過去十年を振り返る。最高だったヒーロー映画10選

  • 8,601

  • author Germain Lussier - io9
  • [原文]
  • 中川真知子
過去十年を振り返る。最高だったヒーロー映画10選
Image: Sony Pictures Entertainment/YouTube

1位はやっぱりあの作品。

この10年の映画を語る上で、スーパーヒーローものは外せません。というか、記憶に残っているのはスーパーヒーローばかり。映画は社会情勢を写す鏡のようなものなので、スーパーヒーローばかりが求められるということは、まぁ、世の中が世直し的なものを求めていたんでしょう。特にほら、アメリカは大統領選挙云々でいろいろあったから…。

そんな映画学の授業を始めるときの教授の前置きみたいなものはさておき。今日は、そのスーパーヒーロー映画のランキングを発表したいと思います。io9が考える「最高だったヒーロー映画」を10本紹介しますよ。あ、ちなみにランキングに入っている映画はio9のGermain Lussier記者がチョイスしたものですが、コメントはあくまでこの記事を書いている私個人目線ですのであしからず。

10. 『ジャッジ・ドレッド』 (2012)

アラフォー世代には1995年のシルベスター・スタローンの『ジャッジ・ドレッド』が馴染み深いんですが、あれは結構なB級ですから。それがよさでもあるんですけど。

で、2012年公開のカール・アーバン主演『ジャッジ・ドレッド』はどんな作品だったのかというと、リブート作品です。オリジナルの失敗を反省し、ダメだった部分を潔く切ったストーリーでキレッキレになっていました。成功の秘訣はいろいろあると思うのですが、なんと言っても脚本がアレックス・ガーランドだったことが大きいのでは。何せ、『28日後…』『エクス・マキナ』『アナイアレイションー全滅領域ー』を書いた人ですからね。

それにしても、この作品って7年前だったんですね…。もっと最近の気がしていました。

9. 『キック・アス』 (2010)

クロエ・グレース・モレッツが最高でした。あの愛らしい顔に対してあの殺傷テク。少女版ジョン・ウィック。ニコラス・ケイジ演じる過激なパパ役も最高でした。この作品を観たときの衝撃は忘れられません。『キングスマン』に匹敵する感じ。

8. 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)

『エンドゲーム』ではなく『インフィニティ・ウォー』です。これを書いている私(中川)は、ちょっと納得行かないので、なぜio9のGermain Lussier記者が『インフィニティ・ウォー』を選んだのか抜粋して書きますね。

本作には、みんなが戻ってくるというハッピーエンディングと、生命の半分が抹殺されてしまうというバッドエンディングが共存しています。そして、死ぬシーンからの流れるようなクレジットへの運び。『アベンジャーズ』は野心に溢れていましたが、『インフィニティ・ウォー』ではさらに一歩進んだ大胆さを持っていました。ガッツがあると言ってもいいでしょう。

また、『インフィニティ・ウォー』ではマーヴェル・ユニバースの基本キャラクターがバランスよく描かれ、配置されています。まるですべてのチェスの駒を所定の位置に移動させながら、驚異的なアクションセットの配列を完成させ、さらに半分を殺すという破壊美まで描いているのです。

世界を熱狂させた『ブラックパンサー』も、フレンドリーネイバーフッドのスパイダーマンも、灰になってしまいました。その後の展開がどうなっていくのか知っていても、あのときの衝撃は私たちの心の中に残り続けます。

それに、こうも考えてみてください。20億ドルを超える興行収入を叩き出した映画が、主人公の半分を殺した作品なんです。遅かれ早かれ彼らが蘇ることはわかっていました。しかし、観客はその続きを見るまで1年も根気よく待ったんです。次に何が起こるのか、いろんな場所で楽しいディスカッションが展開されました。こんなに影響力を持った作品があったでしょうか?

なるほど…。すっごく納得させられました。でも、私は『エンドゲーム』派かなー。私にとって、衝撃と喪失感は別なんですよね…。

7. 『ファスト・カラー』(2019)

スーパーヒーロー映画というとマーヴェルやDCの規模を考えがち。でも、本作は「母は強し」から着想を得たヒーロー映画で、超人パワーで破壊するのではなく、その特殊なパワーを使って再生させるインディームービーなんだそうです。

日本未公開の作品なのでノーマークでしたが、おもしろそう。

6. 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)

そこまで期待せずに観たら、とんでもなくおもしろかった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。凸凹メンバーで構成されたチームの掛け合いが絶妙で、あっという間にマーヴェルのお笑い担当に。私的には、スペースアライグマの設定が実際のアライグマの気性の荒さそのままでツボ。一見かわいい担当かと思いきや、グルートがマスコットになっているという意外性も好き。

5. 『LOGAN/ローガン』(2017)

『エンドゲーム』の結末は、それはそれは衝撃的でした。でも、そのちょっと前に私たちはもう1人大事なヒーローを失っているんですよね。それが、ローガン。

本作は、最初から最後まで悲しみで溢れていて、観ているのが辛くなるほどでした。なにせ、私たちは2000年からウルヴァリンの活躍を見守ってきたわけですし。ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じたのは17年で9本! 若くて尖ってたローガンが、人目を避けるように隠居生活しているなんて設定は衝撃以外の何者でもありませんでした。

私は本作の後に『猿の惑星:聖戦記』を観たので、喪失感で2週間くらいぼーっとしましたね。私の感受性が高すぎるのかもしれませんが、それだけのインパクトを与えられる作品というのは、やっぱり素晴らしいんだと思います。

4. 『ワンダーウーマン』(2017)

ワンダーウーマン』は納得のランクイン。でも、4位かどうかはわかりません。個人的には、作品のクオリティが高いからというより、時代背景が反映されていての4位なのかな…、と(私なら8位とかにするかも)。

ただ、フェミニズム云々抜きにして作品としておもしろいと思いますし、女の子にはぜひ観てほしい。

本作に合わせて『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』も観てほしいですね。ワンダーウーマンの登場シーンの格好よさはハンパなかったですから。

3. 『アベンジャーズ』(2012)

ヒーローがチームを作って敵と戦うブームの先駆けとなった『アベンジャーズ』。初めてそのポスターを見たとき、盆暮れ正月が一気にやってきたようなお祭り騒ぎのような雰囲気を感じました。それが大ヒットし、まさかその後に3本も作られるとは誰が想像したでしょうか。

そういえば、『アベンジャーズ』のポスターって「日本よ、これが映画だ」というかなり挑戦的なキャッチフレーズが書かれていましたが、なんだかその通りになってしまいましたね。あのキャッチフレーズを考えた人は、ヒーロー映画=ヒーローてんこ盛りが当たり前になる未来を見据えていたのでしょうか。

2. 『ブラックパンサー』(2018)

『ブラックパンサー』の魅力は一言では語り尽くせません。

単体ヒーローものとして、観客を引き込むほどおもしろかったこと。『ドクター・ストレンジ』や『キャプテン・マーベル』は、どちらかというとマーベルのシネマティックユニバースを理解するために資料的に観る意味合いの強い作品でした。『キャプテン・マーベル』に至っては、観ていなくても『エンドゲーム』を理解できたくらいなので、そこまでのインパクトもなかったかも…。

しかし『ブラックパンサー』は違います。もちろん、シネマティック・ユニバースに絡んでいるのは『シビル・ウォー』のキーマンであった時点で明白ですが、それを差し引いても、物語としてのユニークさがありました。それでいて多様性や女性の地位といった、アメリカが今現在抱えている社会派のテーマを全面的に押し出しながらもアクションエンターテイメントとしてのおもしろさを維持しつつ、最後には世界が進むべき理想の世界を提示していました。絶対的な悪が存在せず、お互いに筋の通った意見が対立しているだけという『もののけ姫』的構図も気に入りました。普段こういった映画を観ない人の心にも刺さり、いろんな人が語りたくなったのも納得です。

1. 『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)

最後はやっぱりコレ。『スパイダーマン:スパイダーバース』です。好きな人多いですね。私も好きなほうではあるんですが、でもなんていうか「これのよさを理解できないお前クソ」的な風潮は好きじゃないかも…。

あ、もちろんおもしろいと思いましたよ。別に文句はありません。技術的、表現的、アイディア的に優れているし、噛み締めるように「うん、いいよね」となりますが、「超絶おもしろいから絶対絶対見てくれよな!」ではなかったかな、と。それは『ブラックパンサー』だったかな、と。

なので、『インフィニティ・ウォー』と同様に、io9のGermain Lussier記者がなぜ本作を圧倒的1位に選んだのか紹介しましょう。

映画史の専門家が過去10年間の優れたスーパーヒーロー映画の累積を振り返ってみると、最終的に1本の映画が頂点に登り詰めることとなります。そう、もちろん『スパイダーバース』です。本作はヒーロージャンルに、野心、気づき、純粋なる喜びをもたらしてくれました。

10年前に遡って考えてみてください。6人の異なるスパイダーマンが登場し、中心となるのは黒人で、さまざまな技法のアニメーションを組み合わせ、コミック時代を映画に落とし込む『スパイダーマン』なんて想像できたでしょうか。もちろん「No」ですよね。しかし、2018年の終わりにはこれが可能になったのです。コミック本のスーパーヒーロー初のアカデミー賞受賞作品としても、1位は当然の結果だと言えるでしょう。

なーるほど。確かに、このアイディアは10年前にはなかっただろうな。でも、やっぱり私的1位は『ブラックパンサー』かなぁ。


さてさて、どうだったでしょうか。個人的には『キックアス』のランクインがうれしいですね。そういえば、『キックアス2』は成功だったのかしら。

みなさんの好きなヒーロー映画はあったでしょうか? 『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』についてどう思いました?

    あわせて読みたい

    powered by