元恋人からのメッセージだったら、泣いちゃう。
11月7日の朝、アメリカとカナダでは身に覚えのない奇妙なテキストメッセージを受け取る人が多発しました。差出人は身近な知り合いなのですが、内容はとんちんかんなもの。じつはこれ、数カ月前に送信されたメッセージが今になって届いたらしいのです。 何事!?とまじでビビった人もいたようで、ほんとお気の毒さまでした。ここに、真相をお話しします。
警察出動の騒ぎになったひとも
TwitterやRedditでは「朝から意味不明のメールがきた」と騒ぎになっていて、どうやら同じような体験をした人がたくさんいた模様です。皆さん、夜中に友達やら家族からのテキストメッセージが送られてきているのですが、その送信日時はどれも今年2月。バレンタインデーの頃ですね。でも内容はまちまち。あるTwitterユーザの友人は、そのメールのせいでひどい目にあったそうです。
その方は大体いつも夜9時には寝ちゃう人で、お酒も飲みません。でもその日は夜中の1時に「私をつかまえて!」とメッセージをよこしたのです。それを受け取った前出のTwitter投稿者が「こりゃただごとじゃない」と警察に通報してしまったから、大変。警官が友人宅を訪れ、(おそらく友人は眠っていたのでしょう)すったもんだの挙句、ようやく友人が玄関を開けて無事を確認。でも、問題のメッセージの送信履歴は残っていませんでした。
その日は、そんな事件が多発しましたが、どのケースも送り主に心あたりはなし。被害は意外な事態にも発展してしまいました。たとえば、オハイオ州ではL.ホリングワース・スクールから生徒の保護者あてに「本日は休校」というメッセージが送信されてしまい、学校側が謝罪する事態に。また、あるTwitterユーザは2月に送ったはずの、別れた恋人あてのメッセージが送信されてしまったそうで、「もう、死にたい」 とつぶやいていました。
各大手携帯電話会社のコメント
一体何が起こったのか、詳細がすべて明らかになったわけではないのですが、米Gizmodoはアメリカの大手携帯電話会社から話を聞くことに成功。まずは声を大にして言います:
「今回のテキストメッセージ誤送信はあなたのせいじゃないですし、変なメールを受け取ったとしても別に心配することはありません」。
T-Mobileの広報担当者は、「これはT-Mobileの問題ではなくて、サードバーティのベンダーのミスでした。他のネットワークにも同様の影響が出ています」と話しました。すでに問題は解消しているとのことですが、当のベンダーについての質問には回答はなし。
一方、スプリントのほうはもう少し親切な対応でした。広報担当者の話によると、「スプリントをはじめ、アメリカ国内の通信事業者向けメッセージプラットフォームで、メンテナンス作業が行なわれたのです。そのときに、古いメッセージが送信されたようです」とのこと。
さらに詳しい話を聞くと、送られたメッセージは過去に実際に送信されたもの。つまり、2月に突然通信回線にブラックホールが出現し、メッセージを飲み込んで、それを今になって全部吐き出した…というわけです。メッセージの内容に心あたりがない、という人は、ただ単に9カ月前に送ったテキストのことを忘れていただけだったのです。
Verizonの広報担当者は、今回の件についてコメントを控えましたが、その代わりにSyniverseという通信会社に連絡を入れるよう教えてくれました。この会社は多数の製品を業界に提供している会社です(つまり元凶はこの会社ってことね)。 当時、電話やメールをスルーされて落ち込んでいた人もいたでしょう。慰めになるかわかりませんが、やっと返事が来たんですね。何カ月も前に送られたやつですけど。
一体何がどうなって、こんな事態になったのか気になる方もいると思いますので、今後も各企業から回答があり次第、こちらで公開していきます。 いやしかし、たった1通のテキストメッセージが人の生活や学校の予定、そして緊急サービスにまで影響を及ぼすのを目の当たりにすると、ちょっとうすら寒い思いです。
続報
Syniverseから我々の質問に対する直接的な回答はありませんでしたが、今後も詳細情報を提供していただく旨、返信がありました。
昨夜、社内メンテナンス作業中に、以前配信されなかった16万8,149通のテキストメッセージが複数の携帯電話会社の契約者に誤って送信されました。
Syniverseの最高マーケティング責任者兼製品責任者であるウィリアム・ハーレイ氏は「問題は解決しましたが、これが再発しないように内部手順を見直します。また、何かご不明な点があれば、お客様担当部署と積極的に連携して対応させていただきます」。