任天堂「リングフィットアドベンチャー」レビュー:私がスクワット60回できたってことは「魔法」です

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • R.Mitsubori
任天堂「リングフィットアドベンチャー」レビュー:私がスクワット60回できたってことは「魔法」です
Image: Gizmodo US

久々に、わくわくしてきた。

10月18日、任天堂Switch専用フィットネスゲームの『リングフィットアドベンチャー』が発売されました! 大ヒットした『Wii Fit』の再来となるのでしょうか…? まずは米Gizmodo Victoria Song 記者のレビューをどうぞ。


「やせたい」という、人類の普遍的な願望が消えない限り、まゆつば物のエクササイズアイテムもまた、この世から消えることはないでしょう。オンラインレッスン付きのルームランナー(価格なんと40万円!)に、エクササイズをサポートするディスプレイ内蔵ミラー、そして高額の自転車エクサマシンのPelotonなどなど…。

そんなわけで、もしもあなたがニンテンドースイッチの『リングフィットアドベンチャー』を「どうせ、ただのエクササイズ風ゲームでしょ」と鼻で笑ったとしても、無理もありません。たしかにリングコンは見た目ちょっと「なんじゃこりゃ」だし、リビングで走っている姿もちょっとシュール…っていうかお間抜け。良識ある大人なら、これ1つでプヨプヨおなかが6つに割れることはないだろう、と察しもつくでしょう。

でも、これ、結構おすすめなんです。なぜかって、リングフィットアドベンチャーはとにかく楽しくエクササイズできる優れモノだからです!

リングフィットアドベンチャー

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Image: Gizmodo US

これは何?: Nintendo Switch専用フィットネスゲーム

価格:7,980円(税抜)

好きなところ: 楽しくエクササイズできる! リングコンが良くできてる。ゲームとしての安定感がある。

好きじゃないところ: テーマはありきたりかも。あと、プレイしてる姿がちょっとカッコ悪い。

まずは箱を開けるところから。中にはゲームソフト、左のJoy-Conを入れる太もも用ホルスターのレッグバンド、そして右のJoy-Conを装着するエクササイズバンドのリングコンが入っています。リングコンには各種センサーがついていて、まあ、これだけそろって8,000円程度なら、コスパは悪くありません

レッグバンドは、メッシュポーチにマジックテープのバンドがついていて、これを太ももに巻いて使います。ゲーム中にずれてきて時折つけ直さなきゃなりませんが、まあ、大半の人には影響はありません。でもやっぱり、すごいのはリングコンです。CM では軽々と曲げ伸ばししてますけど、実際にやってみると、結構力がいるんです。

でも、肝心なのはやはりハードウェアよりもゲームの内容。ひと言でいうと、リングフィットアドベンチャーはペット用のピルポケットみたいなものです(ピルポケットとは、錠剤やカプセルを埋め込む溝がついたエサのこと)。エクササイズという苦い薬を、ゲームというエサでカムフラージュするわけです。

リングフィットアドベンチャーのメインゲームはRPG仕立てのアドベンチャーモード。最強ボスのドラゴは、ネガティブなジムカルチャーを体現しているんだとか。不思議な力を持つ相棒の「リング」と力を合わせ、ボス打倒のため世界中を旅します。

途中、邪悪な闇のオーラから村人を救うため、フィットネス用具の形をした可愛らしい敵と戦います。こちらの攻撃コマンドに使われるのが、各種エクササイズ。敵キャラはそれぞれ弱点に応じて色分けされていて、そのカラーに合ったエクササイズをすると倒しやすくなっています。たとえば、青いダンベル型のモンスターは脚の運動に弱いとか、赤いモンスターは腕のエクササイズ、黄色のモンスターはコアエクササイズ、緑のモンスターはヨガの動きが嫌い、などなど。エクササイズのフォームが良いほど、敵に与えるダメージが大きくなります

そして、文字どおり、一番燃えるのがバトルシーンです。その場でジョギングしたりするので、心拍数もアップ。ただ、集合住宅で騒音が気になる方はサイレントモードを選択すれば、たとえば足踏みをせずに膝の屈伸をするだけでOK。負荷も少し軽くなるので、体力に自信がない方は常時サイレントモードでプレイするのもアリです。

でも、バトル自体はガチです。モンスターを倒すには、3種程度のエクササイズをそれぞれ15回から20回くらいやらされます。青いモンスターがたくさん登場したときなんかは、30分のプレイ時間でスクワット60回もやっちゃいましたよ。お尻や太ももの筋肉を酷使したので、明日筋肉痛になるのは間違いないでしょう。でも、とにかく楽しいので、本来スクワットなんて大嫌いな私でも、あまり苦には感じませんでしたよ。

ジョギングや運動の回数などに応じてキャラクターがレベルアップします。レベルが上がると、リングコンを絞る動作でドアや木箱を壊したり、引っ張ってコインやハートを吸い上げたり、下向きにして絞って空中をジャンプしたりでききるようになります。

さらにゲームを進めると、モモ上げ動作で階段をのぼって水たまりを抜けたり、コアエクササイズでボートをこいだり、と、あらたなスキルをゲット。最終的には、ケールなどの材料を集めてスムージーを作ったりもできるように。これが、ボス戦で役に立つんですよ。ボスのドラゴ君は超強くて、初めてのボス戦は13分もかかっちゃいまして、終わったときにはもうへとへとでした。

1レベル上げるための所要時間は、正味2分から10分程度と短め。長時間はプレイできないよね、ってことです。体力使いますから。スタミナのある人でも、1日1時間程度。私の場合、1日3レベルか4レベル(プレイ時間約30分)で汗だくの限界でした。普通の人なら30分もプレイすれば「よく運動したー」と感じるはずです。

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Image: Gizmodo US
運動するときにデニムはやめましょう。これはあくまで撮影用です。

ありがたいことに、アドベンチャーモード以外にミニゲームもあります。RPGはちょっと…と思う大人の皆さま(それも一理あり)は、エクササイズのみのシンプルモードをどうぞ。

さすが任天堂さん、ちゃんとエクササイズを筋肉のカテゴリごとに分類し、バトルのときと同じフォーマットでプレイできます。ただ、より多くのダメージを敵に与える、ではなく、きれいなフォームと姿勢を維持することで多くのポイントをゲットし、グレードを上げていくことになります。

ミニゲームもたくさんありますよ。Ring-Conは使いますが、マリオパーティとかメイドインワリオのミニゲームの精神を彷彿とさせます。体を前後左右に動かしながらリングコンを頭の上で広げたり絞ったりしてコインを獲得していくパラシュートゲームや、膝の屈伸とリングコンの絞り方でうまく「ろくろ」を回してきれいなツボを作るろくろ回しゲームなどなど。 何度も言いますが、私はスクワットが大っ嫌いなんです。でも、このろくろ回しはかなり楽しくてお気に入りのミニゲームなんです。

この1週間、このゲームのせいで軽くアイデンティティの危機に見舞われています。楽しいから、という理由で自ら率先してスクワットしちゃうなんて…私じゃない感じ。

ただ、このゲームをジムや有酸素運動、筋力トレーニングの代わりにするのは、ちょっと無理かな。毎日続けて、食事などにも気をつければ1キロ前後なら減量できるかもしれませんが。

実際の運動量をApple Watchで計測するため、まずは週末に20分間のインターバル走をしたところ、消費カロリーは約222kcal。その後、リングフィットアドベンチャーを2レベル分、20分間プレイしたら、Apple Watchでは132kcal消費と記録されました。

ちなみに心拍数を比較すると、走ったときには170bpm(bpm=1分あたりの回数)くらいで安定していたのですが、リングフィットアドベンチャーをプレイした時にはかなり変動がありました。1ゲーム終わるたびに静止して、メニューで次のゲームを探したりしていたので、そのせいでしょう。結果、脈拍は平均で122bpmした。

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Image: Gizmodo US
ジョイコンの赤外線センサーに親指をあてると、心拍測定してくれます。

そうそう、ゲーム内で表示される記録とかランキングとかの参考データはあまり鵜呑みにしすぎない方がいいですよ。免責事項にもありますが、ジョギングの強度にかかわらず、ルームランナーや屋外で走るのと同じ有酸素運動効果は得られないことをNintendoも認めていますから。もちろん至極当然のことなんですけど、忘れがちなので、念のため。

それでも、ジョイコンの赤外線センサーは心拍数を定点観測してくれる、優れもの。ためしにPolar H10の心拍センサーとApple Watch Series 5とで比較テストしてみたのですが、結果に差はほとんどなく、Apple Watchとの誤差は5bpm、心拍センサーとは10bpm以内でした。ただ、この心拍は各レベルをクリアした際に計測したもので、プレイ中ずっとチェックしているわけではありません。そこが、ちょっと全般的な正確性に欠けるかな、といった感じです。

しかし、このゲームには少々問題も。リングフィットアドベンチャーでは、Wii Fitのインストラクターに似たガイド役の「ミブリさん」がアクティビティのサポートをしてくれます。バーチャルなジムトレーナーってとこです。

でも、太ももホルスターとリングコンでは微妙な誤差はキャッチしてくれませんから、多少エクササイズを手抜きしてもバレません。 スクワットのラストで、しっかり膝を曲げなかった点は指摘されたのですが、もも上げについては「しっかりできました」と褒められました。いや、それはありえないですよ。私の小さなマンションのリビングもどきでは、そんなマジのもも上げできませんから。そうなると、やはりリアルのトレーナーやジム仲間がいないと、って思います。

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Image: Gizmodo US
見よ、これがリングコン。

正直、このゲームはアクティビティの補助的なアイテムとしては最適です。私はピラティスやダイエットエクササイズなど、筋トレの類は全部嫌いです。マンション内のジムを使って自分で筋トレする甲斐性があれば、エクササイズ教室に費用をつぎ込む必要もないんですが…できないんです。

先週までは、スクワット100回やるには週1回60分間、ボクシングクラスという名の拷問に通うしかありませんでした。なのにこの1週間、私はテレビゲームで100回以上スクワットしたんです。

これは、もはや魔法です。大人にとって運動というのは、健康のために体に鞭を打ってでも、「やらなきゃいけないこと」。でもリングフィットアドベンチャーは、学校の校庭で走り回っていたころのように、運動することの楽しさを思い出させてくれます。

うまくやろうとか、燃焼しなきゃとか、あの人より下手だとか、そういうプレッシャーを感じる必要はありません。ただ30分間、ちょっとおバカになることを楽しめばいいんです。この世知辛い2019年、8,000円でこの体験ができるのはなかなか貴重ですよ。

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