じわじわ来るタイプ。
サムスンのスマホシリーズといえば「Galaxy」ですね。日本においては、定番スマホの地位を確立していると言ってもいいでしょう。
過去に何機種か使ってみたことはありますが、よくできてるなーというのが個人的な感想。一時期「Galaxy Edge」という機種がありましたが、あのデザインが結構気に入っていました。
最近では二つ折りスマホの「Galaxy Fold」が注目されていますが、一足先に発売された「Galaxy Note 10+」もなかなかよくできたスマホなんです。
Galaxy Note 10+

これは何?:最新Sペン付属のGalaxy Note最新モデル
価格:11万8800円(au)/12万1176円(NTTドコモ)
好きなところ:DeX for PCが使えるところ。Sペンで手軽に手書きメモが取れたりリモートシャッターが使えるところ。
好きじゃないところ:エアジェスチャが使いづらいところ。
空中をフリックして操作ができる! Sペンの「エアジェスチャ」をチェック
基本スペックは、約6.8インチの有機ELを搭載。CPUはSnapdragon 855、内蔵RAMは12GB。正直、使っていて何の不満もありません。快適です。最初は手に大きいかなと思っていましたが、使っていると気にならなくなってきます。逆にこのくらいのサイズがいいかななんて思ってきたり。

Galaxy Noteシリーズといえば、本体に付属するSペンの存在を忘れてはいけません。Sペンを使うと、手書きメモがさっと行なえたり、Webページなどのキャプチャ画像に字などを書き込んだりできるという、まさに「ノート」な使い方ができるのです。
このSペンが進化しました。これまでは、あくまでもスタイラスペンとしての使い方しかできませんでしたが、この機種からはSペンを画面から離した状態でも使えるようになりました。「エアジェスチャ」という機能です。
具体的にどういうことができるかというと、カメラを立ち上げた状態でSペンのボタンを押しながら左右にフリックするジェスチャーをすることで、撮影モードの切り替えが行なえます。

また、Sペンのボタンを押してシャッターを切ることもできます。

上下にフリックする動作をすると、インカメラとアウトカメラの切り替えができます。

このほか、写真の表示切り替えや音楽を聞いているときのボリューム調整なども行なえます。
非常におもしろい機能ですが、慣れるまでにちょっと時間がかかるかも。撮影モードを切り替えようと左右にSペンを振っていると、なぜかカメラ切り替えになったり…。この辺は慣れなんでしょうが、カメラと自分の位置関係(カメラが傾いていたりとか)でも変わってしまいそうなので、注意が必要かもしれません。
書き味的なものは、これまでのSペン同様。メモ書きなどをするとき、すらすらと書けるのは素晴らしいですね。スタイラスで有名なワコムの技術が採用されているだけあります。
ひとつ気になったのが、Sペンの形状。平べったい形状なので少々使いづらさを感じました。丸いほうが握りやすいかなー。
13mmの超広角がおもしろい!

最近のスマホは、カメラ性能のアップをウリにしているものが多いですよね。Galaxy Note 10+も、カメラ性能はなかなかのもの。背面には4つのレンズが搭載されています。内訳は以下の通り。
超広角(13mm相当)約1600万画素 F2.2
広角(26mm相当)約1200万画素 F1.5/2.4自動切り替え
望遠(52mm相当光学2倍ズーム)約1200万画素 F2.1
深度測位カメラ(ToF)
ToFは実際の画像撮影には関係ないので、13mmから104mmまで使えるカメラということになります。





13mmの超広角はかなり迫力ありますね。いつもの視界とは違うのと、レンズが光を取り込む範囲が広いからなのか、絵画的な色合いになっています。
その他の焦点距離もスマホのカメラとしては優秀。デジタルズームも非常用としては使えるでしょう。
それと本機には、シーンを自動判別して最適な撮影モードにしてくれる機能があります。なので、難しいことは考えずパシャパシャ撮影できます。





マクロ撮影が多くなっちゃいましたが、ピントさえちゃんと合わせるようにすれば、かなりいい写真撮れますね。実際、撮影していて楽しめました。有機ELディスプレイの発色がよいので、気分よく撮影できます。
ケーブル1本でパソコンと接続すればGalaxyがノートパソコンに早変わり?
個人的にちょっと使ってみたかったのが、「DeX for PC」という機能です。Galaxyシリーズは、外部ディスプレイに接続するとデスクトップモードになり、キーボードやマウスを使ってパソコンのように操作できる「DeX」という機能があるのですが、これがなんとも魅力的なんです。だって、いつも使っているスマホが、パソコンみたいに使えちゃうんですよ!
で、今回紹介する「DeX for PC」は、WindowsまたはmacOS上でDeXが使えるというもの。Windows/macOS上に専用アプリをインストールして、Galaxy Note 10+とパソコンをUSB-Cケーブルで接続。そしてアプリを起動すると、パソコンのデスクトップ上にDeXが表示されます。もちろん、パソコンのキーボードとマウスなどで操作できます。

DeXを使うと、Galaxy内にあるアプリを起動して操作したり、メモアプリで文章書いたり写真を挿入したりといった作業が、まるでパソコンで操作しているようにできます。Webブラウザの文章をコピーしてメモ帳に貼り付けたりすることも可能。
また、Galaxy上のファイルをドラッグ&ドロップでパソコン側にコピーしたり、逆にパソコン側のファイルをGalaxyに転送することもできます。Galaxyのデスクトップ上でコピーしたテキストを、パソコン側にペーストもできますしその逆もOK。ある程度シームレスに両者が扱えるのはおもしろいところ。
全画面表示にすることもできるので、Galaxyのデスクトップだけで作業をするなんてこともできますよ。
ただし、意外とパソコンのスペックが必要。僕の持っているCore i3のWindowsノートパソコンでは動作が重くて重くて……。MacBook Pro 15インチ(2016年モデル)で試してみたら快適でした。CPUもそうなんですが、メモリも結構必要なのかも。Windowsノートパソコンは4GB、MacBook Proは16GBですからね。
日常の作業がDeXにマッチしていて、スペック高めのノートパソコンを使っているひとは、割と重宝する機能かもしれません。
総合評価:スマホが母艦になる未来が見えてきた
スマホとして見た場合、やはりSペンの存在が大きいですね。これがあると、ついつい手書きメモを取りたくなったりしますし、カメラ撮影時にリモートシャッター使いたくなったりします。特にメモを取るのにSペンは素晴らしい性能を発揮してくれるので、手書きメモ派にはいいと思います。
一方、エアジェスチャは楽しいんですけど、誤動作が多いのがちょっとなというところ。前述した通り、本体の角度などにも気をつけないといけないので、ささっと使えるかというとそうでもない感じですね。今後の進化に期待しましょう。
カメラについては、もう何の言葉もありません。必要十分以上によく写ります。
そして「DeX for PC」。パソコン上にGalaxyのデスクトップモードが表示されるというのは新鮮です。ドラッグ&ドロップでファイルをコピーしたり、テキストのコピー&ペーストができるっていうのも、おもしろいですよね。
気になるバッテリーの持ちですが、バッテリー容量が4,300mAhでかなりタフ。何日か持ち歩きましたけど、朝フル充電でスタートして、夜まで充電することはありませんでした。めちゃくちゃ動画を見たり、ネット接続したり、DeXでぶん回したりしない限りは、バッテリー切れで困るといったことはないでしょう。

こうなってくると、Galaxy Note 10+をメインマシンとして、移動中はすべてNote 10+で作業し、家に帰ってきたらパソコンと接続して続きをやる、なんてことも可能。Galaxy Note 10+が母艦になる日も近いかもしれません。まあ、日本語入力にちょっと問題あったりするので、僕みたいに文章いっぱい書く人は、まだ少し先の話になるかな。
スマホとして申し分なく高性能で、Sペンがあることで手書きメモにも強く、エアジェスチャも使える。DeXを使えばパソコンのようにも使える。かなりマルチな端末じゃないでしょうか。見た目にとがったところがないので、幅広い層にマッチすると思います。性能的には、やはりビジネスマン向けかなとも感じますがが、Sペンを使ってちょっと絵を描いたりするなんてこともできそうなので、クリエイターの方にもいいかも。
正直、これといった欠点がない万能選手タイプなので、末長く使える1台だと思います。あともうちょっと頑張ってくれると、ほんとにパソコンに置き換わって母艦になっちゃうかもという期待させてくれるところがあって、ワクワクしますよ!
まとめ
・Sペンが進化してエアジェスチャが使えるようになった。でもまだ発展途上な感じ。
・カメラ性能は超広角から望遠まで優秀。
・DeXが進化して、パソコン上で使える「DeX for PC」に。パソコンとシームレスにファイル転送やコピペができて便利。ただしパソコン側にある程度のスペックが必要。
・全体的によくまとまっているので幅広い層にマッチ。バッテリーの持ちがいいのも◎。
Source: Galaxy Mobile