アンチウイルス・アプリの「アバスト」、ユーザーのウェブ閲覧データをGoogleやMicrosoftに販売していた?

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  • author 岡本玄介
アンチウイルス・アプリの「アバスト」、ユーザーのウェブ閲覧データをGoogleやMicrosoftに販売していた?
Image: Avast Software via NEWS 18

ポルノサイトの閲覧データも売られていたそうな。

大手アンチウイルス・ソフトの Avast Software (アバスト ソフトウェア)社が、子会社を通じて顧客のウェブ閲覧データをGoogleやMicrosoftに売っていたことが明らかになりました。

チェコ共和国プラハに拠点を置くAvast社がリリースしている基本無料のアンチウイルス・ソフトAvast Antivirus(アバスト アンチウイルス)。世界中で4億3500万近くのWindows、Mac、スマホにインストールされている、定番ともいえるソフトです。

そうそうたる大企業が顧客

NEWS 18によりますと、今回 MOTHERBOARDPCmagによる調査で判明したのは、アバストが集めたユーザー情報は、子会社のJumpshotが再パッケージ化して各企業にマーケティング情報として販売していたということ。

その顧客は、Google、Yelp、Microsoft、McKinsey、Pepsi、Sephora、Home Depot、CondéNast、Intuit...他にもたくさん。ついでにJumpshotの顧客にはExpedia、IBM、Intuitの名もあるようですが、彼らがパッケージを購入したかどうかは、従業員の間で箝口令が敷かれているのだそうな。

ユーザーがクリックしたサイトや時間を収集

MOTHERBOARD いわく、アバストが収集していたのはユーザーの行動、クリック、ウェブ間の動きを追跡した「All Clicks Feed(オール・クリックス・フィード)」だそうで、これをマーケティング情報と見なした一部の企業は、販売されたパッケージに数百万ドルを支払ったこともあると伝えられています。

またMotherboardとPCMagが取得したデータには、何時何分、何ミリ秒といった正確さで、Google検索結果、Googleマップで検索された場所とGPS座標、訪問されたLinkedInページ、閲覧されたYouTube動画、加えてポルノサイトに入力した検索語、視聴した動画といったユーザー行動もあったのだそうです。

アバスト社からは、Jumpshotによるウェブ閲覧データを提供は停止した、と声明文が出されています。ユーザーたちは、知らぬ間にこうした情報を売られていたわけですが、不幸中の幸いか売られたデータには完全に匿名化されているため、ユーザー名などの個人情報は含まれていないとのこと。

そういうビジネスだったのね

アバストは有料版もあるものの、使われているのは無料版が圧倒的に多いかと思います。ですが無料でやってこられたのは、裏でマーケティング情報を売っていたからなのかもしれませんね。

ユーザーの信用を損なうため、倫理的にはアウトな感じもしますが…ビジネス的に見れば賢いとも思えます。匿名データだったら、別に売られても構わないと思うユーザーも少なからずいるでしょうね。

ちなみにアバスト社は、これまた無料のAVG Anti-VirusやCCleanerも買収して傘下に収めています。これらも利用している人は多いと思いますが、今後も使い続けるか、それとも他に乗り換えるか、考えてしまいますね。

2020年1月30日13:45追記:アバストより本件に関連した声明が発表されました。

Source: MOTHERBOARD, PCmag, NEWS 18

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