この研究は英語ベースで行なわれたことは留意しておきたい。
私はスマホを使ったタイピングが苦手です。特に日本語入力は手に負荷がかかりすぎると思っています。iOS13で英語キーボードのスライド入力が可能になって以降、特にそう思っています。
だから、テキストメッセージを受け取っても急ぎでない場合を除いてMacやキーボード付きのiPadで返信しますし、iPhoneしかもっていないのに出先で仕事を進めないといけない時なんかには、音声入力を使ったりしているほど。
でもThe Guardianの記事によると、最近はスマホで従来の物理キーボードとほぼ同じ速度でタイプする人が増えてきているみたい。たしかに、電車の中でもマッハでスマホタイピングしている人見かけるからなぁ…。
調査対象者の7割がスマホ入力のほうが速かった
スマホとキーボードのタイピング速度の研究をしたのは、アールト大学、ケンブリッジ大学、チューリッヒ工科大学の研究チーム。彼らは160カ国以上から3万7000人以上のボランティアを募り、モバイルデバイスを使って英語のタイピング速度の調査を行なった結果、毎分平均約36ワード(wpm)もタイプすることがわかったそうです。そして、参加者の7割が物理キーボードよりもスマホでタイプするほうが速かったそうです。
別の2018年の研究では物理キーボード入力の平均速度は毎分約52ワードだった一方、ある参加者はスマホで85ワードもタイプすることができたのだとか。
「スマホ入力が速くなった」というよりも...
ただ、これはスマホでのタイプ速度が著しく向上しているというだけでなく、ハードウェアキーボードタイピングの速度が落ちているとも言えます。
「物理的なキーボードを使った方がはるかに速く、本来100wpm程度でタイプできるのですが、実際にキーボードを使う人の割合が減ってきています。」というのはチューリッヒ工科大学の研究者で、この研究の共著者のひとりでもあるAnna Felt氏。「ほとんどの人が35〜36wpmです。」と付け加えました。もし、多くの人たちの物理キーボードの速度が低下し続け、タッチスクリーンの速度がさらに速まれば、ふたつの差は完全に縮まる可能性があると研究者らは考えているようです。
他にも興味深い結果が出たそうです。例えば、片手もしくは一本の指で入力するよりも、両手で入力する方が速く、平均38wpmでした。両手入力は調査対象者の74パーセントを占めていたとのこと。また、当然ながら若者の方が速く、10〜19歳の人たちは40代の人たちよりも毎分10語多くの単語を入力したそうです。さらにオートコレクト機能はタイピング速度を大幅に向上させる一方、単語予測機能は速度を低下させていました。
ちなみに、これは意外でしたが、ティーンエイジャーはスマホの最ヘビーユーザー層ではなく、もっともスマホを使う年代は20〜39歳のグループだったとのこと。この研究に参加した人たちは、1日に平均6時間スマホを使っていました。
しかし、調査対象者はスマホ好きな若者
論文の中で、研究者たちは自分たちの研究の限界があることを認めています。というのも、何万ものボランディア参加者はもともとタイピングに興味を持っている人たちばかりな上に、若い人たちに偏っているためです。しかし、この研究データからタイピングの未来を垣間見ることはできたと言えるでしょう。
「若い世代はタッチスクリーンデバイスに慣れているので、それより上の世代との差が大きく現れています。」とAalto大学のAntti Oulasvirta教授は述べています。「これは運動技能の一種で、正式な訓練を受けることなく自分で学ぶものなので、物理的なキーボードでタイプするのとは異なります。」
ちなみに、自分がどれくらいの速度でタイピングできるのかを知りたかったらら、このサイトに行ってみてください。10分程度で判定できますよ。私(訳者)の結果は以下の通り。

ライターにしては遅いと思います。ちなみに、自分的に日本語よりも英語の方がエラーが少なくて、速く打てる気がします。日本語もスライド入力に対応してほしいのですが、そうなるとかな入力キーボードの配列を覚え直さないといけないことになるのでしょうか。それもちょっと面倒なので、やっぱりスマホでのタイピングは最小限にして帰宅後にキーボードで返信したりする気がします。