休日のちょっとしたお出かけ、運動、通勤にも。
この夏、郊外に引っ越したのを機に新しい自転車を探していたという米GizmodoのAndrew Liszewskiが、Cannondale(キャノンデール)最新の自転車ラインTreadwell(トレッドウェル)のレビュー記事を公開しました。
アスリート向けではなく、ちょっと重たい腰を上げて外に出かけるときによさそうな自転車が欲しかったという彼のニーズは果たして満たされたのでしょうか...?
Cannondale Treadwell EQ

これは何?:パフォーマンスを追跡できる自転車。カジュアルな使用向き。
価格:635〜950ドル(国内価格8万9000円)。サイズ、アクセサリにより異なる。
好きなところ:超快適な乗り心地。合理化された統計追跡。
好きじゃないところ:組み立てが大変。アプリは改善の余地あり。
もともと自転車のブランドについてそこまで詳しいわけじゃないのですが、キャノンデールのことは知っていました。近所の自転車屋さんを覗いてみると、物凄く軽量で合理化されたカーボンファイバーの特性にうっとり...。
とはいってもサイクリング初心者の身からすると、アスリート向けに設計された自転車に何十万円も費やすなんて考えられませんでした。そこで目についたのが、最新の「トレッドウェル」シリーズ。635ドル〜と、比較的手に入りやすい価格なので、これでツールドフランスに出場して元をとらなくちゃ...!!と、自分を無駄に追い込む必要もありません。
実際、トレッドウェルはカジュアルなサイクリスト向けにつくられているので、乗りやすくメンテナンスも簡単なのが特徴です。カロリー消費などを閲覧できる専用アプリは、おそらく自分の親世代でも使いこなせそうな印象。
かごが便利すぎる

正直、最初はこのレトロなスタイルがそこまで気に入りませんでした。でも数週間ほど使ってみて、デザインの機能性こそがこの自転車の魅力なんだと思いはじめました。また、オフロードを除けば、あらゆる道、場面で乗りこなせることにも気づきました。
それから、自分がかご付き自転車(モデルに含まれるオプション)に乗るタイプの人間だとは思ってなかったのですが、スーパーでの買い物に便利すぎて、もうかご無しでは生きていけない(大袈裟)くらい重宝してます。
すっきりしたデザイン、機能性ばっちり





トレッドウェルのデザインには微差あって、多くの選択肢があります(編注:日本では2モデルのみの展開)。乗ってみないと分からないですが、まちがいなく重宝できるものばかり。たとえばディスクブレーキとギアシフト用のケーブルは自転車のフレーム内に配線されているため、衣類に引っかかったり、油汚れが残ったりする心配はありません。タイヤは、多くのロードバイクのものより大きめですが、グリップが大きく、バンプの吸収に優れています。ゴムストリップによって塗装を剥がすことなく壁に立てかけることもできます。そして、パッド入りサドルは幅広で、自分史上最も快適です。
気になるところ
まちがいなく初心者向けの自転車ではあるのですが、組み立てに関してはプロの手助けを借りる必要があるかもしれません。私の場合は紙のマニュアルなしで一部を組み立てました(ペダルをねじ込むのは簡単でした)が、近所の自転車屋さんで50ドル払ってきちんと組み立てて安全確認してもらいました。これはもう必要経費だと思っています。フレームを傷つけることなく、ネジやボルトをしっかりはめるのにトルクレンチなど特殊な道具を使う必要があるからです(記事を出してから、キャノンデールから連絡がありました。本来は、組み立てられた状態のものが売られているべきだと)。
ほかにも気になったのは、多くの自転車にあるはずのキックスタンドがないこと。どこに自転車を置くにせよ、壁を探して立てかけるしかありません。それから反射板はありますが、安全のためのLEDライトも付属されていたらもっと便利だっただろうなとも思います。
パフォーマンス追跡&リアルタイムチェックが可能

ワイヤレスなパフォーマンストラッカーは、ガーミン製。最近のハイエンド寄りな自転車ではベーシックなアクセサリーとなっていますが、キャノンデールの自転車の良いところは自分でインストールしなくても良いところ。すでに内蔵されているのは良いのですが、私の場合初期トラブルがありました。iOSバージョンのアップデート以後はすっかり直って今じゃかなり頼もしいです。


センサーは、前輪の回転に合わせて速度、走行距離、乗車時間などのパフォーマンスデータを記録します。センサーの自動記録は、スマホにもシームレスに同期されます。GPS機能を利用してルートを記録することもできますが、スマホを常に携帯している必要がないので楽です。
ただ、アプリでできることは少し限定的にも思えます。たとえば、過去の走りと比較して深く掘り下げて分析することなどはできません。いっぽうで、車の運転と比較してどれくらいの燃料を節約できたかなどの情報は出てきます。ここでもハードコアではなく、あくまでカジュアルなサイクリスト向けの自転車であることがうかがえます。個人的には、メンテナンスの時期をお知らせしてくれる機能が気に入っています。

最後に、Walmartのような大型ボックスストアでも完全に機能的な自転車が150ドル未満で入手できるので、それらと比較すると、最大950ドルかかるキャノンデールのトレッドウェルラインはかなりの投資だといえます。それでも、キャノンデールは競技用自転車の設計に関する専門知識を活用してあらゆるレベルのサイクリストに合わせた機能を提供していることには変わりません。オリンピックに出場する以外の用途なら、この自転車は幅広く十分に活躍してくれることでしょう。
メモ
・競技向きな自転車ではない。でも乗り心地は滑らか。多機能的な自転車。
・キックスタンドやLEDはナシ。同社が想定しているターゲット層にとっては便利なはずなのに。
・ガーミンの内蔵センサーは最高。スピード、距離、カロリー消費など自動追跡してくれる。
・専用アプリを使うと、あらゆるデータにアクセスが可能。でもUIは改善の余地あり。
・アプリはまた、EQを調整するタイミングのお知らせ機能つき。メンテナンスの仕方に詳しくない人にとってはナイスなリマインダー。