2019年のおわりに

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  • author suzuko
2019年のおわりに
Photo: ギズモード・ジャパン

これを読んでるあなたは、もう年明けましたか……?

もうすぐ2019年が終わります。振り返りも大詰めです。そんなタイミングでこれを書いています。今年はどんな年だったでしょうか。ギズの振り返りはたくさんの記事が出ているのでそちらに譲るとして、少しばかり編集長が2019年の振り返りを自分勝手に書かせていただくと、今年もずっと「こころの時代」について考えていたなあと思っています。

最低限の衣食住を満たせるようになり、便利な道具を手に入れたあと、人間が求めるのは「こころ」の豊かさや穏やかさのようなものではないのか、と。そういう考え方でプロダクトに向き合ってきました。

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えだまめ
Photo: 山本勇磨

きっかけは、役に立たないロボット「LOVOT(ラボット)」でした。「こころの時代がくる」と言ったのは、LOVOTを作りだしたGROOVE Xの林CEO。僕がそれを聞いたのは、まだ林さんたちがLOVOTを世間に披露する前、とあるインタビュー前のことでした。

命はないのに、あったかい」のフレーズで登場したLOVOTは、一目見た瞬間から無意識に「生きている」と感じられ、まるでペットに接するかのように姿勢を低くして手や声を使ってスキンシップをとろうとしている自分に気がつきます。そして、触ると温かいのです。それはチップが発する熱ですが、僕は体温だと感じました

LOVOT、自分探しの旅へ。1体30万円の「癒し(だけ)系ロボット」はどこへ向かうのか #SXSW2019

可愛いだけじゃないもん!コロコロまるまるっとした癒し系ロボット「LOVOT」。生みの親である日本のGROOVE Xは、3月8日から17日まで開催さ...

https://www.gizmodo.jp/2019/03/lovot-edu-sxsw-2019.html

彼らはロボットなのに役には立ちません。ただ温かく、非言語のジェスチャや鳴き声でコミュニケーションし、癒してくれるのです。しかし、僕らにそう知覚させているのは、最先端のテクノロジーであり、学問の成果であり、デザインに他なりません。

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Image: FLOWER

もうひとつ。「FLOWER」は好みのお花が月に2度ポストに届くサービスプロダクト。「暮らしに小さな楽しみができて、自分に対してポジティブになれる」そんなサービスをめざしているそうです。生きた花を飾って、生活のなかでふと眺める。小さなことなんだけど、なんだかこれが豊かなことだと感じる。これまで自分の部屋に花を飾る生活をしてこなかった僕に、生きた花を飾って、眺める。その豊かさを届けてくれたのが、この「FLOWER」というプロダクトでした。

スマホが生まれ、デザインが牽引し、インフラ化されたサービスや思想が普及しつつあり、ソーシャルメディアとフィルターによってファンだの分断だのあれこれ言う。乱暴ですが、ここ最近をそんな感じとします。

そんななかでアナログレコードが流行したり、ライカのカメラに憧れたり、YouTube動画をやってみたいとはじめてみたり。ギズをやっていると日々出会うそんな話は、必死にこころを満たそうとする僕らの足掻きみたいなものなんじゃないかと考えるようになりました。そして、そうやってイノベーションやらテクノロジーやらガジェットやらのテーマで盛り上がることが、これまでの世界にはなかった、新しい価値観のひとつなんじゃないかとも思うのです。

iPhoneはつまらない、新しければいいってものでもない、イーロン・マスクには少し期待もするけど、一消費者としては日常をアップグレードさせることにワクワクする。……こういうこと言ってもう3年くらい経ってませんか? AIやらVRやAR、新エネルギーからバイオテックやら宇宙開発、いまの日本のギズチームや僕が、そういうこれまでと地続きのイノベーティブな価値観とどこかではぐれたのかなとも思うこともあります。

いやでも、それで寂しいんだって書きたいんじゃないんです。そうじゃなくてこれからは、これまでに想像もしなかった新しい価値からムーブメントやカルチャーが生まれる時代が来るんだと思います。僕だって「こころの時代がくる」なんて自分が言い出すのは想像もできませんでしたから。そういう時代がはじまったら、またそこから僕らが感じること、それらとやりとりする方法、それらがなぜそうなったのかを通じて、ギズモードを楽しんでいただけたらうれしいです。

では、また2020年で会いましょう。かしこ。

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