Facebookで発表するのもどうかと思いますが。
若者に人気の動画投稿アプリTikTokですが、アメリカ海軍が政府から支給されるスマートフォンでの利用が禁止されることになりました。その理由は「サイバーセキュリティーの脅威」。
もしアプリが削除されていなければ、軍のイントラネットからブロックされる、とFacebookのページで発表があったのだそうです。
既存および新たな脅威に対処する努力の一環
REUTERSによりますと、TikTokがどのように海軍へ「サイバーセキュリティーの脅威」を働きかけるのかは詳細な説明がないと伝えていますが、国防総省の広報担当者は、「既存および新たな脅威に対処する努力の一環である」とコメントを出しているとのことです。
The Navy would not describe in detail what dangers the app presents, but Pentagon spokesman Lieutenant Colonel Uriah Orland said in a statement the order was part of an effort to “address existing and emerging threats”. https://t.co/wR0UHoqCi6
— Alex Ptachick (@alexptachick) 2019年12月23日
中華アプリだから?
おそらくですが、この背景にあるのはまずTikTokが中国製だというだと思われます。なのでここ数カ月で米国の規制当局と議員から精査されており、親会社ByteDance Technology Co. が、アメリカのMusical.lyを10億ドルで買収することについても、国家安全保障の見直しが始まっています。それを踏まえて、先月チャック・シューマー上院議員が、TikTokを使用している兵隊への、安全上の懸念を提起したことで、陸軍士官候補生がTikTokの使用を禁じられた経緯があったのだそうです。
これまで米中間では、米国政府がHuawei(ファーウェイ)を輸出規制リスト(U.S. Entity List)に入れるなど、貿易戦争が続いてきました。中国側も、海外製のIT機器を徐々に取り止め、国内製品を増やしていく動きがあるくらい、今でもバチバチと火花を散らしているのが現状です。
国家機密を投稿する懸念から?
ファーウェイの禁止は「スパイ・ソフトが入っているから」という理由がありました。ですがTikTokは動画を世界のユーザーに向けて投稿するアプリなので、スパイなんてしなくても、投稿した兵隊たちの動画に、ウッカリ国家機密的に映ってはいけないモノが入り込んでいたりする可能性が大いに考えられます。おまけにTikTokはけっこう時間泥棒なソーシャル・アプリなので、本当は兵隊や職員がこれ見てサボるから?などと邪推せざるを得ません。
一方ロシアでは、自撮りが禁止されていた
ちなみにロシアでは、軍隊に5回連続で自撮りを禁止にしたことがあるそうです。トルコ出身の専門家Akın Ünver氏は、こうツイートしています。
Following five consecutive Russian military selfie bans, this is the largest military digital media ban (not regulation) that we know of. Russian bans didn’t work, so the real question is: how will this be monitored and prosecuted at scale. https://t.co/R6lWrwwTHh
— Akin Unver (@AkinUnver) 2019年12月21日
ロシア軍による自撮りが5回連続で禁止されたのに続き、これは軍のデジタル・メディアに対する最大の禁止令(規制ではなく)です。ロシアの禁止令は機能しなかったので、本当の問題は、どうやってこれを監視し、大規模に遂行するかということです
そんなときは、下向きに角度を付けた社畜仕様の便器の導入も、一定の効果が出そうですが…そもそも仕事用のスマホに、余計なアプリなんかインストールするのが間違いなんですけどね。とりあえず海軍は、デジタル・リテラシーの教育も併せて行ったら良いのではないでしょうか?
Source: REUTERS, Twitter (1, 2) via bOinGbOinG