未来のネタバレ候補11個まとめ。Adobeは今日もクレイジーです

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未来のネタバレ候補11個まとめ。Adobeは今日もクレイジーです
Photo: suzuko

今年も多くのものにSenseiが。

「とっておき」は誰だって隠していたいものです。それを繰り出すときの驚き、サプライズを最大のものにしたいじゃないですか。秘密主義のAppleとか特にそうですよね。最近は隠せてないですが。

でも、有名すぎる画像加工アプリ「Photoshop(通称フォトショ。iPad版でたカメラもでた」でおなじみ、クリエイターの神であり、パートナーでありつづけるAdobe(アドビ)はちょっと変わってます。

毎年行なわれる彼らの年次イベント「Adobe MAX」のなかに「SNEAKS(スニークス)」と呼ばれるセッションがあるんですが、そこではまだ製品化するかどうかもわからない、開発の初期段階すぎてコードを書きながら動かしている、1万5000人の来場者に向けてデモするのにうまく動かないことがある技術やアイデアを、彼らが自らバンバン発表します。Sneakってコソコソするって意味のはずだけど、先出しみたいな意味になってますよね。

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Sneaks会場。広い。めちゃ広い。米国ロサンゼルス。
Photo: suzuko

そのSNEAKSが今日行なわれたんですが、会の冒頭に「みなさんどんどんスマートフォンでネタバレしちゃってください」と煽りがあったくらい隠す気ゼロ。というのも、このSNEAKSは来場者や世界中のストリーミングを見てる人から得たその技術やアイディアへの反応を、その後の開発に影響させるって狙いがあるからなんですね。めちゃ楽しんでるのにスマートでリアリスト。Adobeのイメージ。

実際どれくらいの影響度なのかは、Adobeの中の人のみぞ知るところですが、私が知る限りでも、去年2018年のSNEAKSで披露されたものが、今年のアップデートに実装されてるんです。動画編集アプリPremiere Proのオートリフレーム。ビデオの内容をAdobeのAIプラットフォーム「Adobe Sensei」が解析して、主要な被写体が常に画面内に収まるように、自動でパンやクロップをしてくれる機能ね。

だから、つまりSNEAKSはAdobeが自ら進んでやっちゃう未来のネタバレ。披露された11個すべてを、実況ツイートから紹介しますよ〜。

1. 写真に写って「ない」人を瞬時に合成

世の中には2種類の人間がいます。シャッターを押す側と押される側。そして押す側はたいてい写真に映りません。それじゃ寂しいので、2枚の写真から写っていない人を合成してくれる、というのが最初に紹介されたアイディア「ALL IN」です。

手でもできる作業ですけど、こっちができたら早いよね。

2. スピーチの余分なことばを消す

言っちゃいますよね、ついつい。ギズのYouTube動画でも撮影のときは喋る編集部員が「えー」とか「んー」とか、ことばの間にそういうのが入るんですが、編集時に手作業で消してるんです。でも、オーディオから自動でそういう余分な部分を消してくれるのがこの「SOUND SEEK」。

3. オーディオをもとに、イラストにリップシンクアニメーションが付く

これ、すごない? フレームごとに差分を書かなくてもいい。めちゃ時短。「PROJECT SWEETALK」。

4. ARモックを擬似的につくる…?

これ、私の理解力が足りないのか、プレゼンされていたことがよくわからなかったんですけど、つまりは、ARオブジェクトへのイベントのトリガーを実演するプロトタイプ動画がかんたんに作れますよー、なぜならオブジェクトへのトリガー設定はアプリ側のタイムラインで行なうけど、トリガーアクションは録画された映像で入力するから、フェイク感はあるけどプロトタイプだよねー的な……? だれかわかる人教えてください……。

名前は「PROJECT PRONTO」。

5. イラストにお手本画像を合成

このデモでは、かんたんにスケッチした野鳥の画像に、野鳥の写真を掛け合わせて、スケッチの構図でディティールまで描かれた野鳥の画像ができあがるってようすが見られます。これすごい。便利そう。

動画は撮り逃しましたが、掛け合わせる画像の組み合わせで、複数パターンの画像をつくることもできるようです。パターン別にサンプルのクリエイティブが欲しい人にはうれしいアイディアかも。

6. フォントを思うようにエフェクトで演出

フォントにあらゆるメーターを付与して、動いたり伸びたり、燃やしたり、溶けたりと、ダイナミックに動かして演出できる「FANTASTIC FONTS」。デバイス(iPad)の傾きも数値入力に使えるみたいでした。

7. モーキャプ機材の価格破壊やー

ふっつーの動画のなかから、トラッキングの機材をつけてない人間の動きを検出→すぐアニメーションに動きを付けられる「PROJECT GO FIGURE」。

これ、ゲームや映画で使われるモーションキャプチャーの価格破壊では……? Vtuberとかにも使えそう。

8. 写真の光源の位置を撮影後に変えられる!

何を言っているかわからないと思いますが……撮影後に光源の位置を変えられるんです。「RIGHT LIGHT SNEAK」。

しかも、動画でもできるっていうんです。思わず「なんだそりゃ」って声がでるくらいクレイジーです。

9. ヤバスギルノイズリダクション

ノイズまみれの部屋、ラップトップでナレーションを録ったら……そりゃいい音録れません。でも、ノイズはこいつが消しちゃいます。消せちゃいます。しかも「ヤバくする(Awesomize)」ってボタン押すだけ。名前が「PROJECT AWESOME AUDIO」。

これ、やる気ゼロ・ポッドキャストに革命起きちゃいます……。

10. 長方形が、光った……?

イラストレーターで長方形のオブジェクトを置きます。それが光源に、ライトになります。その光は周りにあるオブジェクトにも影響するので、コンテンツに応じて光の表現がかんたんにできます。「PROJECT GLOW STICK」です。

11. 写真のフェイク度チェッカー

フェイクニュースがはびこる2019年にはこういうものが必要です。画像のピクセルを解析して、その写真に加工が加えられたかどうかの確率を出してくれる、いわばフェイク度チェッカー。「PROJECT ABOUT FACE」。

見た感じ、同じものにしか見えない2枚の写真から、1枚のフェイク度が高い数値を出すところがデモされました。これって、かなりすごいですよね??

さあ、このなかから、来年のアップデートに実装されるものは出てくるかな? また1年後。

この記事はAdobeからイベントへの招待を受けて作られています。