南極の巨大な氷山が分裂しました

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
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  • たもり
南極の巨大な氷山が分裂しました
Image: Copernicus/Sentinel/Scripps

南極のアメリー棚氷から、3150億トンに及ぶ巨大な氷山が分離しました。

米国と欧州の衛星画像によれば、氷山が分離したのは9月24日から25日にかけてのことだとAFPは報じています。D28と名付けられたこの巨大な氷山の表面積は、スクリップス海洋研究所いわく1,636平方キロメートル。大まかに言ってロードアイランド州の約半分、マンハッタンの22倍の大きさに相当します。氷山の厚みは約210メートル、重量は約3150億トンです。日本的に比較すると、京都市の2倍くらいの面、富士山の1/10くらいの重量になります。

この氷山が分離した南極のアメリー棚氷は、南極で3つ目の大きさを誇る浮氷です。この棚氷でこの規模の分離が見られたのは、1960年代に9,000平方キロメートルに及ぶ巨大氷山が分離して以来だとBBCは報じています。

D28は現在、海流と風に押されてゆっくりと西方へと流れています。氷山が完全に分離して海に溶けるまでは数年かかるかもしれません。D28はこの海域を通る船への脅威となりうるため、衛星が注意深く監視しています。

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Image: NASA/MODIS
アメリー棚氷の位置を示す、南極の地図。

アメリー棚氷は南極の東側にとって、重要な排水路の役割を果たしています。長い時間をかけて氷河が大陸から海へと流れ、漂流する棚氷を形成。やがて雪と氷の蓄積によって大きな塊が海へと落ちますが、これは完全に正常で繰り返される地質学的なプロセスなのです。スクリップス海洋研究所いわく、アメリー棚氷は60~70年ごとに分離するそうで、今回の出来事は予想されており、気候変動とは結び付かないものなんだとか。もちろん、D28氷山が溶けても海水面には影響を及ぼしません(棚氷の時からすでに海水を押しのけているから)。

「世間が混乱してこれを気候変動だと考えないことがとても大事だ」とスクリップスの氷河学者Amanda Fricker氏はAFPに語っていました。彼女はスクリップスのツイートに「この出来事は棚氷の正常なサイクルの一部で、南極について懸念すべきことはたくさんあるが、この特定の棚氷に関してはまだ心配することはない」と付け加えています。

そうは言っても、この分離はスクリップス研究者たちにとって不意を突かれるものだったとか。彼らは「抜けそうな歯」とあだ名をつけていた、アメリー棚氷の別の区域が分離すると思っていたからです。そのため、科学者らは分離が起こりそうだと分かっていたものの、別の部分に狙いをつけていたのでした。

科学者らはD28の経過を見守るとともに、巨大なセクションの損失が安定性に及ぼす影響を見るためにアメリー棚氷自身も観測するそうです。

東南極は大陸の中でも安定した氷が存在する場所です。今年の初めに発表された研究は、東南極が氷を失いつつあって海面上昇に大きく貢献したと示していますが、遠く離れているということは科学者らは未だに未知の部分があるということ。

D28は巨大ですが、近年に南極から分離した氷山にはもっと大きいものもあります。2017年、ラーセンC棚氷が割れて、総面積5800平方キロメートルの氷山A-68が誕生しました。2018年には、A-68から異様に角張っている卓状氷山と呼ばれる種類の氷山が発見されたことでも話題になりました。

Source: AFP, BBC, Twitter
Reference: Wikipedia (1, 2)

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