高揚と恐怖が入り交じる。
サムスンが送り出し、auが2019年10月25日に発売した話題の折りたたみ(折り曲げ)スマホ「Galaxy Fold」。
みなさん色々気になっているポイントはあると思いますが、やはり最初に語るべきは「折り目ってどうなの?」ってところだと思います。まぁ、それがこの端末一番の特徴であり、利点へと繋がるポイントですしね。
まずは、そこのフィーリングや、感じたことをお伝えしていこうと思います。個人的には、ワクワクとドキドキが入り混じる、面白い体験になっていますよ!
折り目意外と気にならない。ただし角度によっては歪みも…
はい、こちらが折り目。ご覧のように折り目、あります。
指で触ってみると折り目部にはボコッとした感触を覚えますし、こうして蛍光灯の照り返しがあるとさらに強調されるので、まっさらなタブレットの画面と比較したら違和感を感じることは否定しません。
しかし、この画面の「歪み」が起こらないスイートスポットもあります。ほら、こうして正面から見ている分には、歪みってわかりませんよね。あと部屋が暗いとほとんど分かりません。
もちろん使っている時は、そういったスイートスポットばかりじゃないんですけど、使っているうちにちょっとした歪みくらいなら自然とスルーできるようになります。
身近な例で例えると、保護フィルムを貼る時にホコリ(〜)が残ってしまった時みたいな感覚に近いかも。
貼ったばかりの時は「やっちまった!失敗した!」ってその部分が気になって気になって絶望感しかないんだけど、1日、2日、1週間使っていると、その部分にホコリが挟まれているなんてこと気にしなくなって来るふしぎ。サイズこそ違いますけど、おそらくこの「歪み」もそういった類のものだと思います。気になっている人には一言、脳が慣れる、安心して!
メディア再生機として、この画面のデカさはいい!
わかっちゃいたけど、やはり「開ける」というのは、ロマンだけじゃなくて実用的。
開いた時の画面サイズは約7.3インチ。スマホ以上、タブレット未満といったサイズだけど、たとえば電車移動時にYouTubeやらNetflixを見たい、電子書籍を読みたいといったシーンにはこのサイズは有利ですね! 片手で収まるサイズから、両手持ちサイズへと情報量が一気に広がります。目への負担も下がって快適さは明らかに上がりそう。
件の「歪み」もコンテンツに集中しちゃえば、なおさら気になりません。繰り返しますが、脳が慣れます。
ただ、メディア再生シーンでは音質が若干物足りない印象でした。端末の上下が横持ちでは左右に来てステレオ感もあるんですが、若干こもり気味です。メディア再生機として考えるなら、別途スピーカーやイヤホンを用意したくなりますね。
折りたたみの裏にある「恐怖を乗り越える」感触
なるほど、これが画面を折りたたむということか…。
この端末は折り曲げてもいいものだとわかってるんだけど、折りたたむたびに罪悪感を感じてつい身構えちゃうんですよね。
画面を触ってみると、薄くありつつも柔軟性のある素材なので、パキッ!ってなることは無い。事実、メディアによる曲げ実験では12万回ほど耐えられている。…と頭ではわかっているんだけど、やっぱりなんか怖い。なんというか、我々は「画面を曲げる」ことにまだ慣れていないんです。
特に折りたたむその瞬間に中を覗き込むと、画面の曲がる部分が相対的に明るく見えるのも恐怖心を煽ります(他の部分が暗く見えているため)。まるで最後の灯火のように思えちゃって、このまま畳んだら次開いた時に灯らなくなっていたらどうしよう…。と、もしものリスクに震えています。これは慣れるんですかね?
僕らの常識では、画面は曲がるものではないし、いかに固く防御するか?というもの。曲げるという動作がタブーであるという常識が、打ち払えていません。なるほど、タイムスリップやら異世界転生やらで、それまでの常識が逆転した世界に戸惑う感覚ってこれなんですね。
オレ、ガジェット大好きな普通の男子なんだけど、変なキッカケでスマホが折り曲がる、とんでもない世界に来てしまった(ひぇ〜)! 果たしてオレはこの曲る世界に慣れるのか…?
オレの本当の冒険はこれからだ。