ダートバイクの技術で、義足を作ったパラリンピアン

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  • author 岡本玄介
ダートバイクの技術で、義足を作ったパラリンピアン
Image: Great Big Story/YouTube

不屈のアスリート魂と、DIY精神が合体した結果…。

プロのスノーモービル競技選手だったマイク・シュルツさん。彼は2008年に事故に遭い、左脚の膝上から下を切断することを余儀なくされてしまいました。

ですが彼は、ダートバイクのフレームやサスペンションといった機構に着目し、自ら設計した義足をDIY。今では、意のままに動く強靭な義足で、スノーボードの選手としてパラリンピックに出場し、2018年には金と銀メダルを獲得。その他の大会でもメダルを次々にゲットするに至りました。

Video: Great Big Story/YouTube

自分は障害者だと思っていないので、そう呼ばれるのはイヤだね。不自由はあるけど、みんな何かしらの不自由さは持っているじゃない? 障害者だと思い込んだら、そうなんだよ。

僕はいくつかの道具が必要な、しがないアスリートさ。

と話すシュルツさん。彼は2008年の事故により、スノーモービルから投げ出され、左脚に複雑骨折を負ってしまいました。命を救うには切断しかないことがわかり、やむなく決行。ですがそれから5週間後、初めての義足を装着したものの、それは非常に基本的な構造しか持ち合わせていなかったため、「これでは、元いた場所に戻れない」と思ったそうです。

そしてダートバイクやスノーボードのフレームやサスペンションの構造に関する知識と、復帰への熱意で、5週間をかけて義足を設計したのです。実際に装着してダートバイクを運転してテストをし、事故から7カ月後には、ダートバイクでレースに復帰を果たしました。それから義足を付けたままでのスノーボードにも挑戦。その腕前はパラリンピックやエックスゲームズなどの大会でいくつものメダルを獲得するほどになったのでした。

BioDapt

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Image: BioDapt

彼が作った義足は、彼に以前のような自由とアスリートへの切符、さらには義足の会社を起業するという思わぬ副産物をもたらしました。それがBioDapt社。

BioDaptが造るのは、膝からスネまでに可動部とサスペンションが入った「Moto Knee」と、同様のメカニズムを持つ、足首から下の部分となる「VF2」があります。どちらもエクストリーム系スポーツに耐えられる強度を持ち、高度な調節機能でさまざまな用途に対応できるようになっています。

これらふたつのパーツは、他のメーカーの義足と組み合わせることができるようです。必要に応じてカスタマイズすれば、サーフィンだろうがウェイトリフティングだろうが、ドンと来いです。

脚を切断するような事故には遭いたくありませんが、もし何かあったら、世の中にはこういう義足があることを知っておくのもいいかもしれませんね。

Source: YouTube, MONSTER MIKE SCHULTZ, BioDapt, Instagram

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