さすがFacebook、商魂たくましすぎます。
Upload VRの記事いわく、お高いOculusのVRゴーグル所有者は、親会社Facebookによって「広告を含む、より関連性の高いコンテンツ」で使用するため、データをゴッソリ刈り取られるようになるとのことです。
Facebookでログインしないと一部の機能が楽しめなくなる
この動きは、Facebookから提供される一連のソーシャル機能やID認証ツールがOculusに追加されたことで起こりました。
Facebookログインが必要な機能の内訳は、OculusのVRゴーグルを使用している友人間でのチャットやメッセージ、マルチユーザー・アプリやゲームでの友人との自動参加、イベント、パーティー、メディア共有などがあります。
ユーザーは自分のOculusアカウントをFacebookアカウントとリンクしないように選択できるものの、それは新機能の多くが使えないということになります。
Upload VRによると、これまでOculusのアカウントで操作していた「パーティーへの参加、友人の追加、他者のホームを訪問、といった既存のソーシャル機能」も、今後はユーザーにFacebookでログインするよう促すということでした。
またUpload VRによりますと、Facebookはこのプログラムの目的を「ユーザーを大規模なソーシャルの中でより安全に、VRコミュニティが構築できるよう支援」することだと主張しているとのこと。
一方で、9月にはVRディズニーランドみたいなアプリ「Horizon(ホライズン)」を紹介しましたが、これも表向きは同じ理由でOculusのアカウントに加えてFacebookのアカウントが必要となります。そして別のサイト、Road to VRは、Oculusと実名に結び付けられたFacebookアカウントとの密接な統合により、荒らし行為が起きる可能性があることを指摘しています。
Redditでは大不評
Oculusの製品は安くはありません。何万円もします。なので、いくつかの機能がFacebookの追跡を必要とするようになったというお知らせがあっても、RedditのOculusとゲーム系掲示板で歓迎されていないのは致し方ないところ。
FacebookがUpload VRに寄せた声明文には、こう書かれています。
設定に応じて、Facebookの友達をOculusの友達として自動的に追加するかどうかを選択ができます。そしてOculus上にて、誰がFacebookでの本名を閲覧できるかを選択できます。
Facebookに投稿したどの情報をプロフィールやタイムラインに表示させるかも、投稿そのものに許可を出すか、プライバシー設定を更新することで常に選べます
吸い上げる個人情報とその用途
Facebookは、収集されるデータには「どのアプリを使っているか」など「Oculus上の活動」にて「関連したコンテンツ」が含まれることを追記していたとのこと。これはOculusのイベントや、VRアプリのお勧めなどに使用されるようになります。
また同社は、QuestおよびRift S上でOculus Insightシステムが作成した、仮想世界のホームの3Dマップはローカルに保存され、広告目的で個人のホームの中のものを識別するためには使用されない、と主張したとのこと(UploadVRは以前、Facebookによってゴーグルが従業員の家の内装写真を会社のサーバーに送信されたのは、従業員が選んだ「内部テスト目的」の結果だったという噂を報じていました)。
苦戦するビデオチャット機「portal」
Facebookはここ数年、プライバシーに関する重大な失敗を数多く抱えているため、彼らがハードウェアを使って人々の家の内部をスパイするのではないか?という心配は当然のことでしょう。
同じくユーザーのデータを収集する彼らのビデオチャット製品「portal」のシリーズは苦戦していますが、それはおそらく米Gizmodoで「起動している間は不安感が広がる」と書かれていたのが一因なのかも。そのせいかどうかわかりませんが、Facebookは「portal」の新製品で、プライバシーに焦点を当てた新たなマーケティングを推進しています。
2019年12月18日 訂正:公開時、タイトルにて「Oculusを使うにはFacebookログインが必須」という趣旨になっておりましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。
Source: Upload VR (1, 2), VB, Road to VR, RedditThe Guardian, The Washington Post