あなたがノートPCを選ぶポイントは?
パソコンを選ぶ際、どんなところを重要視しますか? 性能であったり、軽さであったり、価格であったり。ノートPC選びではさまざまなポイントがあると思います。
僕が最近気になっているのが「ディスプレイ」。やっぱり作業領域は広いほうがいいですし、色味だって鮮やかで、写真の細かいところまでくっきりはっきり見えるほうがいいですよねー。最近はYouTubeやNetflixも4K対応だし。
そんなことを考えていたとき、富士通クライアントコンピューティング(以下FCCL)からノートPCの新製品FMV「LIFEBOOK AH-X/D3」(以下AH-X)が登場しました。A4サイズ、15.6型ディスプレイのオールインワンノートPCです。
しかも、ディスプレイには4K有機ELディスプレイを採用。よくあるフルHDの液晶ディスプレイに比べて解像感が高いのはもちろん、高コントラストで引き締まった黒の再現性に優れているといったメリットがあります。
「お、なんかよさそう」と思ってAH-Xをいろいろ調べてみると、「打ちやすく美しいキーボード」とか「人感センサー搭載」とか、気になるワードがいっぱい散りばめられてる!
ということで、気になったらすぐに話を聞きに行くことで有名なギズモード編集部は、さっそくFCCLさんに連絡。AH-Xについてお話を伺ってきました。
4K有機ELディスプレイのきれいな画面ならパソコンをもっと使いたくなる
今回お話を伺ったのは、FCCLの長尾さん、林部さん、奥村さんです。ではさっそく、AH-Xについて聞いちゃいましょう!

ギズモード編集部(以下ギズ):AH-Xは画面サイズが15.6型の、いわゆるホームユースといった位置づけのノートPCですよね。これまでの15.6型クラスのホームPCというと、スペックはそこそこでお買い得感満載!な価格設定のイメージですけど、4K有機ELディスプレイとはいきなりすごいのが来たなと思って。まだ4K対応のテレビもない家庭が多いと思うんですが、それをノートPCに載せてきたのは、どういう意図があったんですか?
奥村さん:私たちのなかで「ディスプレイって大事な要素だよね」という認識はずっと共通していて。今回、AH-Xで4K有機ELディスプレイを採用した理由のひとつが、動画配信サービスで4K解像度のリッチなコンテンツが増えてきたことです。

ディスプレイをいろいろ検討していたなかで、このパネルを見たときに再現性がすごいとみんなが感じたんですよね。フルHDと比べてみると、4Kでは見えないものが見えてくるんです。夜景もきれいで、夜空の星とか、フルHDのディスプレイでは見えなかったのが見えるんですよ。そういうことを知ったときに、これをみなさんにも体験してもらいたいと思いました。
ギズ:フルHDよりも4Kのほうがすごいのはなんとなくわかるんですけど。一言で言うと、どんな風に違うんですかね。
奥村さん:臨場感ですね。実際に見てもらえばわかるんですが、食べ物の動画を見ると、食べたくなってくるんですよ(笑)。肉料理はほんとジューシーに見えますし。それを焼いている炎もリアル。
ギズ:飯テロのダメージ大きそうですね(笑)。それによって、パソコン自体の使い方が変わることはあるんでしょうか。
奥村さん:使い方自体は、今までとあまり変わらないかもしれませんが、パソコンを使う頻度は上がると考えています。今までスマホで見ていた動画コンテンツを、「こっちのほうがきれいだから」という理由でAH-Xで見たくなる。

林部さん:最近は、スマホのカメラ機能もアップしていて高画質になっていますよね。今までのノートPCだと、スマホで撮影した写真や動画をパソコンで表示すると、解像度が低く表示されている上、スマホの画面は有機ELなのにパソコンは液晶ディスプレイで、小さいはずのスマートフォンのほうがリッチに見えるときがありました。
でも、AH-Xならば大画面の4Kかつ有機ELなので、非常にきれいに写真や動画を楽しむことができます。すると、またきれいな写真を撮りたくなる...撮影と鑑賞、両方のモチベーションにつながると思います。
チルトアップは没入感を高める効果あり

ギズ:AH-Xを触ってちょっと気になっていたのですが、ディスプレイを開くとボディがちょっと傾くようになっていますよね。チルトアップするというか。なぜこのような構造にしたのですか?
長尾さん:これは没入感を出すためですね。
ギズ:没入感?
長尾さん:ディスプレイ部分のデザインの話なんですが。上と左右は狭いベゼルにしようと決めたのですが、下のベゼルはキーボードの大きさを確保するために、どうしても広くなってしまいます。そうすると下の部分だけベゼルが目立ってしまうので、チルトアップさせることで下のベゼルを隠す意図があります。我々はチルトアップヒンジと呼んでいます。
せっかく15.6型の4K有機ELディスプレイを搭載しているので、画面に没頭してもらいたいという想いから、なるべく下のベゼルを隠してディスプレイが広く見えるようにしました。
ギズ:チルトアップすることでキーボードがちょっと手前に傾いて、入力しやすくしているのかなと思ったんですが。
長尾さん:その効果もありますね。
4K画面だからUltra HD Blu-ray対応ドライブはほしいよね!

ギズ:Blu-rayドライブも搭載されていますよね。最近は薄型指向で光学ドライブを載せていないノートPCが増えていますが、需要はあるんでしょうか。
林部さん:A4サイズのノートPCやデスクトップPCでは、まだまだ光学ドライブを搭載してほしいとの声を頂いています。
奥村さん:ホームユースだとBlu-rayドライブの需要が高いんですよ。今回AH-Xに搭載しているのは、4Kコンテンツの再生ができるUHDBD対応のものです。

長尾さん:13型や14型のいわゆるモバイル用途のノートPCは軽さ薄さが求められる需要が高いのですが、15型クラスになると突然「オールインワンがいい」といった需要が高くなりますね。
なので、14型以下のノートPCの場合は光学ドライブを外してバッテリーを大きくしましょうとか、そういう方向性になるのですが、15型クラスでは誰でも使えるパソコンとして、光学ドライブの搭載や各種インターフェイスをたくさん付けてほしいといった要望があがってきます。
林部さん:今はお客様のニーズも多様化してきていますので、15型でも薄型軽量のニーズもあると思います。今後は、そのような声に合わせた商品作りも検討していきたいなと思っています。
キーボードでの文字入力はパソコンの原点。だからおろそかにしない
ギズ:実はAH-Xを触ったときに最初に「いいな!」と思ったのがキーボードなんですよね。キーごとに押下圧が違っていて、けっこう本格派で。リビングPCでこれだけ叩けるキーボードって珍しいですね。
林部さん:やはりパソコンの原点というか、文字入力をするキーボードへのこだわりは、絶対に捨ててはいけないと我々は思っていまして。
弊社には、大型のデスクトップから世界最軽量のモバイルノートPCまでいろいろな製品があるんですが、どの製品もキーボードは絶対に妥協しません。キーボード専門の技術者が監修するほどこだわっています。
奥村さん:どの機種を開発するときも、キーボードについての検討を重ねています。タイピングのしやすさを考えると、キーストロークは深く、キーピッチは十分に取りたい。また、押すために必要な力をキーごとに変える3段階押下圧とか、置いた指がブレにくい球面シリンドリカル形状のキートップとか、我々の持つキーボードの技術がいろいろあるんですが、それらを全部やると、スペース(厚み)が必要になってきます。でも使いやすさを重視して、やっぱりキーボードは譲らずベストな製品を目指すというのが、私達の見解です。

ギズ:このキーボードにそんなドラマがあったんですね…。AH-Xのキーボードの特長はどんなところでしょうか。
奥村さん:まずは約2.5mmのストロークですね。通常のノートPCだと1.5mmや1.7mmくらいが主流ですが、やはりしっかりとした打鍵感がほしくて約2.5mmのストロークは実現しようということになりました。
次に3段階押下圧ですね。指はそれぞれ押す力が違うので、キーボードを親指系、人差し指系、その他の指系の3エリアに分けて、それぞれ押したときの重さを変えています。
それからキートップの表面は少しカーブさせて、指を置いたときにしっくりくるように凹ませています。
ギズ:このタイプのノートPCは、キーボードは割と普通な製品が多いと思います。ちょっとフカフカしているみたいな。それですぐ壊れることがあるんですけど、耐久性のほうはどうなんでしょう?
奥村さん:フカフカ感覚というか、押した後にたわむ感触については、我々も気にしていて。キーボード全体を本体カバーにしっかり溶着して、たわまないようにしています。しかも、すべてのキーを押して、これ以上たわむとNGといった試験も行なっています。キーボードに関してはかなりがっちりとしたものになっています。

パソコンのオンオフを勝手にやってくれる人感センサー
ギズ:人感センサーってノートPCでは珍しいと思うんですが、なぜ搭載しようと思ったんですか?

奥村さん:パソコンを使い終わってシャットダウンすると、次の起動時に時間がかかりますよね。いくらSSDを搭載して速くなったとはいえ、その待ち時間もスキップしたい人も多いんですよ。
じゃあ電源オンのままにしておけばいいかというと、消費電力とかいろいろ考えると画面表示はオフにしたい。理想的なのは、使わないときは画面がオフになるけれども、パソコン自体は起動している状態です。
だったら、パソコンの前から人がいなくなったら画面がシュッと消えて、また人が戻ってきたら画面が点くという体験を実現するため、人感センサーを搭載しました。
ギズ:それだったら、普通のスリープ機能とかじゃダメなんですかね。
奥村さん:スリープタイマーだと設定した時間で画面を消すことはできますが、人がいなくなっても設定した時間までは動いているじゃないですか。要は人に連動しているのが人感センサーのいいところなんです。
長尾さん:人感センサーは、もう一人の人間がそこにいるイメージなんですよ。ある意味もう一人パソコンのそばにいて、人が近づいてきたら画面を点けてあげて、人が離れたら消してあげる感じです。
ギズ:パソコンのオンオフをしているわけではなく、画面のオンオフをしているんですね。
長尾さん:画面の輝度を上げ下げして見かけ上オフになっているようにしています。完全にスリープ状態にしてしまうと、画面は消えているけど音楽は流したいといったことができなくなってしまうので。
ギズ:なるほど。リビングパソコンならばそういう使い方もありますよね。
奥村さん:人が離れたら輝度を下げるだけでなく、帰ってきたらスリープから復帰して、Windows Helloの顔認証でログインできます。
ギズ:それいいですね。本体にいっさい触らずに、パソコンの前に座ったらログインできるってことだ!
コンセプトは「人を想うPC」。パソコンをもっと身近な存在にしたい
ギズ:これまでお話を伺っていると、とてもユーザーに対して「使いやすさ」を意識しているなと感じたのですが。

林部さん:我々としてはもっとパソコンを身近なものに感じてもらい、今まで以上に使っていただきたい想いがあります。コンセプトは「人を想うPC」です。ユーザーが困らない、使いやすいパソコンとはどうあるべきかを常に考えて開発をしています。
長尾さん:AH-Xでディスプレイとキーボードに力を入れているのは、そこが人間がいちばんパソコンと触れ合う点だからです。美しく見やすいディスプレイ、長時間使っても疲れにくいキーボード。本体の耐久性を高くしているのも、長く人間と付き合えるパソコンであってほしいという想いがあります。
奥村さん:AH-Xみたいな15型だとストレージはHDDも視野に入りますが、1TB分すべてをSSDにしたのは、そのほうが待ち時間が短くなるからですね。人感センサーも同じく、人間を待たせないためのデザイン。人を想うこと、ユーザーファーストであることの追求こそが、FMVのパソコンの哲学なんです。
ギズ:なるほど! 確かにこれでもかというくらい機能が搭載されていたり、使い勝手を考慮している印象です。AH-Xはかなり幅広いユーザーを想定して開発されている印象ですが、みなさんはどういうところを見ていただきたいと思っていますか?
長尾さん:AH-Xは、4K有機ELディスプレイを搭載したことが最大のセールスポイントだと思っていますので、実際に店頭で見ていただきたいですね。今までのノートPCとは違う4K有機ELのよさを体感してください。
林部さん:有機ELディスプレイの美しさはもちろんなのですが、打ちやすさにこだわったキーボードや、インターフェイス類の多さ、人感センサーの搭載など、使い勝手の部分にも非常にこだわっています。長くご使用いただけるパソコンになっていると思います。
奥村さん:AHシリーズには、今回のAH-Xのほかにも機種があるのですが、AH-Xはハイエンドモデルですからあらゆる機能を凝縮した1台となっています。ぜひ、家族全員で楽しんで使っていただきたいですね。
ホームPCと侮るなかれ。AH-Xはオールマイティに強いマシンだ
今回見せていただいたAH-X。最初は「4K有機ELディスプレイを搭載したホームPC」だと思っていました。まあ、それも間違いじゃないのですが、僕らの想像以上に「使いやすさ」にこだわった、人のことを想ったノートPCでした。
ホームPCだから性能はそこそこでしょ、みたいな先入観はあったのですが、AH-Xの前では粉々に砕け散りました。CPUに6コアのインテル® Core™ i7プロセッサー、約1TBのSSDを搭載するなど、かなり本気度の高い構成となっていました。

FMV「LIFEBOOK AH-X/D3」は、「ホームPCと思いきやハイエンドノートPC」なのです。これなら、僕らのような動画や静止画をたくさん扱う仕事でもバリバリ使えます。というか使いたい!
[LIFEBOOK AH-X/D3 スペック]
CPU:インテル® Core™ i7-9750H プロセッサー (2.60-4.50GHz)
OS:Windows 10 Home 64ビット版
メモリ:8GB(4GB×2)(デュアルチャネル対応 DDR4 SDRAM PC4-21333)
ストレージSSD:約1TB(PCIe)
光学ドライブ:Ultra HD Blu-ray™ & BDXL™対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)
ディスプレイ:15.6型ワイド4K 高輝度・高色純度・広視野角 有機ELディスプレイ[3840×2160]
グラフィックス:Intel® UHD Graphics 630
カメラ:フルHD Webカメラ内蔵(有効画素数 約207万画素) Windows Hello対応(顔認証)
無線通信:IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠、MU-MIMO対応
Bluetooth:Bluetooth® ワイヤレステクノロジー v5.0準拠
Office:Office Home & Business 2019(個人向け)
[FMVブランドサイト]
[FMV X コンセプトサイト]
[富士通PC製品サイト LIFEBOOK AH-X/D3]
[パソコン通販 富士通WEB MART]で販売中。

Photo: 小原啓樹