Apple Watchって女性に便利。でも見た目的には、どうなんだろう

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  • author 福田ミホ
Apple Watchって女性に便利。でも見た目的には、どうなんだろう
Photo: 福田ミホ

Apple Watchこれからも使いたいので、気になってたことを。

今年の新Apple Watchの登場で、Apple Watchはもう5代目になりました。私は初代から1代おきに買っていて、Series 5で3本目になります。Apple WatchはiPhoneの子機的に使えるだけでなく活動量計でもあったり単体で電話もできたりと盛りだくさんですが、私はとくに女性にとっての利便性が高いと思って使っています。日本ではそうでもないかもしれませんが、アメリカではApple Watch着けてる女性をよく見かけてました。

でも私はApple Watchのことは、あんまり積極的に人に勧めることができていません。理由のひとつはApple Watchが世の中的にまだ嗜好品というか、「ガジェット好きな人が買うもの」の域を出ていないように感じるからですが、もうひとつもっと大きな理由は、「見た目のデザインがそこまで好きじゃないから」です。

普通の腕時計とかブレスレットだったら、デザインがすごく好きじゃない限り身に着けないんですが、Apple Watchは他にない機能があって便利だから見た目は妥協して着けてる感じです。嫌いとまではいかないですが、正直大好きでもないです。そういう意味でApple Watchは、ジョナサン・アイブ氏が目指した「ファッションアクセサリー」にはなれてないんだと思います。

最近AppleはApple Watchに女性の周期記録機能を追加したり、婦人系医療の研究に参画したりして、今まで以上に女性を引きつけようとしています。でもデザイン的には初代から大きく変わっていませんし、むしろ女性向けから遠ざかってしまったこともあるように見えます。Apple Watchはこのままでは女性(というか私)にとっての満足度が上がらないままで、むしろ新バージョンが出るたびに「また変わらなかった…」という失望が深まってしまうかもしれなくて、心配です。

なのでこの記事では、Apple Watchが女性にとってどう良いのかってことと、見た目的に何が問題(と私が思っている)か、を書いてみます。

Apple Watchの女性にとってのメリット

私がApple Watchを使って良かったと思うことのひとつは、「電話に出られるようになった」ってことです。スマホとスマートウォッチ使ってて一番便利な機能が電話ってどういうこと?もうガラケーでいいんじゃない?と詰められそうですね…。でも私はだいたいiPhoneをバッグの中とかコートのポケットにマナーモードにして入れているので、電話がかかってきても気づかなかったり、気づいてもカバンからiPhoneを取り出すのに手間取ったりしがちだったんです。でも今はApple Watchが手首で振動してくれるので、着信にすぐ気づけます。

電話だけでなく、LINEでもその他のメッセンジャーでも、通知を逃しにくくなりました。男性の服と違って、女性の服にはポケットが付いてなかったり、あっても小さめだったりします。なので私と同じようにスマホをバッグとかに入れていて通知を逃している女性が多いんじゃないでしょうか。たまに友だちの前でApple Watchを使って電話に出たりすると、「何それいい! 私も使いたい!」みたいに言われます。

あとこれは女性というより子連れと言ったほうがいいことですが、子どもの手を引いてたりで手がふさがってるときに、Apple WatchをiPhone代わりに使えるのがうれしいです。たとえばスーパーでもApple Payの使えるところならApple Watchで支払い可能なので、カバンをごそごそして財布を出す必要がありません。

それから簡単な操作で緊急電話がかけられる機能も、watchOS 6で追加された周期記録アプリも、女性にとっては実用的です。そしてもちろん活動量計は、ちょっと動くと消費カロリーが増えていくのがうれしくて、ちょいちょいチェックしてしまいます。

ただ、ここに書いたことのほとんどはApple Watch限定の機能じゃありません。でもAndroidとかSamsungのTizenベースのスマートウォッチはたいていApple Watch以上に男性的なデザインで、女性向けのものもあるにはあってもまだメインストリームな感じではありません。

そういう意味でApple Watchにもっとがんばってほしいのですが、個人的に見た目の面で引っかかることがいろいろあるんです。Apple製品のデザインに物申すなんてたいへん恐れ多いんですが、4年間悩んできたいちファンの声として、お伝えしたいと思います。

サイズが大きすぎる

Apple Watchのデザインで一番気になるのは、まず大きさです。Apple Watchには現在40mmと44mmの2サイズあり、私は40mmの方を使っているんですが、40mmでも通常の女性用時計より大きいと感じます。しかもSeries 3まで38mmと42mmだったのに、Series 4から各2mm大きくなったので、そのときは突き離された感じがしたものです。

腕時計のサイズが大きいと、どうしてもメンズライクでスポーティな雰囲気が出てしまいます。なのでフェミニン系な、たとえばスカートとかワンピースとかを着るときにApple Watchを着けるのは、どうも合わない感じがします。指輪とかブレスレットとか、他のアクセサリーとも合わせにくいです。

またはシンプルな黒タートルにジーンズみたいなスティーブ・ジョブズスタイルだとしても、そういうときこそ小物が全体の印象を左右するので、Apple Watchのスポーティさが強すぎる感じがしてしまいます。自分は女っぽいものもニュートラルなものも両方好きなのに、Apple Watchがあることで全体のテイストがつねにスポーティ寄りになるのが納得いかないんです。

だったら気分じゃない日は外しとけばいい、って思われるかもしれません。でもApple Watch生活に慣れると、Apple Watchなしで出かけるのってスマホなしで出かけるのと同じくらい心もとなくなります。活動量の記録が途切れるのもなんとなく悔しいです。なのでぜひ、Apple Watchにはもっといろんなテイストをこなしてほしいんです。

ちなみにここでいうフェミニン系とは、別に結婚式の二次会ドレスみたいなファンシーなものじゃなくて、こういう感じのまあまあ日常着です。

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Photo: 福田ミホ

一応純正の中でもっともエレガント系だと思われるミラネーゼループバンドにしてるんですが、それでもApple Watchが大きすぎて浮いてる感じ、伝わるでしょうか…?

個人的には、こういう服のときに腕時計をするならこんなのです。というか、腕時計はこれともう1本しか持ってないんですが…。

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Photo: 福田ミホ

Apple Watchと並べると、こんな感じです。

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Photo: 福田ミホ

ちなみにこの時計のケースサイズは、文字盤上下の出っ張った部分を測っても20mmで、Apple Watchの約半分です。文字盤本体の直径は16mmくらいです。一応会社員だったこともあるのにこういう時計しかなくてほんとすみません。

Apple Watch版iPod shuffleが欲しい

さすがにこのサイズは極端だとしても、時計・ジュエリー好きサイトのTrue Facetによれば、女性のスタンダードな腕時計のケースサイズは26〜29mmだそうです。Apple Watchも20mmはムリとしても、30mm切るくらいのバージョンはなんとか作ってくれないものでしょうか?

とはいえ今の40mmでさえアイコンを押し間違えたりするので、小さくなるとさらに操作しにくくなりそうです。それにいろんなセンサやらプロセッサやらバッテリーやらを詰め込んでるので、30mm以内に収めるのが技術的に難しいかもしれません。

もし今のApple Watchをそのまま縮小するのが難しいとしたら、機能を削ってくれてもいいと思います。iPodにおけるiPod shuffleみたいな感じです。たとえばApple Watchにはニュースアプリもありますが、極小画面でニュースを読む人はまれだと思われます。Apple Watchの認証には今はパスコードが使われてますが、Appleは最近手首の皮膚で認証する技術の特許を取っているので、将来的には画面の小さな数字を押しての認証が不要になるかもしれません。

最低限の機能に絞ってサイズを小さくしたApple Watchができたら、iPodとiPod Shuffleみたいに、両方買う人も少なからず出てくると思います。運動する日は40mm、フォーマル系仕事の日は30mm、もっと小洒落たい日は24mm、みたいな使い分けが広まっていけば、Appleの売上も増えるので、ぜひご検討いただけないでしょうか…?

さらに妄想すると、もしそこまで小さいApple Watchができるなら、そして指でも心拍数とか測れる技術がすでにあるってことも考えると、スマートウォッチじゃなくスマートリングでもいいのかもしれません。今「スマートウォッチ着けたいけど腕時計も好き」みたいな人が、片手に高級時計しながら反対の手にApple Watchで、ちょっとユーモラスなことになってる場合があるようですが、リング型も選べるようになれば、そういった人の悩みも解消できることと思います。

文字盤が黒い

もしこれからApple Watchにミニサイズが出てきたとしても、私が感じてる問題の半分くらいしか解決しません。もう半分は文字盤の中身、とくに「文字盤がだいたいいつも黒い」ってことにわりとフラストレーションを感じています。コンピュータのディスプレイなんだからデフォルト黒で当たり前! 明るい色のバッテリー消費わかってんのか! と怒られそうですが、やっぱり手首にあるものとして、服とか合わせるものとの相性を考えてしまうんです。

あ、もちろんApple Watchの文字盤はカスタマイズできるので、白でもピンクでも好きな色に変えられます。ただほとんどの時間、それはオフモードの黒い画面になっています。watchOS 6へのアップデートで、オフのときでも表示はされるようになりましたが、それでも省電力のために黒メインになってます。だからどんなにライトな色のバンドを付けていても、必ず黒が、わりと大きな面積を占めてきます。

上で比較した時計もそうですが、通常の腕時計の文字盤って白とかアイボリーとかシルバーとか、薄めでケースになじむ色が多いです。もちろん黒とかネイビーとかの濃いめの文字盤の時計もたくさんあって、それはそれでいいものもありますが、Apple Watchみたいに選択肢が黒しかないのはけっこうな制約です。黒、特にディスプレイの黒ってすごく強い色なので、白系とかパステルカラーとかの服と合わせるにはきつすぎます。なので真っ白とかじゃなくていいから、もうちょっとオフモードの画面を柔らかい表現にできないものなのか、と思う次第です。

妄想を含めればちょっとだけうれしいお知らせは、最近パナソニックが、オフのときに透明になるディスプレイを発表したことです。だから技術的にも、今すぐじゃないかもしれませんが、ディスプレイ=黒じゃなくてもよくなるはずです。もしApple Watchに透明ディスプレイが採用されれば、なんなら金のバングルみたいなやつにそのディスプレイが埋め込んであって、必要なときだけ表示される…みたいなことができるんですよね、多分。期待です。

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Photo: 福田ミホ

色関係ではもうひとつ、セルラーモデルでは問答無用でデジタルクラウンに赤いリングが入ってくるんですが、リングなしのも選べるようにしてくれないかな…と思っています。画面の黒とケースのメタリックのコントラストだけでも解消したいのに、赤が加わって余計につらいんです。

画面表示がごちゃごちゃしてる

最後に、これはカスタマイズである程度解決できるんですが、画面が全体的にごちゃごちゃしてることも気になってます。ごちゃごちゃじゃなくできる文字盤もあるのでもうちょっと厳密にいうと、問題は「画面がごちゃごちゃしない文字盤の選択肢が少なく、かつカスタマイズの自由度が低いこと」です。

自分の好みでいうと、まず時刻が直感的にわかるアナログ表示の文字盤にしたいんですが、アナログ表示の文字盤のほとんどに1秒刻みの目盛りが入っています。とくに「インフォグラフ」は2分の1秒、「クロノグラフ」に至っては(細かさが身上だからしょうがないですが)4分の1秒ずつ、細かーーい目盛りが入っていて、それを消したり、刻みを大ざっぱにしたりといったカスタマイズはできません。私は「シンプル」の文字盤にしてて、これだと目盛りを入れるか入れないか、入れるとしたらどれくらい細かくするかまでカスタマイズできるんですが、他のアナログ文字盤では目盛りがあるかないかのどっちかしかありません。

なのでアナログ文字盤ではほとんどの場合、四角い画面の中に丸い時計が、細かめの目盛り入りで表示されてる状態になります。そしてたいていは余白になってる四隅に、何らかのコンプリケーションを表示することになります。

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Photo: 福田ミホ

この盛りだくさん感、何かに似てるな…と思って考えてみたら、学食とかでトレーいっぱいに食べ物をとっちゃったときの状態です。真ん中の時計がメインの大皿で、さらにトレーの四隅にそれぞれサラダと小鉢とデザートとコーヒーを載せてるような感じです。あ、でもそれがダメだと思ってるわけではなくて、むしろこの小さな画面によくここまで情報を混乱せず載せてるなあと感嘆するのですが、ただこういう大盛り感はダイバーズウォッチの文字盤にミニ文字盤が何個も入ってるのと同じで、やっぱり男性向けなのかな、と思います。自分としては、もっと文字盤に余白のある時計を身に着けたいんです。

Apple Watchの文字盤はカスタマイズできるので、ごちゃごちゃを避けるにはコンプリケーションを使わないのが手っ取り早いです。でもそれだとApple Watchの良さが半減するので、私は今は「シンプル」の文字盤で時計の目盛りをナシにして、アナログ時計と四隅のコンプリケーションの間の余白を確保、してるつもりです。

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Photo: 福田ミホ

でもこれって積極的にしたくて選んだというより、消去法でこうするしかなかった感じです。なので、シンプル系な文字盤にももっと選択肢があってほしいし、今ある情報量多めの文字盤から要素を削っていくカスタマイズがもっと柔軟にできればその選択肢になるんじゃないかと思います。

以上、超個人的なApple Watchへの愛と疑問、将来への期待と妄想を言い募らせていただきました。これからもApple Watch使っていきたいので、来年か再来年でもいいので、もうちょっと女性にも使いやすいデザインになってくれるとうれしいです。

Source: Wall Street JournalTrue FacetHodinkee

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