2019年9月19日に発表した「Climate Pledge(気候変動の誓約)」で、二酸化炭素排出量を根本的に削減すると宣言したわずか2週間後…。
Amazon(アマゾン)の石油とガスに関するWebサービス子会社の責任者は、テキサス州ヒューストンで行われた石油産業の「Accelerate Production 4.0」に参加していました。このイベントは、世界最大の石油および天然ガスサービス会社のひとつである Weatherford社のカンファレンスの一部で「米国の石油と天然ガス産業で唯一のProduction 4.0 forum」とのこと。このカンファレンスの目的は、「石油と天然ガス産業の短期的及び将来的なデジタル化の役割を議論する」というものです。
Amazon Web Servicesは、MicrosoftやIBMとともにWeatherfordと提携し、Production 4.0テクノロジーの構築を支援しています。 カンファレンスのタイトルが示すように、このテクノロジーは石油生産のさらなる加速と改善を明確に目指していて、AWSはこのイベントのプラチナスポンサーです。
石油生産を加速したら二酸化炭素が出ますよね?
石油の生産量を増やすことで、そのガスの中心となる二酸化炭素(CO2)が排出されます。科学者は、壊滅的な気候変動を避けるために、化石燃料を地面に残さなければならないと言います。石油生産の加速は気候危機の進行を加速させる恐れがある可能異性があります。
2週間前に「二酸化炭素の排出量を減らす」と言ったばかりですよね?
2週間前にジェフ・ベゾス氏が「Climate Pledge」を発表したとき、世界中のニュースの見出しを飾りました。ベゾス氏によると、この誓約により商品の輸送時の二酸化炭素排出量を削減するとのことでした。
しかしながらサステナビリティに対するロードマップの詳細について不足していました。記者がベゾス氏に、石油・ガス産業との会社の契約をキャンセルするかどうかを尋ねた際、彼の反応はシンプルに「ノー」。でした。
「エネルギー会社のために一生懸命取り組んでいきます。我々としては、彼らが変遷していく時に可能な限り最高のツールが使えるよう、最大限の努力をしていきます」と話しました。
排出量削減に本気なら化石燃料の生産を減速させなきゃダメじゃん
アマゾンは、気候変動に対するソリューションの一部に専念していると言うかもしれません。そしてクリーンエネルギーを用いて自社の事業を強化し、輸送時の排出物を削減するというコミットメントを果たしていると言うかもしれません。 しかし、石油・ガス会社が化石燃料の抽出の自動化や合理化、および加速するためのテクノロジー開発を同時に支援しています。
アマゾンは、二酸化炭素排出量を削減し、クリーンエネルギーを採用することを宣言していると同時に、化石燃料の生産を推進し技術的に改善するためのビジネスに対してもコミットしていくことも約束するというダブルスタンダードが問われます。
文字通り「石油生産4.0の加速」の一端を担っているアマゾンですが、真剣に「Climate Pledge」に取り組むのであれば、化石燃料の生産を減速させるビジネスを支援すべきです。