10年のデタラメ健康トレンドを振り返る。次の10年に最も持ち越したくないもの5選!

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10年のデタラメ健康トレンドを振り返る。次の10年に最も持ち越したくないもの5選!
Image: Getty / Ernesto Distefano

一度は通った道? まだ酔いの中? 大丈夫、ときが解決してくれます。

2019年も終わりに近づいていて、ようやく救われる思いです。過去10年間の健康トレンドには、そっと蓋をしたいものがつまっていて、ここんとこ数年にいたっては、お化けがカーニバルを開催中のホラーハウスにでも迷い込んだかのようでした。入る部屋入る部屋がやたらシュールで、その恐怖度ときたら毎回キッチリ想像を超えてきてくれました。

ウェルネス、健康、美容」トレンドに関する過去記事を読むと、まるでエイリアンから説明を受けているように感じられることでしょう。奇妙なものもあれば、大半がホント信じられないものばかり。ヴァギナのスチームペニスと吸血鬼のフェイシャル睡眠パターンに耳を傾け呼吸を解釈するロボット…。周期的に浮上してくるものもあれば、少し流行しただけものもありますが、すべてが”ヒドい”という点で一貫しています。いくつかを以下でご紹介します。

1. Goopの商品のなにからなにまで

この10年で最も偉大なペテン師」リストの1人に、自らの血と汗とダウンドッグのポーズ(ヨガのポーズ)によって、いわゆる「癒しのモダリティ」を大衆にもたらした人物を含めないわけにはいきません。そう、「Goop」の設立者グウィネス・パルトローです。ヴァギナをスチームするとの危険ないんちき療法だけじゃなく、あらゆる種類の奇妙で疑似科学的な商品を養護するこの女性をペテン師リストに含めないとすれば、それこそモグリでしょう。

Goop最大のヒット商品には、悪名高いヴァギナ用ヒスイエッグ(Goopが主張する健康上の利点に対して訴訟が起こり、賠償による和解を余儀なくされています)、美容のためのハチに刺され死に至る危険もあります)、必要のない結腸洗浄、なんかがあります。そしてご安心ください。Goopは絶対つぶれませんので(実際、大繁盛です)、向こう10年間も、同社による射幸心を煽りまくる詐欺商品がますます増えることに期待できます。

2. 地下室バイオハック

さまざまな形態があるバイオハックですが、これほど時代の不条理をうまく体現しているものはないでしょう。

バイオハックは質問する相手によっては、単に「よく食べて運動すること」を意味するもしれませんし、あるいは「完全なサイボーグ化」をもってそう呼ぶ人もいるでしょう。

たとえば、モチベーションを高める講演家であり、元スタッフやファンに性的不祥事で非難されたこともあるトニー・ロビンスは、自身のウェブサイトのブログ投稿で、「科学と自己実験を通して化学的/生理的変化を引き起こし、身体の活性化と強化を図るための実践」とバイオハッックについて説明しています。

別の人たちにとっては、バイオハックは皮膚の下にマイクロチップが埋め込まれていることを意味するかもしれません。そんな人たちのあいだでは、ジャック・ドーシーによる自己最適化のための見当違いな試みが、何度も行なわれている可能性があります(詳細は後ほど説明します)。ご想像のとおり、DIY遺伝子治療を自分自身に施すことを「自己改善ライフハック」と呼ぶ人たちは、一般的に専門的な訓練を受けた科学者でも免許をもった医療関係者でもありません。

米Gizmodoではほかにも、アメリカ国防高等研究計画局(DAPRA)が、慢性うつ病を治療するためにチップを頭蓋内に移植して論争の的となった話から、絶望した患者たちが、DIYがん免疫療医薬品をつぎはぎに施した心痛い話までを報告してきました。

さらに、暗闇で光る犬を繁殖させようとした男(精子にバクテリアの遺伝子を注入し、繁殖を試みました)や、自分のペニスをバイブレーターに変えたかった男もいました(皮膚の下にデバイスを埋め込み、電池で振動するようにしました)。

一部のメディアは、インプラントにより自らの身体にRFIDチップや赤外線センサーを埋め込むバイオハッカーを「ファ○キン・クール!」と捉えていますが、彼らは同時に、頭からはみ出した怪しいアンテナを得ることになります(政府によって最初にサイボーグとして認められたHarbisson氏のことです)。

おそらく、初歩的なバイオハックのベストな例は、背中の痛みを治すために1年以上にわたって自分の精液を静脈注射した男でしょう。ホントに効くかどうかについては、長らく賛否両論ありますが、答えはノーです。精液は腰痛の治療薬ではありません。

3. 流行りの摂食障害

TwitterのCEOジャック・ドーシーは、シリコンバレーのトレンド「間欠的断食」の最も目立った実践者の一人です。今年1月に、ドーシーは「しばらく」実践の実験をしていたとつぶやきました。彼は、1日1食だったことを主張(22時間の断食と説明)。そして最近、3日間水だけを摂取する断食に手を出しました。

そこでの最大の気付きは、彼いわく「どれだけ時間がゆっくりになるか」ということでした。でも、1日1回の食事に食べ物の摂取量も制限、ときに水だけ飲むとの行動は、多くの人が言うように、摂食障害に疑われかねないです。

ところがファスティング実践者は、自分自身を飢えさせることで、心を最適化する機会を得ようとしてるんです。

スタートアップH.V.M.N.の最高経営責任者(CEO)ジェフリー・ウーは、ニューヨーク・タイムズに「人々はもはや肉体労働者ではありません。知的労働のために認知能力を最適化する必要があります」と語っています。

たまたまなんですが、H.V.M.N.はファスティングやケトダイエットで食事を補助する「ケトンエステル」を含んだ向知性薬(聞くところによると、脳機能を強化する物質)を販売しています。

ついでに、流行のダイエットについて話しましょう。パレオアトキンスWhole30ケトダイエット。その効果はまだ明確ではなく、少なくとも宣伝されているほどではないです。それと、キャベツジュースのダイエットってのもあったな…(摂取できるのがジュースだけとは恐れ入る)。思い出すのに1分かかりました。

私があまりに多くを求めすぎなのかもしれませんが、2020年に生きるすべての人が、極端なダイエットの見出しに煩わされず、ただただ安心して食事を楽めることを願っています。

4.Vaping

表向きは大人向けの禁煙ツールとして、そしてティーンにはドラッグとして消費されるVapingは、急角度で上昇したかと思えば突如として下降。まさに究極のジェットコースターです。電子タバコのマーケットリーダーとして君臨するJuulは、2015年に、ヒップな見た目の若いモデルをフィーチャーしたマーケティングキャンペーンでデビューしました。同社のトップ官僚は十代の若者たちにアピールすることの重要性をよく知っていたのです。

デバイスのデザインがなめらかで、簡単に隠せるUSBメモリっぽい見た目ですが、若者にとっては魅力的なものとなったようです。

立ち上げにあたって、同社は甘ったるい、あるいはフルーティーなフレーバーの品揃えを提供しました。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、こうした取り組みが子供たちのあいだでの人気を助長することになったと言います。

Juulが自社製品が従来のタバコよりも安全であると主張したことによって、状況はいっそう悪いほうに転がりました。

Juulの前CEOのケビン・バーンズは、同社のサイトでJuulが成人喫煙者に「燃焼しないためそれに伴う害もなく、お望みの満足感が得られる」と手紙で主張。それだけじゃなく、今年の初めに、Juulの担当者が教室を訪問し、学生たちに製品が「完全に安全(電子タバコに関するとりわけ壮大な嘘です)」だと伝えていたことが、2人のティーンによる議会での証言で明るみに出たんですね。

最近、電子タバコ習慣に関連する可能性のある死亡や病気の相次ぐ報告が、国際ニュースのヘッドラインをにぎわしてしています。Juulにとっては救われようがありません。

こうした報告の大半は、闇市場のTHCカートリッジに関連していることがうかがえますが、犠牲者すべてがTHCによるVapingを報告しているわけではなく、調査はまだ進行中です。

ただ1つはっきりしていることがあります。信じられないほどもうかるタバコ市場を、コーナーを切って取りに行こうとしていたJuulは、今猛烈に後退しています。

同社は今月、非タバコ製品、非メントールベースのすべての製品を米国の自社サイトから取り下げました。つまり、マンゴーやキュウリのリキッドを廃止したということです。うまみたっぷりのJuulの黄金時代はもう終わったのかもしれません。そして正直言って、それが最善に思います。

5. マイクロドージング(ドラッグの微量服用)

シリコンバレー世代を言い表す健康トレンドがあるとすれば、それは間違いなく「マイクロドージング」でしょう。サイケデリクス(LSDまたはマジックマッシュルーム)の極微量での頻繁な服用が、創造性を向上させ、マインドを拡張し、さらには育児を少し楽にすることが、サンフランシスコの人たちから告げられています。

実際、ドラッグの微量服用者はトリップしようとはしていません。彼らが言う利点には、片頭痛やPMSを含む痛みの緩和うつ病や不安の改善が含まれます。またある人は、マイクロドージングが人前で話すことへの恐怖を改善したと言います。すべての証言はまだ十分に理解されていない領域での実践報告です。ポジティブな結果を報告した研究もありますが、潜在的なリスク量るためにさらなる研究が必要でしょう。

次期10年に移行するにあたって、トレンドを追いかけ、自己記述するバイオハッカーのシリコンバレー連中には敬意を表しつつ…。極微な酔いで悟りを開いちゃってるテック野郎を、この10年間の遺物として置き去りにする時なのかもしれません。

私たちの周りには、すでにフィクションに出てくるようなキャラクターよりも奇妙な人がわんさかいるということです。

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