集中できない、ボーッとしちゃう...。ブレインフォグの原因は何? 専門家に聞いてみた

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  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
集中できない、ボーッとしちゃう...。ブレインフォグの原因は何? 専門家に聞いてみた

怠惰じゃないんです。

ちゃんと寝たはずなのに頭が働かなかったり、気が付けば思考停止していたり...。なんだか原因不明で本調子じゃないなぁと感じることってありませんか?

身近な疑問を専門家にぶつけてみるGizAsksシリーズ、今回はこうした頭のモヤモヤ状態「ブレイン・フォグ」について神経学、栄養学、放射線学、予防医学のプロに聞いてみました。いったい何が原因で起きているのか、老化や健康と関係しているのか、そして予防法はあるのでしょうか...?

Leigh Charvet

ニューヨーク大学Langone’s Multiple Sclerosis Comprehensive Care Center 神経学助教。

ブレイン・フォグに関しては臨床神経心理学では測定が難しく、苦情をもらうことも多いのですが、非常に興味深いトピックだと思います。

化学治療中のがん患者など「ケモブレイン」とよばれる認知トラブルがある状況で発生する場合、注意や情報処理、作業記憶の領域で関連する問題が見られるかもしれません。

健康的な状態でのブレイン・フォグは、新しい情報に注意を向けたり情報を処理したりする必要がある際に「オフライン」状態になるようなものとして説明されることがあります。計画を立てて実行することが難しくなるという人もいます。いずれにせよ一時的な症状であるため、多くの場合が把握するのが困難です。

一方、疾患がある場合は薬の作用を含め、脳の主な燃料となるグルコースが不足している可能性があります。グルコースなどのエネルギー源が不足することで、身体の炎症や代謝を管理するために割り当てられて全体的な覚醒レベルを低下させるのです。

同じ原理で、健康な人であっても睡眠不足、二日酔い、栄養不足などからブレイン・フォグが起きることがあります。

ほかの要因としては、心配事、不安、気落ちなどのストレスも関係していることも考えられます。ストレスが代謝要求を増加させて、ホルモンと神経伝達物質の機能を変える可能性があるのです。考え事や心配事などの強い内的な対話がある場合、脳のリソースを利用して認知要求を提示するために、脳を使えない状況にすることもあります。

Cyrus Raji

ワシントン大学 セントルイス校 放射線学助教。ライフスタイル要因と脳の健康のMRイメージングバイオマーカーの交差に関する研究に従事。

健康な成人に起きるブレイン・フォグは、次のようなライフスタイル要因の組み合わせから生じる可能性があります。

1)慢性的な睡眠不足

2)不健康な食事(特に精製された炭水化物や糖分の多い食事)

3)身体活動の欠如

慢性的にこのような問題のあるライフスタイルを選択すると、心血管疾患、癌、さらにはアルツハイマー型認知症のリスクを高める可能性があります。短期的には、間違いなくブレイン・フォグとよばれるものを引き起こすでしょう。

Susan Davis

モナシュ大学公衆衛生学・予防医学教授、オーストラリア国立健康医学研究カウンシル 上級主席研究員。

私の女性患者の多くは、閉経期および閉経後初期に起きるホルモンの変化を経るときにブレイン・フォグを訴えました。思考の明快さが薄れたり、意思決定が困難になったり、部屋に入ったあと何をしようとしたのか忘れたり、自分が言っていることの行く末がわからなくなったりするといいます。

ブレイン・フォグや記憶の微妙な変化は更年期障害に関連していますが、正確な原因についてはいまだ明らかになっていません。

ただ、記憶については睡眠中に統合されるため、睡眠不足はひとつの構成要素だと考えられます。ホットフラッシュや発汗によって睡眠が繰り返し妨げられると、記憶にも影響します。ホルモンの変化も指摘できますが、確かではありません。

ブレイン・フォグは多くの人にとって非常に苦痛に感じるもので、早期の認知症の兆候と共通する部分もあることから、不安を生じるものだと理解しています。

なかにはホルモン療法で改善されたという人もいます。プラセボに比べて明らかな効果はありませんが、急な火照りや睡眠の質が改善され、不安が軽減したことで明確に考えることができるようになったのかもしれません。

Rachele Pojednic

シモンズ大学栄養学助教。

栄養の観点では、ブレイン・フォグはさまざまな問題によって引き起こされる可能性があります。主な原因としては、

1)単にお腹が空いている

2)脱水症状を起こしている

3)低血糖症(朝食や昼食で単炭水化物が多かったことからも起きる)

が挙げられます。

空腹の場合、血糖値が低い可能性が高いため、脳は燃料(つまりグルコース)の不足に苦しんでいます。こうした燃料不足に対処するためには、血流にゆっくりグルコースを放出するような高繊維の食事や軽食を口にするのが最適です。

脱水状態の場合、脳(大部分は水でできている)の伝達システムに支障が出て必要な栄養素をすべて摂取できていない可能性があります。脱水状態であるかどうかは、尿の色(濃くなります)で判断することができます。

また、単炭水化物を多く含んだ食事をとった数時間後にブレイン・フォグが起きる可能性があります。たとえば、朝食にペストリー、昼食に大きなサンドイッチと砂糖たっぷりのソーダなどを摂取することにより重大なシュガーラッシュが起きると、できるだけ早く蓄えようとしてグルコースを脳から奪う可能性があります。

血糖値を大きく変動させないためには、高タンパク、質の良い脂質、繊維が豊富な炭水化物な朝食や昼食(たとえば卵料理のサイドにベリー類、チキンとミックス野菜サラダなど)を心がけることが重要です。こうした食事は、他の必須栄養素(ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪など)を含み、脳がフルパワーの状態を維持するのに役立ちます。

Daniel Levitin

ケック大学院研究所 神経科学者、ニューヨークタイムズベストセラー『The Organized Mind』、近刊『Successful Aging: A Neuroscientist Explores the Power and Potential of Our Lives』著者。

ブレイン・フォグは、多くの場合、脳の一部が昼寝をしている状態になることで発生します。目が覚めているという状態は、オンかオフかのバイナリではありません。脳にある数千もの特別な目的の処理モジュールのうち一部が働いているからといって、全体が働いていることを意味するわけではないのです。車の鍵をどこに置いたかわからなくなったとき、鍵を置いた場所を知っている脳の部分がおそらく休んでいる場合があります。

一方、ブレイン・フォグは薬物、睡眠不足、脳疾患、アルツハイマーによって引き起こされる可能性もあります。その場合、単に脳の領域が一時的にオフラインになっているだけではないかもしれません。脳組織の病理学的障害により、やや永続的または慢性的な状態である可能性があります。


実際にブレイン・フォグを経験している人は、どれくらいいるのでしょうか?

理想は「あの人、ボーッとしてるところ見たことない」って思われる大人になることですが、現実には周りに気づかれるぐらいのブレイン・フォグを起こしていた時期がありました(そういえば、確かにアノ頃は食事も水分補給も後回しにしていた気がします)。健康は大事! と思いつつ、忙しいとついつい...ってヤツですね。

個人的には疲れやすい体質なので、あえてボーッとする時間を作っています。料理中、メイクで眉毛を描くとき、シンプルに街中を歩いているときなど...。もし、みなさんのブレイン・フォグ体験談やユニークな対策法があったらぜひ教えてください。

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