えっ、そこまでする?
スマートウォッチといえばApple Watchだなんて時代がやってくる前は、Fitbitがフィットネストラッカーで培ったものを活かし、数々の名機を出しては盛り上がっていた時代もありました。いまでも根強いファンが世界中にいます。でも、そんなFitbitユーザーに大きな衝撃を与えたのは、Google(グーグル)の傘下へと買収されてしまうニュース。きっと「Pixel Watch」なる魅惑のスマートウォッチが出るんだよなんて期待よりも、深刻な懸念を持って受け止められているようですね…。
このほどSiliconANGLEは、米国内のFitbitユーザーの反響を伝えつつ、これまで愛用していたFitbit製品の使用中止を真剣に考えているユーザーの声を紹介しています。なによりも米国においては、勝手にGoogleが、パートナー企業から病院の個人カルテなどの情報を大量に集め、ヘルスケア情報のクラウド管理を進めていた「Project Nightingale」なるプロジェクトが暴露されたり、このところGoogleの健康分野へのデータ収集活用姿勢への批判が高まっていました。これからFitbitユーザーのデータまで自由に集めては、いろいろ勝手に使われてしまうのでは?
現在収集されているデータの取り扱いに懸念を抱くばかりでなく、今後10年や20年でAIが進化を遂げたとき、その収集データでなにがなされるのか怖いと感じています。健康保険会社は、先を争ってデータを手に入れたがるでしょうし、そもそも営業に使う以外で、どんな目的でデータを管理するというのでしょうか? 集めて使わないものに、わざわざお金を注ぎこんだりは絶対にしませんから。
CNBCのインタビューに対し、こんなふうに語ったユーザーの声が紹介されています。ほかにもTwitter上には、なにに使われるのかわからないのに、Googleへ日々のヘルスケアの実態を、Fitbit製品で赤裸々に提供したりは絶対にしたくないとするユーザーの宣言があふれているみたいですね。そして、そのなかで目立つのは、これからはApple Watchへ乗り換えようとする意見です。Appleだって、まったくユーザーのヘルスケア情報を収集していないわけではないのですが、やはりAppleのプライバシー保護姿勢は評価されており、Googleに集められるよりはいいやって考えている人は少なくないようです。
ちなみに、これまでのGoogleをめぐる各種報道からすると、こうしたユーザーの心配も杞憂ではないのかもしれません。北米では、YouTubeを使う子どもたちのプライバシー保護を怠ったとして罰金を科され、EUでもプライバシー保護法に違反したとして罰金刑を言い渡されました。Google Assistantの録音データの詳細がリークされてしまったこともありましたし、すでにオーストラリアの競争・消費者委員会(ACCC)は、GoogleがFitbitユーザーのデータを広告利用する危険性を警告したりしているみたいです。Googleは、イメージと信頼の回復が、いまもっとも求められていることなのかもしれませんよね?
Source: SiliconANGLE