現実と仮想現実がシームレスって感じ。
VRゴーグルといえば代表格はOculusシリーズで、AR(もしくはミックスド・リアリティーのMR)だったらMicrosoftの「HoloLens」かなと思います。これまで仮想現実と拡張現実は相容れない技術という印象でしたが、「Varjo XR-1」という新しいゴーグルなら、1台でMRとVRをシームレスに切り替えることができる、というのです。
自動車が置かれた世界の光量や反射を反映させるフォトリアリスティックな描画力。
Upload VRによりますと、内部に搭載されたディスプレイは大きな周辺ディスプレイの中央に、さらに小さな中心窩ディスプレイという、注視点が高解像度になるものがあるとのこと。これは見つめている一点以外は情報量を多く必要としない、人間の目のメカニズムと同じことを再現しています。
さらにはパス・スルー・ビデオと呼ばれる技術が採用されており、仮想世界に現実世界の物体を表示、さらにはその逆で仮想世界の物体を現実世界に表示させることも可能なのだそうです。加えて「工業用20/20アイ・トラッカー」という、視線移動だけでコンテンツを操作できる技術も搭載されています。
シミュレーターとして試用
次はヘリコプターのシミュレーションをしている映像ですが、コックピット内の一部が現実で作られており、外の景色が仮想現実とのこと。これらふたつの世界が、どれほど自然に馴染んでいるのかが見て取れます。
Video is missing the show that cockpit is real. Buttons and screens are real. But there is no dome around for the view around, it's all virtual, perfectly aligned. Only possible with XR-1. https://t.co/zJmI4HfU2c
— Urho Konttori (@konttori) 2019年12月2日
コックピットのどこまでがVRなのか、判断が難しいほどリアル。
現実世界に重ねても向こうが透けない
またこちらの静止画では、駐車場が現実世界の背景で自動車がVRオブジェクトとなっています。

これはぜひとも公式サイトも見ていただきたいのですが、現実の立体駐車場に、この自動車のモデルが本物と見まごうばかりの存在感で描写されています。MRデバイスの中には、オブジェクトが半透明で向こう側が透けて描写されるものもあるのですが、「Varjo XR-1」では透けないので、とにかくリアリスティックなのです。
ゴーグルしながら自動車を運転
Volvo(ボルボ)とコラボし、「Varjo XR-1」を装着しながら運転してみた世界初のMRを試運転をしたというプロモ動画もあります。
現実世界の視界にARオブジェクトが重なることで、たとえばアイアンマンとなったトニー・スタークが見る世界のような現実になるわけです。それは2台の12MPカメラが見ている映像を、人の目では追い付けない20ミリ秒未満という速度で演算処理する、「超低遅延イメージ・パイプライン」技術で瞬時にレンダリングしているから。
ビジネス向けなので高い
この「Varjo XR-1」は個人向けではなく、エンジニア、研究者、デザイナーなどに向けたビジネス用なのだそうです。なのでで、なんと9,995ドル(109万)という装着したゴーグルから目が飛び出そうなお値段となっています。数年以内に同等のものが10万円程度で買えるようになるといいんですけどね。