Pixel 4レビュー:人間みたいなスマホ、っていいね

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
Pixel 4レビュー:人間みたいなスマホ、っていいね

まるで友だちが隣にいるような。

Googleのフラッグシップスマホの4代目、ますます賢いPixel 4が誕生しました。新搭載のレーダーを駆使したジェスチャー操作・Motion Senseや、定評あるカメラの機能・画質のさらなる向上など見どころ満載ですが、本当にちゃんと使えるんでしょうか? 米GizmodoのSam Rutherfordが5日間ほどかけてレビューしてます。


現在のスマホ市場には、これでもかと新しいハードウェアを見せつける端末もあれば、シンプルさと緊密なエコシステムを身上とする端末もあります。GoogleのPixelシリーズは高度なソフトウェア技術がウリで、これまではそれがPixel 3の夜間撮影・Night Sightや迷惑電話を撃退するCall Screen、流れている曲を自動で検知・表示するNow Playingとして実を結んでいました。でもPixel 4では、Googleはいつものソフトウェア・ファーストのアプローチをひとひねりして、コンピュータというよりもはや人間のように反応するスマホを作りだしました。

ガジェットと人間のやりとりをより自然に、直感的にしようとするGoogleの姿勢は、彼らのあらゆるプロダクトから感じられます。自然に会話するような音声認識をサポートするスマートスピーカーから、車に乗る前から渋滞情報をアラートしてくれる地図アプリ、などなど。でもPixel 4において、Googleはその方向性をまったく新しいレベルへと引き上げています。

Pixel 4

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

これは何?:Googleの最新フラッグシップスマホ
価格:Pixel 4が800ドル(日本価格8万9980円)、Pixel 4 XLが900ドル(同11万6600円)から
気に入ったところ:大胆なデザイン、リフレッシュレート90Hzのなめらかなディスプレイ、Motion Senseのジェスチャー認識、配慮の行き届いたソフトウェア
気になったところ:パッとしないバッテリーライフ、超広角カメラがないこと、ヘッドホンジャックがなくなったこと、ストレージが小さめ

人間っぽいリアクション

Googleが目指す方向性がよく現れているのが、Pixel 4のMotion Senseです。Motion Senseは、画面上部のベゼルに埋め込まれた小さなレーダーチップ・Soliが周囲最大60cm以内にあるものを認識することで可能になっています。いちばんベーシックなレベルでは、Pixel 4は周りに人がいないことを検知すると、常時オンのディスプレイを消してバッテリーライフを節約できます。このユースケースは単純すぎるように見えるかもしれませんが、それは「人間だったらこうする」という行動を再現してるからです。人間だったら、誰かと話しているときに会話の相手が突然部屋を出ていったら、(相手が何らかの方法で聞いていることがわからない限り)話すのをやめるはずですよね。それと同じなんです。

Motion Senseの次のレベルは、近くにある人間の手を認識することです。これによってPixel 4の3Dドットプロジェクターが立ち上がり、Pixel 4はユーザーの顔を認識して、従来より微妙に素早く端末をアンロックしてくれます。電話の着信音が鳴ったとき、ユーザーが手をかざすと音が小さくなるといった使い方もされています。人間だって、呼んでいる相手が気づいたなと認識したら大声を出すのをやめるのが普通ですが、Pixel 4は同じように、ユーザーが音に気づいたことを認識、反応するんです。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

そして最後に、Soliのジェスチャー認識です。これは今はPixel 4の前での手のスワイプ認識に限定されていて、できることは再生中の曲のスキップ、着信音の停止、アラームのスヌーズ、くらいです。でもこんないくつかのアクションができるだけでも、スマホの使い方が変わってきます。Spotifyとかで突然Lil Pumpが流れてきてイラっとしたら、Pixel 4の上の空気をひっぱたいて『Esskeetit』を忘却の彼方へ吹き飛ばすだけでいいんです。

まるでPixel 4が、僕が反射的に発した「ないわー」って声を聞いてくれたような、仲の良い友だちがプレイリストを管理してくれてるような、そんな気分になります。Pixel 4を充電スタンドや車のダッシュボードに置いているときはもっとやりやすくて、うっとうしいアラームも音楽も、考えることすらなく消せます。Motion Senseの精度は完ぺきとまではいかないんですが、手のトラッキングとスワイプの検知は、10回中9回はちゃんと使えました。LGのAir Motionsみたいな既存のジェスチャー認識とは雲泥の差です。

Pixel 4の人間っぽさは、音声コンテンツに字幕を付ける機能・Live Captionとか、レコーダーアプリの中の音声書き起こし機能・Live Transcribeといったところでも感じられます。音声認識の素晴らしい応用例です。ポッドキャストでもNetflixのドキュメンタリーでもインタビューの録音でも、Pixel 4はほとんど普通の人間と同じくらい正確に話し言葉を聞き取ってくれます。専用の音声レコーダーを持ち歩くように教わってきた人間としては、Pixel 4のレコーダーアプリは衝撃的です。

ユーザーが何らかの助けを必要としているときも、新Google Assistantが準備万端で待ち構えています。Googleの音声認識は文脈も理解してくれるので、今日の天気を聞いたあとに週間天気予報を聞きたくなったら、「今週はどう?(How about the rest of the week?)」と言えばよくて、質問を頭から言い直す必要はありません。Google Assistantはコンサートの日付を認識したり、最近の写真から適切なものを抜き出したりするのも上達してきました。特定のアプリを開いたり、Bluetoothをオン・オフしたりといった操作もGoogle Assistantから可能です(一応言ってあげとくと、あんまり好かれてないSamsungのBixbyでは、同じことが何年も前からできてましたが)。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

見た目も手触りも、より人間らしく

Pixel 4は外側のデザインまでも、より人間らしく感じられます。金属とガラスでできたデバイスなのに、そんな風に感じません。ガラスの背面は指紋がつきにくいソフトタッチな仕上げになっていて、普通のガラスみたいに冷たくないんです。むしろレザーとか、あえて言えば人間の皮膚のような感触です。側面を囲む黒いバンドはマットな仕上げで、金属というより素焼きの陶器のように感じられるので、Pixel 4全体がどこか土っぽい、オーガニックなテクスチャーになっています。

スタンダードな5.7インチのPixel 4でも6.3インチのPixel 4 XLでも、リフレッシュレートは90Hz、つまり毎秒90コマですべてがより滑らかなスクリーンが手に入ります。ただしデフォルトではすべてのアプリには適用されず、全アプリで強制的に90Hzにする方法も一応ありますが、それはデベロッパー用の裏設定になります。というかほとんどの動画のリフレッシュレートはまだ毎秒60コマなので、無理に裏技を使ってもメリットはあまりありません。

それでもやっぱりリフレッシュレートが90Hzもあると、スワイプでアプリドロワーを開く動きだけでもより素早く感じます。Candy Crushみたいなヒマつぶしゲームでも、Dota Underlordsみたいなヘビーなゲームでも、新たな楽しさがあります。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

カメラもより賢く、より自由に

そしてPixelといえばやっぱり、カメラです。フラッシュとかタイマー、動画モードなどの設定を簡単に切り替えられるドロップダウンメニューが追加されただけでなく、Google Lensが通常のカメラアプリに統合されました。アプリを切り替えることなく、何か知りたいものにカメラを向けて、写っているものを画面上で長押しすれば、Pixel 4が得られる情報をすべて表示してくれたり、そこに写った文字などを読み取って別のところにコピペできるテキストデータにしてくれたりします。

今まで長いあいだ、コンピュータから吐き出した文字であってもスマホのカメラだと読み取れないことが普通だったので、Google Lensって夢みたいです。でも、人間にも読める、それを吐き出したコンピュータにも読める、でもスマホのカメラでは文字としては読み取れない…っていう今までがおかしかったんだと思います。

それに加えて1600万画素の2倍ズームカメラに、新たなカメラモード、画質の向上があります。標準でのHDR+撮影に始まり、Pixel 4は感動の連続で、素晴らしいディテールにリッチな色彩、iPhone 11やGalaxy Note 10と比べて広いダイナミックレンジを生かした写真を撮り続けます。

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接戦ですが、Pixel 4のほうがどんぐりのディテールとバランスの取れた露出という意味で若干有利です。
Image: Sam Rutherford - Gizmodo US


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Pixel 4のより広いダイナミックレンジが、撮りにくい状況で際立ちます。
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ダイナミックレンジが広いので、全体的により明るくカラフルに仕上がります。
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iPhone 11ではホワイトバランスが崩れていますが、ディテールではPixel 4と互角です。
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でも注目は新しい「デュアル露出補正」、写真の前景と背景の明るさを別々に調節できる機能です。僕はPixelのカメラでもマニュアル調節できるようにならないかな〜と長年心待ちにしてきたんですが、少し前にGoogleのカメラ技術チームを率いるMarc Levoy氏が語っていたように、コンピュテーショナル・フォトグラフィーでは複数の画像を重ね合わせて意図する画像を作るのが基本です。となると、単にシャッター速度とかISO感度といった従来のカメラの設定がいじれるようになってもあんまり意味ないんだろうなとは思っていました。なので今回追加されたデュアル露出補正が(何でも意図通りできるわけじゃないにしろ)適切なコントロール手段であり、ユーザーはHDR+を活用しつつもお仕着せになるんじゃなく、画像を見ながらコントロールする自由も得られます。

2倍光学ズームレンズと、それをGoogleの超解像ズームと組み合わせたものに関しては、いま最強のズームレンズを有するHuawei P30 Proと比較してみました。デジタルズームと光学ズームを組み合わせて撮ったPixel 4での写真は、単体で見ると本当にすごいです。でもP30 Proの本物の5倍光学ズームと並べてしまうと、やっぱりレンズの力にはかなわない感じがします。

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Pixel 4は2倍光学ズームと3倍デジタルズームをSuper Res Zoom技術で組み合わせることで、かなりうまく撮っています。
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5倍光学ズームを備えたP30 Proは、センサーの画素数は800万画素しかありませんが(画像が小さいのはそのせい)、こうして比べるとやっぱり光学ズームのほうがハイブリッドやデジタルズームより優位なのがわかると思います。
Image: Sam Rutherford - Gizmodo US


カメラには死角も

Pixel 4に関してとても残念なことのひとつは、使ってみた5日間のうち、天体写真モードを試せなかったことです。理論上は、Night Sightをオンにして夜空に向ければ天体写真モードが勝手に立ち上がることになっています。が、ここのところ天気がくもりで、僕が今いるのが光害まみれのニューヨークなので、天体写真モードにならなかったんです。つまりPixel 4を買っても、居場所によっては天体写真モードを使うだけでそこそこ面倒なことになりそうです。

あとPixel 4のカメラは、ソフトウェアは素晴らしいしセカンドカメラの搭載もうれしいんですが、それ以外のハードウェアにも注意を向けてくれてたらもっとよかったと思います。とくに超広角カメラを付けなかったのは、やっちゃったなと思います。このせいでPixel 4はiPhone 11とかGalaxy S 10といった最大のライバルに一歩遅れをとってしまっただけでなく、LGとかOnePlus、Huawei、Motorolaなどなどが2019年に打ち出したもろもろのフラッグシップスマホからも差が付いてしまったんです。これは本当に言い訳しようがありません。

課題はハードウェア、それでもソフトウェアの感動は続く

Pixel 4はバッテリーライフもぱっとせず、特にXLじゃないほうのPixel 4は2,800mAhしかありません。僕らの動画再生テストでは10時間38分しか持たず、これは我々が2019年にテストしたあらゆるスマホの平均より2時間短いです。10時間38分という数字は、Galaxy S10(14時間45分)とかOnePlus 7 Pro(13時間36分)といったフラッグシップ機より、Moto G7みたいなミッドレンジスマホに近いです。幸いPixel 4 XLはちょっとはベターで、テストでは12時間36分持ちましたが、自慢できるってほどでもありません。

ただPixel 4もPixel 4 XLも、一般的な使い方なら丸1日持つだろうとは思います。でも多少でもパワーユーザーに近いと自認する人とか、つねにバッテリー残量が不安になってしまう人の場合、Pixel 4 XLしか選択肢がありません。小さいスマホが好きな人には残念です。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

というか、Pixel 4のスペックは全体的に競合に比べて不利です。プロセッサこそ他のAndroidフラッグシップと同じQualcommのSnapdragon 855ですが、RAMは6GB(Galaxy S10より2GB少ない)、ベースのストレージは64GB(Galaxy S10は128GB)です。さらにストレージは最大でも128GBで、他社はというとSamsungもAppleもそれ以外もみんな512GBまたはそれ以上のモデルを用意しています。しかもPixel 4はmicroSDカードをサポートしていないので、本当に128GBが最大になってしまいます。

そんな数字なんて大した問題じゃないという人もいるかもしれませんが、たとえばストレージは動画撮影のクオリティにも影響してきます。他のハイエンドスマホと同様、Pixel 4は4Kが30FPSでしか撮れず、その理由はストレージを食いつぶさないためだとされています。でもストレージがもっと大きければ、4Kで60FPSでも問題にならなかったはずです。

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Image: Sam Rutherford - Gizmodo US

…と、いろいろ欠点はあるものの、Pixel 4は素晴らしく、感動すらおぼえるほどのスマホです。Live TranscribeとかGoogle Lensを統合したカメラとか、Pixel 4は他のどんなスマホよりも賢く、配慮があり、まるで人間のようなスマホです。スペックにこだわる人でなければ、Pixel 4は今買える中でベストなポケットコンピュータ、またはポケットコンパニオン、だと思います。

まとめ

・Motion Senseでできるジェスチャーは数えるほど(スワイプ、ホバー、存在の検知)しかありませんが、これがあるおかげでPixel 4はより人間的に感じられます。

・XLじゃないほうのPixel 4のバッテリーはかなり控えめで、スマホをよく使う人とかバッテリー切れが不安になる人ならPixel 4 XL一択です。

・去年のPixel 3 XLにあった巨大ノッチはなくなり、懐かしむ人もいないことでしょう。

・3D顔認識は素早く正確ですが、iPhoneみたいに見た目が変わっててもアンロックできるとか、逆に本人が意識してないときはアンロックしないとか、そのへんはまだ要修正(後者は数ヶ月内にリリース予定)です。

ソフトウェアは素晴らしいですが、ハードウェアにもうちょっとお金をかけていたらもっとすごく良かったんじゃないでしょうか。

・GoogleはPixel 4に対し3年間のソフトウェアとセキュリティのアップデートを保証しています。

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