「ゲームギア」、「アタリ・リンクス」、「ネオジオポケットカラー」も!
今年でゲームボーイの生誕30周年。ですが、それを祝うべく任天堂から復刻版なりミニ版なりを出すきざしがないことは、痛々しいほど明らかです。
しかし、「アナログ・ポケット(Analogue Pocket)」の登場が明らかになった今なら、ゲームボーイのクラシック版が発売されないことを嘆く必要は…少しなくなるかと思います。
このマシンは、ほぼすべての携帯ゲーム機のカートリッジをいい加減なエミュレーションなしで完璧に高解像度画面でプレイ出来る携帯ゲーム機なのです。
Analogueのこだわり
これまで私たちは、若い頃に遊んだ懐ゲーをまた遊ぶためにエミューレーターが最高の手段ではないと何度も口にしてきました。
だからこそAnalogueは、レトロ回帰ゲーム機にFPGA(製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)を使う道を歩み続けてきました。そのシリーズは今のところ、「Analogue Nt」、「Super Nt」、「Mega Sg」があります。
FPGA(またはfield-programmable gate array)とは
これは古いゲーム機に使われているすべてのシリコンとまったく同じように機能するよう、プログラムが出来るカスタム・チップです。その結果、ゲームプレイとサウンド体験は、クラシックなゲーム機が生み出すものを正確に再現したものとなり、時にはそれ以上のものとなります。
FPGAがふたつ入っている
この新しい「アナログ・ポケット」の場合、ふたつのFPGAが内蔵されています。ひとつは「ゲームボーイ」、「ゲームボーイカラー」、「ゲームボーイアドバンス」など、カセットを背面のスロットに挿し込むゲーム機を再現するために使われます。また、アダプターを使えばセガの「ゲームギア」、「アタリ・リンクス」、「ネオジオポケットカラー」も走らせられます。
そしてもうひとつのFPGAは、開発者が「アナログ・ポケット」を何か別の携帯機に変換するためのものですが…最終的にどのような機能が提供されるかはまだわかりません。

明るくて綺麗な画面
「アナログ・ポケット」には、1600x1440ピクセルの解像度を持つ3.5インチのバックライト付きLCDスクリーンが搭載されています。GBAのように画面幅の広いシステムのゲームをプレイするときは、上下に帯を設けるレターボックスが表示されます。
「ゲームボーイ」のゲームは信じられないものに見えるはず。暗闇でゲームをするために、変なライトをくっつける必要はありません。また、microSDカードスロットも搭載され、公式機能ではありませんが、「Super Nt」と同様に、ROM経由でロードされるゲームもサポートされるでしょう。
この時点でもうポチっちゃう価値はあると思いますが…Analogueにはもうひとつ、任天堂から影響を受けた素晴らしい機能が追加されています。

ドックに挿せばテレビでプレイ!
それは「ニンテンドースイッチ」と同じく、別売りされたドックに合体させればHDMIでテレビに接続できるため、ゲームを巨大な画面で楽しむことが可能になる! というもの。
確かに、160×144ピクセルの解像度を持つゲームボーイのゲームを、880万ピクセル以上の4Kテレビでプレイするという発想は馬鹿げているように思えます。ですがたとえば『テトリス』で、自分の頭と同じ大きさのテトリミノを積み重ねてみることを想像してみてください。
このドックはBluetoothと、USBコネクタの2通りでコントローラーをサポートしています。
最近は音楽作りに使われる
携帯ゲーム機は、伝統的に家庭用よりも長い人生を享受してきました。米Gizmodoのリシェフスキーは、「NES」には何年も触れていない反面、机の上にはまだちゃんと動く「GBA」があるのだそうです。
しかし近年、「ゲームボーイ」は、そのシステムを使って電子音楽を作るチップチューン・ミュージシャンの間で人気を集めていたりします。「アナログ・ポケット」を使う音楽系開発者らのために、「nanoloop」という人気のデジタル・シンセサイザーとシーケンサーのアプリが存在します。こういった機能を考えると、第3者の開発者たちが「アナログ・ポケット」を利用できるようになれば、さらに多くの音楽制作アプリが提供されることが期待できそうです。
安くないけど遊べるタイトルは大量にある
「アナログ・ポケット」は2020年のどこかで、200ドル(約2万1,800円)で発売される予定です。
「Nintendo Switch Lite」に比べると少々お高いように思えますが、Analogueのこれまでのゲーム機のクローンをすべて見直すと、彼らが同社が比類のないゲーム体験を提供し、ハードウェアの品質を構築することに注力している会社であることが証明されています。なのでちょっとだけ贅沢をしても良ければ、これを買っても後悔はないでしょう。
さらに、同じく2020年に発売予定の150ドル(約1万6,300円)の「Playdate」は、最初はシーズン1として計12タイトルを毎週1タイトルずつ配信される予定です。その反面、「アナログ・ポケット」は任天堂だけで2,780本以上がプレイが可能です。
「Playdate」の予約受付がまだ始まっていなくて、良かったと思いませんか?