ってみましたが、Smart Pause機能は完璧に機能し、使い心地はこれまでに無いほどの心地よさ。このSmart Pause機能は他社でも採用されているので、信頼性は重要です。で、ゼンハイザーの場合、かなり安定していると言えるでしょう。なにせ僕が変な方向に首を傾けても動作するのでね。
ただ僕的には、電源スイッチがないことにそこまで利点を見出せなかったというか…。というのも、たたむのを忘れてしまったり、間違ってたたんでしまっただけでも電源がオンオフされてしまうんですよ。まぁ、たんに気をつければいい話ではあるので、全体的に見れば以前よりも滑らかなヘッドホンライフが送れるようになっている印象です。
気になったデザイン変更点
でも、デザイン変更点で気になる部分もありました。これまでの世代のものより大きくて少し不恰好なんですね。まぁ、最初に見たときは「デカ!」と思いましたが、サイズに関しては慣れました。でも、オリジナルのMomentumが象徴的だったので、変更は残念に感じました。
それと、ボタンの配列です。これは「少し」どころの気になる点じゃありませんでした。ボタンが多すぎるんですよ。前のMomentumのコントロールボタンに不満があった人には嬉しいアプデかもしれませんが、満足していた人には多すぎると感じるかもしれません。
それに配置が悪い。全部同じような形をしている上に一列に配列されているんです。盲牌しろっていうのか、というね。
まぁ、私の経験から言うと、ヘッドホンのコントロールボタンが雑なのはよくあることです。でも、このMomentumのボタンには多少なりともイライラさせられましたね。きっと前の世代のヘッドホンに慣れ親しみすぎているからでしょう。その愛こそが、厳しい目になっているのかもしれません。
ちょ…! この音質ヤバくない?

ただ、このノスタルジーからくる不満は、新Momentumで音楽を聴けば聴くほど、どうでもよくなってきます。もともとゼンハイザーは音響的に正確なことで有名。どれくらい正確かというと、私的に「お気に入りのアーティストと一緒にスタジオにいるくらい」正確。マルチディメンションボーカルなラナ・デル・レイの『The Greatest』も透き通るようにクリアで、ギターソロにも深みを感じました。また、A Tribe Called Questの『Can I Kick It?』の奇妙なディテールも巧みに処理している印象。Cardi Bの『Press』のような曲でもバスのレスポンスが素晴らしいと思いましたね。このゼンハイザーは多才です。今まで使ったワイヤレスヘッドホンの中でも最高の音質だと感じました。
で、音質に注目した結果、私の不満はすべて吹っ飛んだわけです。だって、ヘッドホンなんて装着していれば外見なんて自分では見えないし、大きめのイヤーカップと幅広のヘッドバンドは長時間装着の場合、快適。一方で、ノイキャンに関しては前世代のものよりは向上しているものの、Sony1000XやBose700のほうがいいですね。それでもMomentumのノイキャン機能は、どんな状況でも優れた音質を維持してくれるという点で優秀なので、気にしません。
オーディオマニアやワイヤレスに懐疑的な人たちにこそ届けたい






だから、オーディオマニアやワイヤレスに懐疑的な人たちも、このヘッドホンには大満足すると思っています。新しいMomentum Wirelessは、AptX、AAC、SBCと、ほとんどのコーデックをサポートしています。それだけでなく、オーディオとビデオの同期を改善するために設計されたAptX Law Latencyまでサポートしています。Bluetooth5との互換性も備えているし、接続性も大幅に向上。
私は2つのデバイスに接続させてみましたが、反応は素早かったです。たとえば、ノートパソコンとスマホの切り替えもすんなりでした。Tileアプリと連動するBluetoothトラッカー内蔵で、ヘッドホンを探すこともできます。試してみたら上手くいきました。まぁ、大事にしていたので家の中で見失うこともなく、テストしてみただけですが。
総合的な感想
まぁ、書いた通り、僕はこの新しいMomentum Wirelessを好きになるのに数日かかりました。最初、デザインにちょっと不満をもっていましたからね。でも、古い世代からアップグレードすると、少なからずいろいろ学ばないといけないのは普通だと思います。
もし、良質なノイキャンヘッドホンを求めているなら、最新のSonyやBoseほどの感動はないと思います。もし、予算に限りがあってJabra Elite 85hより100ドルほどセーブしたいと思っているなら、この、新Momentrumはほとんど同じ機能を備えています。
もし、素晴らしいオールラウンダーのワイヤレスヘッドホンを探しているなら、Momentum Wirelessで決まり。本当、単純に良いですよ。
そっかぁ、そんなに音がいいのかぁ。体験してみたいな。私の生活を考えるに、ノイキャン機能ってほとんど必要ないんです。もうすでにBoseのインイヤーで満足していますし。でも、音質が抜群にいい長時間装着可能のワイヤレスヘッドホンは試してみたい。まぁ、現実的にお財布と相談したら難しいので、「即決→購入!」なんて格好いいことをするわけじゃなくて、目星をつけたって程度なんですけどね。