宇宙も大渋滞?
地球の周回軌道上には、人工衛星から宇宙ステーションまで、これまで人類によって打ち上げられた数々のものが存在しています。その数は増える一方でもあるため、それぞれが衝突してしまう危険性だって増しているわけでして!
このほど民間宇宙探査プロジェクトなどを進める米企業のBigelow Aerospaceは、米空軍から衝突の危険性を警告するメッセージを受け取りました。2007年にBigelow Aerospaceが打ち上げた「Genesis II」は、実験用宇宙ステーションとしての役目を果たし、2011年に引退。現在も地球の周回軌道上にあって、2020年代には軌道から外れて地球から離れていく予定ではあったのですが…。
Today, we were notified by the US Air Force that there is a 5.6% chance that Genesis II will collide with dead Russian satellite Cosmos 1300 in 15 hours. Although this is a relatively low probability, it brings to light that low Earth orbit is becoming increasingly more littered. pic.twitter.com/l6McbDgRNo
— Bigelow Aerospace (@BigelowSpace) September 17, 2019
本日、Genesis IIが今後15時間以内にロシアの衛星の「Cosmos 1300」と衝突する危険性が、5.6%に高まったとする警告を米空軍から受け取った。非常に低い可能性ではあるものの、低地球軌道環境は、ますますゴミであふれていることを示す例となっている。
Bigelow Aerospaceは、このようなツイートを流しています。Genesis IIもCosmos 1300も、いずれもすでに役目を終えており、たとえ衝突したとしても、実務面で被害があるわけではありません。とはいえ、その衝突によって、また破片が地球の周回軌道上に散乱し、さらなる別の衝突の危険性を高めることになってしまうでしょう。このままの勢いで、どんどんと特に規制もなく、各国が打ち上げたいだけ衛星などを打ち上げたら、その軌道上の大渋滞が引き起こすアクシデントは、ますます避けられないものになると、今回の例をきっかけに警鐘が鳴らされてもいるようですよ。
なお、Bigelow Aerospaceが、こうした衝突の危険性を事前に警告されるのは、今回が初めてだったとのことです。10%以上の確率であれば、実際に衝突する可能性が非常に高まるらしいのですが、こうした事態に今後は迅速に対応できるよう、新しい衛星には退役後も軌道修正能力を持たせる方針が明らかにされています。
ちなみに、一般的な人工衛星と比較して、Genesis IIはサイズが大きいため、こうした危険予測の対象ともなったようですが、もっと小規模な古い衛星同士であれば、わりと頻繁に衝突しては、さらなる宇宙ゴミの発生へとつながっているんだとか。そのうち世界で規制が進み、これ以上は宇宙を危険な場所にしない試みが加速するのかもしれませんよね~。
Source: Twitter