北米では鳥の数が3割も減っている。これは非常に良くないこと

  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
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  • たもり
北米では鳥の数が3割も減っている。これは非常に良くないこと
Photo: Michael Parr via Gizmodo US

悲しい3割減。

北米に生息する野鳥の総数が、1970年から約30億羽も減ってしまったことが最新の研究で明らかになりました。およそ29%の減少ということになります。

温暖化が進んで野生生物たちは驚くべき速さで絶滅しており、人類が環境を傷つけてきたことは明らかです。特に鳥類は全体的な環境衛生をモニタリングする上での有用な指標であり、最近Science誌に掲載された論文によれば、大規模な市民科学データベースとレーダーデータのおかげでほとんどの動物よりもよく観測されたとのこと。鳥の総数における大幅な減少は、早急に人間の行ないを正す必要があると示しているのです。

控えめ推参してもいまの状況は良くない

「鳥たちは“炭鉱のカナリア”です。鳥たちが死につつあるということは、我々にとっても良いことでないのは確かだ」と、この論文の著者の1人でBird Conservancy of the Rockies所属するArvind Panjabi氏は言います。

この計算はアメリカ合衆国とカナダに生息する529種の鳥類と、同地で繁殖する鳥たちの76%で構成されています。研究者らは、全米オーデュボン協会のおよそ120年間も続くクリスマス・バード・カウントのような標準化された鳥類モニタリングのデータベースから48年分のデータを使用。このデータは、2007年から2017年にかけて143の気象レーダーが米国内で集めたデータ網で補強されました。気象レーダーに映る渡り鳥から、科学者らは鳥類の生物量における全体的な変化を計算できるからです。著者らは論文の中で、この推算は控えめな数字だと綴っています。

独立したデータセットも、意見は同じでした。鳥たちは死につつある。調査は529種のうち、ハマヒバリのような一般的な鳥や、カワラバトとイエスズメのような外来種を含む57%が減少しつつあると明示しています。打撃をもっとも受けていたのは草地と森林の鳥たちで、唯一、総数が減少していない生物群系は湿地の鳥たちでした。

鳥が減っている原因は様々で、窓もそのひとつ

これは恐ろしい状況です。全米オーデュボン協会の上級量的生態学者で、この研究には携わっていないNicole Michel氏は「最初は飛行昆虫と草地の鳥たちだけだと思っていた」と語っています。「しかしもっとも一般的な鳥たちでさえ大幅に減っているなら、その解決には多くの労力を要するということを示唆している。あらゆる種類の鳥たちが異なる地域に生息していて、異なる食糧と生息環境を利用している場合、問題は1つだけじゃない。多くのことを直さなくては」とのこと。

あらゆる要因がこの減少に寄与していますが、その中でも特に重要なのは生息地が農業利用と都市化、そして殺虫剤のせいで変えられてしまっているという点です。つい先日、ある研究によって、一般的に使用されていて議論の的でもあるネオニコチノイド系殺虫剤のせいで渡り鳥の体重は減っていて、そして昆虫の生物多様性の減退がそれらを食糧とする鳥たちに影響を及ぼしていることが明らかになりました。

しかし、要因は他にもあります。米国では毎年、13億から40億羽の鳥が外飼いと野生の猫に殺害されている一方、よく引用される統計は年々、何億もの鳥たちが窓に衝突して亡くなっていると示唆しています。そういった見積もりに基づくと、化石燃料から離れることに反対している一派から鳥への影響を中傷される風力タービンでの年間の鳥の死亡数のほんの数パーセントしか占めていません。

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Photo: Ryan F. Mandelbaum
ハヤブサは保護努力と殺虫剤DDTの禁止のおかげで1970年代以降、生息数が盛り返した鳥類です。

人類もアクティビティーも存続が危うい

そのさなかでトランプ政権は、野生の渡り鳥のいかなる種の殺害や所有を禁ずる101歳の法律「渡り鳥条約法(MBTA)」を弱体化させる一歩を踏み出しました。鳥たちは氷山の一角かもしれないと、著者は書いています。もし鳥たちが苦しんでいるなら、他の動物の群れも間違いなく苦しんでいるはず。鳥たちの多くは中央と南アメリカに渡り、越冬地でも脅威に直面するので、問題はアメリカ合衆国に限ったことではありません。そのうち絶滅するのは私たちかもしれませんよ。

これは全国民が心配すべき問題です。合衆国魚類野生生物局は猟師の数が減ったにもかかわらず、野生生物に依存するアクティビティ(野生動物のウォッチングや釣りでの大幅な増加を含む)には16歳以上のアメリカ人の40%である1億人以上が携わっていると報じています。

希望はまだある

しかし、活動する限りは希望を持てます。Panjabi氏は、MBTAが羽のために捕獲されていたアオサギやシロサギのような鳥の個体数の回復へと導き、1970年代のDDT(農薬・殺虫剤の一種)の使用を制限する法律のおかげでハヤブサと白頭ワシは復活したと説明しました。湿地の鳥たちは、生息地を保護する北米湿地保全法のおかげによるところもあって、増加を見せた唯一の個体群なのかもしれません。

Recovering America’s Wildlife Act(アメリカの野生生物を回復させるための法令)」と呼ばれる連邦議会の超党派法案は、生息環境の回復と新たな保護プログラムを実行するために年間10億ドル以上の割り当てを望んでいます。オーデュボンの自然保護活動家たちは数あるゴールの中でも、北極の保護を目標にすること、五大湖とエバーグレーズを再生すること、MBTAをさらに強化することを特に望んでいるとMichel氏は言います。

誰にでも簡単にできることがある

スミソニアン国立動物園の鳥類のキュレーターであるSara Hallager氏は、誰にでも簡単にできることがあると言います。飼い猫を室内から出さない(あるいは屋外の囲いを作ってあげる)、鳥にとって安全な窓を導入するか鳥の衝突をさけるためのシールを窓に貼る、そしてバードフレンドリーなコーヒーを飲むことです。そして当然ながら票は、国の長期的な健康状態や築かれている土地、そこに住む人間と動物たちを気にかける政治家に投じましょう。

状況は切迫しており、修復するために協調的かつ国際的な努力が必要です。しかし、科学者らはこの研究が、人々が思いやりを動員する転機になると願っています。

「歴史はこれまでに何度も、我々が行動すれば変化を起こせると示した来た」とPanjabi氏。「絶望してる暇はない、行動を起こさないと」と語っています。

Source: National Geographic, Science, ScienceNews, Smithsonian.com, Washington Post (1, 2), NBC news, the Guardian, U.S. Department of the Interior, U.S. Fish & Wildlife Service, Congress.gov, All About Birds, Smithsonian’s National Zoo & Conservation Biology Institute

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