Pixel 4新機能で見るGoogleのスマホカメラ競争戦略

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Pixel 4新機能で見るGoogleのスマホカメラ競争戦略
Image: Alex Cranz/Gizmodo US

Googleのスマートフォンカメラが注目を集めたのは、やはりPixel 3から。カメラ1つなのにあの画像の美しさが素晴らしい。そして今年、Pixel 4が登場。カメラが2つになりました。

Pixel 4に搭載されているカメラは16MPの望遠カメラ(f2.4、光学2倍ズーム)と12.2MPの標準カメラ(f1.7)。昨今のスマホトレンドにあるトリプルカメラでもなければ、ワイドアングルカメラも非搭載。しかし、Made by Google発表会で、ステージでカメラを解説したMarc Levoy氏はハッキリ「ワイドアングルも面白いけど、望遠こそ重要だと考えています」と明言しました。

Pixelシリーズのカメラで欠かせないのは、ソフトによる写真術「コンピュテーショナル・フォトグラフィ」。この言葉、Levoy氏が作った「ハードの仕事を減らし、コードでもっとやる」という意味の造語です。これが、Pixel 4でさらにパワーアップ!

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Image: Google

コンピュテーショナル・フォトグラフィの本質は、1度に複数枚撮影して重ねることで、ベストな1枚を作り出すというもの。スマホのレンズやプロセススピードの発展のおかげで、これが一瞬でできるわけです。シャッターを1度押せば、画のもっとも暗い場所、もっとも明るい場所に露出をそれぞれ合わせ、フレーム全体どこも白とび・黒つぶれしない1枚を作る。まぁ、これはGoogleだけでなく、AppleもSamsungも昨今のハイエンドスマホならやっていることですね。

Pixel 4の新機能

Live HR+

全Pixelシリーズに搭載されているGoogleのHDR+。瞬時9枚撮影でノイズを減らしベストな1枚を作るわけですが、Pixel 4ではこれをビューファインダでも体験できるのが新機能Live HDR+。スマホのビューファインダ=スクリーンの段階で、すでに9枚ミックスで作られたベストな1枚の画を見ることができるのです。

またデュアル露光コントローラーにも注目。画面に表示されるスライダーで明るさと影を撮影する前に調整することができます。この調整しだいで、コントラストの強いドラマチックな画を撮影できます。例えるなら、シャッター押す前にPhotoshopする感じ?

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Image: Google

ズーム

ズームでは、昨年デビューしたSuper Res Zoomに加えて、Pixel 4では2倍望遠レンズが乗っかってます。ちなみに、Super Res Zoomとはズームする時の9枚画像から違いを読み取りディティールを埋めて行くというスマートすぎる機能。ズームしてから撮影するより、そのままとってあとでトリミングした方が画が綺麗だよなんて、Googleの世界ではナンセンス。Super Res Zoom&望遠レンズのタッグなら、Google曰く最初からズームしといた方が画が綺麗なんですって。理由は、ズームする過程でディティールを埋めるアルゴリズム計算が作動するから。さすがコンピュテーショナル!

ホワイトバランス

色調補正、ホワイトバランスもよりスマートになっています。Googleのアルゴリズムの白認識能力トレーニング強化により、Pixel 3ではNight Sightのみで発動していたスマートホワイトバランスが、Pixel 4では全撮影モードで使えるようになります。

ポートレートモード

ポートレートモードもアップグレードされ、RAW状態であれこれコンピューテーショナルなことが加えられるように。Pixel 4でカメラが1つ増えたということは、Googleのマシンラーニングアルゴリズムにとっては勉強できる素材が増えたということ。結果、より美しい奥行きボケをポートレートモードで表現することができるのです。

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Image: Google

ナイト撮影

Pixelといえば、やっぱりNight Sight。去年多くの人の度肝をぬいたナイト撮影モードですね。天体写真術を取り入れたというPixel 4のNight Sightは、1つの画を作るため、最大16秒の写真を15枚撮影できます。てことは、16x15で最大4分Pixel 4を動かさずにじっと持ってないといけないわけですが、そうして出来上がった写真は、待ったかいがあったと思える美画像に。もちろん、4分の間に地球は回るし、星は巡るし、木々はそよめきますが、そこはアルゴリズムがいい感じに調整してスチール写真にしてくれます。さすがコンピュテーショナル!

そのほか、Hyperspectral Sensor(ハイパースペクトルセンサー)という記述がGoogle Storeにありますが、これの詳しいところはまだ明らかになっておらず。予想するに、様々な波長の光を読み取り、このデータをPixelのアルゴリズムにかませてより美写真を作るものかなと思っています。

ライバルの動き

さすがのコンピュテーショナル・フォトグラフィですが、何もGoogleの専売特許ではありません。SmasungだってAppleだってやっており、しのぎを削り合う立派なライバルです。各社それぞれ、カメラに関するアルゴリズムはトップシークレットではあるものの、目指すところは同じ。よりディティール溢れ、ノイズが少なく、正確な色味で、ライティング環境に左右されず美しい画を作るということ。

Apple

iPhone 11に搭載されたAppleのDeep Fusionは、A13 Bionicチップのニューラルプロセッシングを利用し、9枚撮影からより詳細まである美画像を作ります。その上、12MPのウルトラワイドアングルカメラ、12MPの望遠カメラ(Pro、Pro Macのみ)を搭載、0.5倍ズームアウトもできるのがAppleの強み。

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Image: Raul Marrero/Gizmodo US

Samsung

一方Smasungのベストカメラといえば、Galaxy Note 10+。16MPのウルトラワイド、12MPのワイドアングル、12MPの望遠、そしてDepthVisionカメラという4つのカメラが搭載されています。SamsungはF値を調整するなど撮影準備段階でいじるプロセスが多い印象。最初から情報量をより多く収集して、ポストプロセスは少なめにするのがSmasungスタイルです。

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Image: Samsung

Pixel 4で日々の写真ライフがどう変わっていくのか。それがわかるのはまだこれからです。ただ、間違いなく言えるのは、iPhoneとGalaxyは今年Pixelに追いついてきたということ。Pixel 4で、またGoogleが差をつけるのか。それとも並んだまま走るのか。非常に楽しみなところです。

コンピュテーショナル・フォトグラフィの存在により、スマートフォンカメラをハードのスペックだけで判断することができなくなりました。実際に撮影し、出来上がった画を見ないとベストカメラはわからない。そんな時代です。

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