ヒューマノイド・アイスクリーム屋さん「ROBOY」は世界初の「自律型“自立”ロボット」

  • author 岡本玄介
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ヒューマノイド・アイスクリーム屋さん「ROBOY」は世界初の「自律型“自立”ロボット」
Image: Roboy/YouTube

顔と身体のギャップが…。

現在もっとも人間に近いヒューマノイドは、運動性能的にBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)のATLAS君だけという状況です。しかし、彼はコミュニケーションを取ることが開発の目的ではないため、表情もなければ顔もありません。

顔を持つロボットには、サイバー・ホラーな「furhat」というのもいますが…ドイツでは程よく愛嬌のある顔とメカニカルなボディーを持つ、両者の中間みたいなロボットが作られており、それがアイスクリーム屋さんをするデモが行なわれました。

その名も「ROBOY」。ロボットの少年ってことなのでしょうね。

Video: Roboy/YouTube

なかなかのキメラ・ロボット

「furhat」には顔の内側にプロジェクターがあり、それで表情を作って(映して)いました。同様に「ROBOY」も同じ手法で、しかもカワイく表情を作ります。ただしアバラ骨を思わせる胴体が何というか…スカイネットが未来から送り込んできた殺人ロボットみたいです。それに腰から下が3輪車になっているのも底しれぬ違和感を覚えてしまいます。

「ROBOY」はアイスクリームをたった1スクープするだけですが、そのためにいろいろなセンサー類が手から腕まで埋め込まれています。公式サイトいわく、中には20個のサーボモーターが内蔵されており、手に20自由度、手首に2自由度、肘に2自由度、肩に3自由度を持つとのこと。これら全てを同時に駆動させるため、アイス屋さんが彼の天職になるのです。

対話システムには自然言語処理と未知の状況に対する深層学習、事実を記憶する能力といったものが備わっているので、販売時にお客さんとやり取りするのも問題なさそう。

物理的に立てないけど独り立ちが出来る

なお、アイスは1ユーロで売ってお金を稼ぐようにも設計されています。

Video: Roboy/YouTube

PayPalでもコインでも買えるようですが、自分の維持管理費を自分で稼ぐ、世界初の自律型“自立”ロボットってことになるのかもしれませんね。

将来は遠隔操作も

将来は、触覚スーツやVRゴーグルを装備した人間が、5G接続で「ROBOY」を遠隔操作することを計画しているとか。「Roboy Exoforceシステム」完成まではまだ時間がかかりそうですが、ちょっと楽しみですね。

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Image: ROBOY/YouTube

Source: ROBOY, YouTube (1, 2) via IEEE SPECTRUM