みなさん、Spotifyって使ってますか? ミニマリストを目指すものにとって、CDを持たなくても音楽が聴けるのは嬉しいですよね。生活に欠かせないという人もいるでしょう。
でも、Spotifyという会社のことはどれほどご存知ですか? Facebookのことは知っていても、スウェーデンに拠点を置く音楽配信会社のことはあまり知らないという人の方が多いと思います。
そこで、Netflixが「Spotify Untold」を原作にした、Spotify版『ソーシャル・ネットワーク』のようなシリーズを製作中みたい。
ハリウッドが、主力テックカンパニーを題材に映画化することは決して珍しくありません。前述の『ソーシャル・ネットワーク』はFacebookのことを書いていますし、先日は、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でアカデミー賞脚本賞を受賞したチャールズ・ランドルフが、WeWork社の誕生から昨今のドタバタまでを映画化することが発表されました。また、アップル社の初期やスティーブ・ジョブズの人生を描いた『スティーブ・ジョブズ』(2013/2015)なんていうものもありました。
では、Spotifyのストーリーはどんなものになるのでしょう? Spotifyは、2006年にDaniel EkとMartin Lorentzonの二人によって創設された小さな会社です。スウェーデンを拠点とするSpotifyは、FacebookやWeWorkのように爆発的に広まるということはありませんでした。最初のアプリをヨーロッパでローンチしたのは、2008年のこと。広告を聞くかわりに無料で音楽を提供するか、もしくは広告なしの有料無制限ストリーミングか、というサービスをユーザーに提供しました。このサービスがアメリカにやってきたのは2011年。2018年には、利用可能国を大幅に増やしました。おそらくここら辺までが、ストーリーの最も盛り上がるところになるでしょう。
「スウェーデンの小さなテック会社が、音楽をどう変えたのか。ユーザーの音楽鑑賞をどう変えたのかを描いた、私たちの時代の物語です。これは、過去10年間で、私たちの生活がどう変化したのかというだけでなく、グローバル化/デジタル化された世界における、文化的ならびに経済的影響力をめぐる戦いの物語でもあるのです。」
と語るのは、イエローバードのエグゼクティブ・プロデューサーであるベルナ・レビン氏。
ちなみに、原作となった「Spotify Untold」には、Facebookのマーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブズ、Jay-Z、Beatsヘッドホンの創設者であるJimmy Iovineの名前が登場しているので、彼らの出演も考えられますね。
この本の出版社は、「Spotify Untold」のことを「ダビデとゴリアテの戦い」と表現しています。つまり、小さく若い会社が、意地悪で傲慢で武器を持った大企業に果敢に立ち向かい、神のバックアップもあって、一髪で大企業の息の根を止めた…という内容が書かれているわけですね。うん、これは面白いに決まっています。それに、なかには「ジョブズがDaniel Ekを電話で脅した」といったことも書かれているらしいので、未読の私はキンドルで今すぐポチってしまいたい勢いなわけです(積読しすぎなので、実際にポチるのは先になりそうですが)。
そういえば、Spotifyが誕生した10年前は、海賊版が横行していて、音楽業界の衰退が叫ばれていました。でも、Spotifyを筆頭に、今はサブスクして好きな音楽をストリーミングするのが当たり前のようになったんですよね…。考えてみれば、小さい会社が世の中を変えたわけです。これは本当に面白い。
Netflixはリリース日を明らかにしていませんが、私的には最も楽しみなドラマのひとつとして楽しみにしておこうと思います。あー、こういう良作があるからNetflixをやめられないんですよね…。