TikTok、音楽サブスクリプションにいよいよ参入か

  • author Whitney Kimball - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
TikTok、音楽サブスクリプションにいよいよ参入か

新形態の音楽サブスクリプションサービスが、生まれるか。

モバイル向けショートビデオプラットフォーム「TikTok」の親会社・ByteDanceが、音楽サブスクリプションサービスについに参入するようです。

Financial Timesによれば、ByteDanceはすでにワーナーミュージックやソニーミュージック、ユニバーサル・ミュージックにライセンス契約に関してアプローチしています。TikTokは15億ダウンロードを突破してApp Storeで第3位の座を占め、他のテック企業によるコピー寄せ付けていません。すでに「音楽の新たなキングメーカー」とも言われているTikTokがサブスクリプションサービスにも入ってくるとなれば、他社にとって大きな脅威となりそうです。この報道について米GizmodoがTikTokに問い合わせていますが、まだ回答はありません。

TikTokのApple Music・Spotify対抗サービスへの動きは、前々から言われてきました。レーベルはTikTokをあさっては、TikTok用にミームフレンドリーな曲を作れるアーティストの発掘に余念がありませんでした。それらの楽曲はもうTikTokの枠を超え、音楽メディア「ビルボード」のHot 100に浮上しています。

前途は多難

でもPitchfork が伝えたように、TikTokにその後吸収されたMusical.lyがWarner Brothersと2016年に結んだ契約では、ライセンス料はアーティストのバイラル度合いに応じて支払うのではなく、人気と関係なくWarner Brothersに一括前払いすることになっていて、最終的にアーティストに入るお金はスズメの涙でした。アーティストにとってのメリットは露出が大きいこと、それによって別のところでお金にできることでした。

ただ今は、TikTok/ByteDanceにとっては政治的に微妙な時期です。米国上院議員のChuck Schumer氏(民主党、ニューヨーク州)とJosh Hawley氏(共和党、ミズーリ州)は、TikTokがアメリカ国民のデータを集めて中国政府に送っているんじゃないかと主張し、公式な調査を開始しています。Hawley氏は11月18日、National Security and Personal Data Protection Act(国家安全・個人データ保護法案)を発表し、この法案が中国企業による「米国でのサービス提供に必要となる以上のデータ収集」や「収集したデータの副次的目的での利用」、「彼らの国へのユーザーデータや暗号化キーの転送や、そこでのデータ保存」を防止できるとしました。ByteDanceは米国内にデータを保存していてと何回も主張していますが、TikTokへのポストを管理するモデレーターたちは中国の親会社の方針で検閲をさせられているという指摘もあります。

今月開かれた米下院議会の公聴会では(ByteDanceは欠席)、Heritage Foundationのテクノロジー・国家安全保障・科学政策担当のシニアフェロー・Klon Kitchen氏が、中国政府がTikTokにある米軍兵の画像を使ってAIや自動兵器を学習させることは可能だという主旨の発言をしました。米GizmodoがTikTokの広報担当者に聞いたところ、彼らは公聴会でそんな仮定の話が出ていたこと自体知りませんでした。たしかに、TikTokのデータを使われた場合の最悪のシナリオが「写真で覚えた軍人を自律ドローン兵器で射殺」っていう展開なのかどうか、もうちょっと他にあるような…

最近TikTokのトップ、Alex Zhu氏がNew York Timesのカラフルな特集記事に登場し、TikTokの「顔」となりました。Zhu氏はアーティスト気質の変わり者で、自称「デザイントレプレナー」(デザイナー+アントレプレナー)であり、「ボタンの色」とかにこだわる、という見せ方です。中国の習近平国家主席が彼個人にユーザーデータの提出を依頼してきたらどうするかという問いに、「Zhu氏はほとんど考える時間もなく、『拒否します』と答えた」そうです。

Wall Street Journalは、ByteDanceが中国政府とつながっているイメージを払拭すべく、ブランド変更を検討していると報じています。でも、北京にある本社を国外に移転するまではいかないそうです。

TikTokは良い魔法使いでしょうか、悪い魔法使いでしょうか? または単にごく普通のテック企業で、米国企業がやっているように、純粋にビジネス目的で中国にデータを共有しちゃうんでしょうか?

米GizmodoがTikTokの広報担当者に聞いたところ、以前プレスリリースを見るように言われました。そこには、彼らのデータは中国外に保存され、モデレーションチームは米国に拠点を置き、彼らは「中国も含め、外国政府に影響されていない」とありました。

どっちにしろ今後も当分TikTok人気は続くと思われ、Apple MusicやSpotifyにとってはやな感じのライバルが生まれてきそうです。

Source: Financial TimesCNET、Pitchfork(12)、Washington Post(12)、New York TimesWall Street JournalThe Verge

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