忍者の万力鎖みたいなもんですね。
銃社会のアメリカでは、犯人が武装しているケースがあります。銃を向けて「止まれ」と言っているのにフラフラ歩いてくるジャンキーなど、ヤバい輩にも出くわします。警察官にとっては、そうした相手の危険度は未知数ですし、大人しくしなければ自己防衛で発砲するわけですが、銃は威力が高すぎるので、万が一にでも罪なき人を殺傷してしまいかねません。
そこで銃の代わりとして、電撃で相手を痺れさせるテーザーガンや、目潰しとなるペッパースプレー、または暴徒を鎮静させるゴム弾などがあるものの…どれも相当に痛い武器だったりします。
新たな拘束用ガジェットが登場
そうしたアイテムにかわり、射出したケブラー素材の紐で相手をグルグル巻きにする、新たな飛び道具「BOLA WRAP」が登場しました。これからロサンゼルス警察(LAPD)が実装するべく、2020年1月から警官たちを訓練していく、とINTERESTING ENGINEERINGが伝えています。
メカニズム
「BOLA WRAP」の広告によりますと、この武器には安全装置があり、それを解除してからさらに機動するという2段階のセーフティー機構が採用されています。
そしてレーザー光線照射で3~8m先までの対象を狙い、返しが付いたおもりが両端にあるケブラー製の紐を、秒速156mの速度で射出。3m先でも秒速82mで飛来します。紐の長さは2.4mあり、対象に1~3回グルグルっと巻き付くことになります。
なお紐が格納されているカートリッジは交換式で、小さな弾丸のような推進剤により、紐が飛び出す仕掛けになっています。

容疑者や危険人物を捕獲するにはいろいろな方法があると思いますが、安全そうな投網よりもっとシンプルで効果的のようですよね。たとえ脚に巻き付けて対象人物が転んだとしても、擦り傷やタンコブ程度の怪我で済みそうなのがメリットだということです。
暴動にも有効そう
ちなみに筆者はハリウッドにいた頃、ラジオ局主催のストリート・ライヴが急遽中止になったことで暴動に発展した現場にいたことがあります。空には報道ヘリコプターが飛び交い、騎馬隊が登場し、舞台上の音響機器を壊したり盗んだりする連中に向かってショットガンでゴム弾を射撃する警察官の姿も目の当たりにしました。打たれた青年は悶え苦しんでいたので、アレに比べると「BOLA WRAP」はなんと人道的なアイテムなんだろう、と思うワケです。
LAPDは「BOLA WRAP」を大歓迎しているようなので、LA界隈の極悪人たちは怪我することなく、お縄頂戴になるでしょうね。
Source: YouTube, BOLA WRAP, WRAP via INTERESTING ENGINEERING