人生、宇宙、すべての答えの「42」を3つの立法数の和で表す難問がついに解ける

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • satomi
人生、宇宙、すべての答えの「42」を3つの立法数の和で表す難問がついに解ける
Image: Google

750万年かからなかった…

Googleで「人生、宇宙、すべての答え」を検索すると、さも計算したようなフリして「42」と出ますけど、「42を3つの立方数の和で表せ」という64年続く数学界の難問がようやく解けました!

万物の答え、42とは?

42は、コメディー映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』 でスパコン「Deep Thought」が750万年かけて導き出した万物の解です。原作者ダグラス・アダムズは「なるべくどうでもいい数を選んだ」と生前語っていました。

映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』/もったいぶって答える割には「42」でへ?となるシーン
Video: BBC Studios/YouTube

数学界では少し有名

でも数学の世界では42は結構セレブな数でありまして、3つの立方数の和でどうしても表せないんです。方程式に直すとこれ。

190918diophantineequation

xyzは負の数でもOKで、kのところに1、2、3…と100まで入れ込んでいくと、大体は手作業で解けるのに、コンピュータじゃないと絶対ムリな数が出てきます。その解を探せ、というディオファントス問題が1954年に英ケンブリッジ大学から出て、世界中で数学者がひとつひとつ解いてきました。

で、最後まで残ったのが33と42で、もしかして答えはないんじゃないか、とか、750万年かかるんじゃ…と言われていました。その難しさを紹介したのが、こちらのNumberphileの2015年の動画です。

Video: Numberphile/YouTube

「33は1に14個ゼロがついた位まで探しても、まだ解は見つかってない」と言ってるのを見て、降臨したのが英ブリストル大学のAndrew Booker教授でした。

33は大学のスパコンで3週間で解けた

Video: Numberphile/YouTube

教授は1から1,000まででまだ解が見つかっていない数を見て、あるパターンに気づきます。動画から下に貼ってみますね。わかりますか?

190918answers1-1000
Image: Numberphile/YouTube

そうなんです、9で割ると余りがみんな6か3なんですね。いやあ、さすがGiz読者のみなさまはお察しがいい!

ほんで、そこからアルゴリズムを考えて、大学のスパコン(動画の7分ぐらいから出てくる)をガンガン回し続けて3週間。1に16個0がつく桁(1京)まで総当たりして、ようやく2月の朝、子どもを学校に送って大学に向かう途中でビンゴ!と解けたんだそうですよ? 「思わず飛び上がって喜んだ」と動画では仰ってます。力なく笑う顔(たぶん一番うれしいときの顔がこれなんでしょね)がどことなくリッキー・ジャヴェイスみたいでかわゆす。

42は10京桁の組み合わせをサーチ

Video: Numberphile/YouTube

ただ42のほうはもっと難物でした。1に17個0がつく桁(10京)まで総当たりが要る感じだったので、こりゃあかんと思い、並列処理の一番得意な人類Andrew Sutherland MIT教授に助けを求めてダブルAndrewでがんばったみたい。使ったパソコンは「Charity Engine」という、世界中のパソコン50万台以上のバックグラウンド処理の力を結集するスパコンです。

アルゴリズムと最適化を重ねて、何度目かの試行錯誤で導き出された解が…ジャーン! こちら。

190918answer_to_everything_42
Image: Numberphile/YouTube
(-80538738812075974)^3 + 80435758145817515^3 + 12602123297335631^3 = 42。親指はBooker教授

ながっ…! Booker教授も動画で「長すぎて覚えられない」と言ってますね。見つけたときの心境をSoutherland MIT教授は米Gizmodoにこう語ってますよ。

「 探して、答えがあればいいなと祈る気持ちでした。でも本当にこのアルゴリズムで見つかるのかはわかりません。待って待って、やっぱりダメだってあきらめかけたそのときに、数があらわれて。本当にうれしかった」

「宝くじのようなもので、何度も買っていればいつかは当たる。それはわかっちゃいるのだけど、当たるのがいつかはわからない、という難しさがありますね」

全世界のパソコン50万台のクラウドスパコン

ちなみにSoutherland MIT教授は2017年に580,000コアの並列処理で、普通なら300年かかる処理を12時間で終え、自己世界記録を更新した人物です。ダグラス・アダムズ作品はもちろんファン。

銀河ヒッチハイクでは「42」と言われた後に、「42じゃワケがわからない」と科学者2人がごねます。するとスパコンが「ワケがわからない質問だからな」と言い、「じゃあ、究極の質問を導き出せるスパコンの作り方を教えてよ」と新たな注文を付けられて「Earth!」と叫びます。それもあってSoutherland教授は全地球規模の並列処理スパコンをどうしても使いたかったのだとMITのプレスリリースで語ってますよ。数学の人は面白いなー。

ひょんな展開に、Numberphileは大喜びで記念シャツを売ってます。かなり欲しいです。


ディオファントス問題は、答えがわかってしまうと簡単に見えるのだけど、答えを探すのはめちゃ難しいのが特徴です。暗号通貨の楕円曲線暗号に連なるガチな数学ですね~はい~。

まったく意味がないはずの42に、深い意味を探すのは、数学ナードの定番ジョークでして、42にはもうひとつ、primary pseudoperfect numberという、舌を噛む特性もあります。つまり、42=2x3x7で、分子を1にして各数を分母にして足すと、1/2+1/3+1/7+1/42=1になるんです。だから何?って言われるかもですけど、この特質を持つ数はとても少なくて、2、6、42ときて、次は1806までないんですってよ! ちなみに国際数学五輪で満点とると42点、42をひっくり返すと「2b」で「to be」、ルイス・キャロルのアリスの絵も42枚、銀河ヒッチハイク映画の初週末興行収入も4.2ミリオンポンド、さらにまた…(以下略)。

Source: YouTube(1, 2, 3, 4

訂正[2019/09/20]記事初出時、ディオファントス問題の登場を1964年と記載していましたが、1954年の間違いでした。謹んで訂正いたします。

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