今年も多くのものにSenseiが。
「とっておき」は誰だって隠していたいものです。それを繰り出すときの驚き、サプライズを最大のものにしたいじゃないですか。秘密主義のAppleとか特にそうですよね。最近は隠せてないですが。
でも、有名すぎる画像加工アプリ「Photoshop(通称フォトショ。iPad版でたしカメラもでた」でおなじみ、クリエイターの神であり、パートナーでありつづけるAdobe(アドビ)はちょっと変わってます。
毎年行なわれる彼らの年次イベント「Adobe MAX」のなかに「SNEAKS(スニークス)」と呼ばれるセッションがあるんですが、そこではまだ製品化するかどうかもわからない、開発の初期段階すぎてコードを書きながら動かしている、1万5000人の来場者に向けてデモするのにうまく動かないことがある技術やアイデアを、彼らが自らバンバン発表します。Sneakってコソコソするって意味のはずだけど、先出しみたいな意味になってますよね。

そのSNEAKSが今日行なわれたんですが、会の冒頭に「みなさんどんどんスマートフォンでネタバレしちゃってください」と煽りがあったくらい隠す気ゼロ。というのも、このSNEAKSは来場者や世界中のストリーミングを見てる人から得たその技術やアイディアへの反応を、その後の開発に影響させるって狙いがあるからなんですね。めちゃ楽しんでるのにスマートでリアリスト。Adobeのイメージ。
実際どれくらいの影響度なのかは、Adobeの中の人のみぞ知るところですが、私が知る限りでも、去年2018年のSNEAKSで披露されたものが、今年のアップデートに実装されてるんです。動画編集アプリPremiere Proのオートリフレーム。ビデオの内容をAdobeのAIプラットフォーム「Adobe Sensei」が解析して、主要な被写体が常に画面内に収まるように、自動でパンやクロップをしてくれる機能ね。
だから、つまりSNEAKSはAdobeが自ら進んでやっちゃう未来のネタバレ。披露された11個すべてを、実況ツイートから紹介しますよ〜。
1. 写真に写って「ない」人を瞬時に合成
世の中には2種類の人間がいます。シャッターを押す側と押される側。そして押す側はたいてい写真に映りません。それじゃ寂しいので、2枚の写真から写っていない人を合成してくれる、というのが最初に紹介されたアイディア「ALL IN」です。
手でもできる作業ですけど、こっちができたら早いよね。
自撮りするときに腕が長くないと広く撮れないって話してる。🤳
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
コードまで晒しちゃって、その写真にいない人を合成する「PROJECT ALL IN」#ALLINSNEAK#AdobeMAXpic.twitter.com/K1gOaT9GL9
2. スピーチの余分なことばを消す
言っちゃいますよね、ついつい。ギズのYouTube動画でも撮影のときは喋る編集部員が「えー」とか「んー」とか、ことばの間にそういうのが入るんですが、編集時に手作業で消してるんです。でも、オーディオから自動でそういう余分な部分を消してくれるのがこの「SOUND SEEK」。
Photoshopのオーディオ版
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
「あー」とか「んー」が入っているつたない喋りから、その部分を自動で検出、消して、いい喋りにできる #PROJECTSOUNDSEEK
しかも、英語以外にも使える!#AdobeMAXpic.twitter.com/tTXJNlFmga
3. オーディオをもとに、イラストにリップシンクアニメーションが付く
これ、すごない? フレームごとに差分を書かなくてもいい。めちゃ時短。「PROJECT SWEETALK」。
3つ目!#SWEETTALKSNEAK
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
オーディオをもとに、キャラクターの画像をアニメ化できる!すごい!#AdobeMAXpic.twitter.com/OT7zuhq0LG
4. ARモックを擬似的につくる…?
これ、私の理解力が足りないのか、プレゼンされていたことがよくわからなかったんですけど、つまりは、ARオブジェクトへのイベントのトリガーを実演するプロトタイプ動画がかんたんに作れますよー、なぜならオブジェクトへのトリガー設定はアプリ側のタイムラインで行なうけど、トリガーアクションは録画された映像で入力するから、フェイク感はあるけどプロトタイプだよねー的な……? だれかわかる人教えてください……。
名前は「PROJECT PRONTO」。
4つ目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
ARのモックを簡単につくることができる #PROJECTPRONTO
オブジェクトのタイムラインにキーフレームを入れてアクションを設定して、手の動きと連動させる的な……?
なんだかよくわからなかった……。#AdobeMAXpic.twitter.com/nraH4CeTIZ
5. イラストにお手本画像を合成
このデモでは、かんたんにスケッチした野鳥の画像に、野鳥の写真を掛け合わせて、スケッチの構図でディティールまで描かれた野鳥の画像ができあがるってようすが見られます。これすごい。便利そう。
5つ目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
イラストや画像のオブジェクトに、ちがう画像のテクスチャを合成できる #IMAGETANGO
フォトショでやるやり早いかも!#AdobeMAXpic.twitter.com/FrmwRhfmWY
動画は撮り逃しましたが、掛け合わせる画像の組み合わせで、複数パターンの画像をつくることもできるようです。パターン別にサンプルのクリエイティブが欲しい人にはうれしいアイディアかも。
6. フォントを思うようにエフェクトで演出
フォントにあらゆるメーターを付与して、動いたり伸びたり、燃やしたり、溶けたりと、ダイナミックに動かして演出できる「FANTASTIC FONTS」。デバイス(iPad)の傾きも数値入力に使えるみたいでした。
6つ目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
デバイスのモーションセンサーを使って、フォントにエフェクトを適用できる #FANTASTICFONTS
好きなフォントに、好きなエフェクトをつけて、デバイスの傾き次第でいろいろできる?と。#AdobeMAXpic.twitter.com/ogGBTDlqzF
7. モーキャプ機材の価格破壊やー
ふっつーの動画のなかから、トラッキングの機材をつけてない人間の動きを検出→すぐアニメーションに動きを付けられる「PROJECT GO FIGURE」。
これ、ゲームや映画で使われるモーションキャプチャーの価格破壊では……? Vtuberとかにも使えそう。
7つ目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
トラッカーを付けなくても身体の動きを追跡して、アニメーションに適用できる #CONFIGURESNEAK
これ、リアルタイムにできたらVtuberもっといろいろできる気がする。#AdobeMAXpic.twitter.com/B4SpzDoPkO
8. 写真の光源の位置を撮影後に変えられる!
何を言っているかわからないと思いますが……撮影後に光源の位置を変えられるんです。「RIGHT LIGHT SNEAK」。
しかも、動画でもできるっていうんです。思わず「なんだそりゃ」って声がでるくらいクレイジーです。
8つ目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
写真の照明・太陽の位置をあとから変えられる #LIGHTRIGHTSNEAK
これはすごい……。#AdobeMAXpic.twitter.com/J9Y2xZDYbI
9. ヤバスギルノイズリダクション
ノイズまみれの部屋、ラップトップでナレーションを録ったら……そりゃいい音録れません。でも、ノイズはこいつが消しちゃいます。消せちゃいます。しかも「ヤバくする(Awesomize)」ってボタン押すだけ。名前が「PROJECT AWESOME AUDIO」。
これ、やる気ゼロ・ポッドキャストに革命起きちゃいます……。
Sneakでプレゼンするのは3回目の人!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
部屋のノイズやこもった声で聞きにくかったオーディオに、クリアなオーディオを教師データとして、ノイズや余分なアンビエンスを取り除く #PROJECTAWESOMEAUDIO
これもすごい!Podcasterの味方! @Takram_ja にはすぐに導入してほしい!スニークか…#AdobeMAXpic.twitter.com/CcjsqmIpVU
10. 長方形が、光った……?
イラストレーターで長方形のオブジェクトを置きます。それが光源に、ライトになります。その光は周りにあるオブジェクトにも影響するので、コンテンツに応じて光の表現がかんたんにできます。「PROJECT GLOW STICK」です。
10個目?
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
嘘でしょ…イラストレーターで図形描いただけで照明の演出ができたぞ… #PROJECTGLOWSTICK#AdobeMAXpic.twitter.com/PbCyGJgZTO
11. 写真のフェイク度チェッカー
フェイクニュースがはびこる2019年にはこういうものが必要です。画像のピクセルを解析して、その写真に加工が加えられたかどうかの確率を出してくれる、いわばフェイク度チェッカー。「PROJECT ABOUT FACE」。
見た感じ、同じものにしか見えない2枚の写真から、1枚のフェイク度が高い数値を出すところがデモされました。これって、かなりすごいですよね??
11個目!
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) 2019年11月6日
画像がフェイクイメージなのかどうか判定できる #PROJECTABOUTFACE
画像のピクセルだけを見てフェイクかどうかわかる!#AdobeMAXpic.twitter.com/nbH5RBssKY
さあ、このなかから、来年のアップデートに実装されるものは出てくるかな? また1年後。
この記事はAdobeからイベントへの招待を受けて作られています。