昆虫滅べば人間も滅ぶ!? 光害は昆虫にも影響を及ぼしていた

  • author Yessenia Funes - Gizmodo US
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  • たもり
昆虫滅べば人間も滅ぶ!? 光害は昆虫にも影響を及ぼしていた

昆虫類は花を受粉させ、屍を分解し、さらに地域の水質改善に一役買っています。もっと褒めたたえたって罰は当たらないはず。それなのに人間は感謝するどころか殺虫剤、生息地破壊、そして気候変動で彼らを殺しているのです。そして今回、科学者らが警鐘を鳴らしたのは、悪夢のような光害でした。

先日、Biological Conservationに掲載された論文は、4月に発表されたいわゆる昆虫のアポカリプスに、光害がどれほど寄与しているかを把握しようと昆虫学者のチームが200の研究と論文を精査したものです。その論文は、数十年の間に昆虫類の40%以上が絶滅の可能性に直面する(これには反論もありました)として、生息地の喪失と農業が昆虫類への深刻な脅威であると議論していたものの、光害について何も言及していませんでした。

だからこそ今回の昆虫学者のチームは、光害に関する昆虫の再調査を4月に研究論文を掲載したときと同じジャーナルに持ち込んだのです。

夜間照明をコントロールすることで昆虫現象を抑制できる

「苛立たしいことだ」と、論文の著者でセントルイス・ワシントン大学Living Earth Collaborativeの博士研究員であるBrett Seymoure氏はEartherに語っています。「いいですか、特に夜行性の昆虫にとっては光害も大きな要因だと言っている」とのこと。

彼に言わせれば、光害は取り除くのが最も簡単な脅威なんだとか。すべての昆虫にとって最悪の脅威ではないかもしれませんが、多くの種類にとって上位に入る脅威で、とりわけヨーロッパと北米のように灯りがどこにでもあるような、世界の中でも発展した地域においてはそうなんです。光害を減らしたり取り除いたりするには、それほど労力を必要としません。

「小さな変化と照明のアップグレードで、夜間に照明を使いながらも、光害が原因の昆虫減少を劇的に減らすことができる」とSeymoure氏は語っていました。

手っ取り早い解決策の中でも照明タイマー、光害を最小限にとどめるカバー、そして日中の光を再現しないタイプの電球は昆虫類への夜間の照明の悪影響を減らすのに役立つと同氏は語っています。それ以上に、人間が放出する光の量を総じて減らす必要があるし、夜に使う灯りには慎重になる必要があります。

なぜ昆虫は灯りに引き寄せられるのか

光と昆虫の関係について説明しましょう。まず、多くの昆虫は光に引き寄せられ、白熱電球が発する熱によって即死してしまいます。科学者らはなぜ虫が光に対してこのような行動を示すのかまだ解明していませんが、多くの昆虫類が月や天の川の位置など、天体を手がかりに飛んでいるからだと考えています。小さな昆虫であれば、街灯を月と勘違いするのかもしれません。あるいは天の川を目立たなくさせるほどの光害のせいで、探すのに苦労するかもしれません。昆虫たちは夜を灯りの下で過ごした場合、疲労あるいは捕食者のせいで朝には死んでいる可能性は30%になるとこの論文は述べています。

夜食性の昆虫にとって光害は致命的

それはそうとして、論文は灯りが昆虫類を即死へと誘う以上のことをしているとも示しています。昆虫の行動や採餌、繁殖、捕食者からの隠れ方、さらには成長の仕方にも影響を及ぼすとか。

特定の昆虫類は十分に暗くなってからでないと餌を探しません。夜間に灯りがあるということは、虫たちが長い間そのときがやってくるのを待っていて、きちんと健康的に育つための食事を十分に摂取できていないかもしれないことを意味します。ホタル類は、小さな体を光らせて求愛します。もしそこかしこに人工的な光があったら、ホタルたちにはどう見えるでしょう?

昆虫の次に絶滅するのは人間!?

研究者たちは灯りがいくつかの昆虫には影響を及ぼしていると理解しているものの、夜間の灯りの影響を最小限に留める方法についてはまだ研究すべきことがたくさん残っています。たとえば、虫へのダメージを減らす理想的な光の波長はあるのか? そして光害は、気候変動と生息環境分断のせいで既に存在する脅威をどれほど悪化させているのか? といったことです。すべての昆虫類が同じような悪影響にさらされているわけではないので、特定の種類への夜間の照明の影響も、地域の調査員が詳しく調べる必要があります。

Seymoure氏は蝶への光害の影響を深掘りしようと計画しています。このトピックへの人々の関心を高められると考えているからです。結局、人々が変化を求めなければ、変化が起きることはありませんからね。それに昆虫類を救うために早急に動かなければ、次に絶滅する種のリストに載るのは私たちになるかもしれません。Seymoure氏曰く「昆虫たちを失えば、みんなも消える」とのことです。

Source: Carnegie Mellon University, ScienceDirect(1, 2),

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