オウムアムアに続く恒星間天体、よく知ってるアレに似てる

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
オウムアムアに続く恒星間天体、よく知ってるアレに似てる
ハッブル宇宙望遠鏡が写した2I/ボリソフ彗星

観測史上2つ目の恒星間天体は、予想どおりだけど期待はずれな姿だったそうです。えっ、それってどういうこと?

異端児ではなかった

長い間科学者が探し求めてきた恒星間天体が、初めて人類の前に現われたのは2017年。ものすごいスピードで太陽系を駆け抜けていった「1L/オウムアムア」は、予想をことごとく裏切るものでした。

まずもって彗星ではなく小惑星だったし、おまけに葉巻のような奇妙な形をしていたのでエイリアンの宇宙船では?とまことしやかにささやかれたほど。恒星間天体の鮮烈なデビューとなりました。

そして去る8月には2つ目の恒星間天体「2L/ボリソフ」が発見され、今度のはどんなヘンテコな姿をしているのかとまたもや注目を集めたのですが…。残念というか期待どおりというか、先日発表された分析結果によると、こちらはいたって普通のようです。

「オウムアムアは小惑星のようでしたが、ボリソフはれっきとした彗星です。彗星特有の長い尾とコマも観測されています」と天文学者のMichal Drahusさん(ポーランド・ヤギェウォ大学)は米ギズモードに話してくれました。「これは大事なことです。なぜなら、恒星間には彗星が多く存在していると考えられており、理にかなっているからです」。

彗星か、小惑星か

科学者たちは、もし恒星間天体が観測されたなら、それは彗星の姿に違いないだろうと予測していました。彗星のほうが恒星から離れて存在しているため、その恒星の重力から抜け出しやすいからです。

だから人類初の恒星間天体、オウムアムアが2017年に飛来したとき、科学者たちは度肝を抜かれました。コマもなく、尾もなかったオウムアムアの異様な姿に科学界は騒然となり、ずいぶん「彗星か、小惑星か」という議論も長引きました。

小惑星は主に岩石でできている天体で、母体となる恒星に比較的近い場所に存在すると考えられています。対して彗星は主に塵と氷とでできていて、恒星からはるか離れた場所で形成されます。

小惑星と彗星は元素組織も違えば地球から見た姿も大きく異なっています。彗星は氷でできているため、太陽のようなエネルギーをバンバン放出している星に近づくと、その熱で徐々に溶かされてガスと塵になり、薄い大気のようなコマとたなびく尾を形成します。

いたって普通

その後、2019年8月30日にアマチュア天文家のボリソフ氏により「2L/ボリソフ」が発見されてからは、世界中の学者が熱心にフォローアップ調査を進めてきました。ボリソフは果たしてオウムアムアのように異端なものなのか、それともオウムアムア自体が異端だったのか…?

そして、気になる研究結果がこのたびNature Astronomy誌に発表されました。それによれば、ポーランドとオランダの天文学者チームがカナリア諸島に設置されているウィリアム・ハーシェル望遠鏡、それからハワイ島にあるジェミニ北望遠鏡を使ってボリソフを観測したところでは、太陽系の外から飛来してきた軌道が確認され、やはり恒星間天体だと再認定されたほかは「いたって普通」だと結論付けられました。

ボリソフはびっくりするほど普通でした。軌道以外は今まで観測されてきた太陽系内の彗星となんら変わりありません。

いかにオウムアムアが不思議な天体だったかが際立つ結果となりました

と研究者のひとり、Drahusさんは語っています。

太陽系以外の宇宙を知る手がかりに

予想どおりの結果となり、いささかドラマには欠けるのですが、これは科学にとってはいいことのようです。

米アリゾナ大学のKat Volkさんによると、Drahusさんらの研究結果は太陽系の外から来た彗星も太陽系内の彗星と同じようにつくられている可能性を示唆しているそうです。ということは、太陽系内で起こっている事象がそのままほかの恒星システムにおいても起こっているのかもしれません。そうだとすれば、直接探査できないとしても、太陽系以外の恒星系を知る有力な手がかりとなりますね。

次のお客様は

ただし、ボリソフについての研究はまだ初期段階。まだまだスペクトロスコピーなど行われるべき分析はたくさんあります。幸いボリソフが太陽系に入ってきたところで発見できたので、太陽系を出ていくまでにはまだ時間があるとのこと。

それに、恒星間天体の発見は今後も続きそうです。今のテクノロジーをもってすれば、だいたい年に一個のペースで恒星間天体を発見できるのではないかとも期待されているそう。

次に飛来してくるヤツは、オウムアムアのような異端児なのか、はたまたボリソフのようないい子ちゃんなのか。今から楽しみですね!

Reference: Nature Astronomy

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