進化についていけてない…。
例年どおり、年明けに米国ラスベガスで開催されたCES 2020。さまざまな新製品を見てきた米GizmodoのAdam Clark Estesが、テレビをめぐる市場の考察をまとめています。今年はオリンピックイヤーで、こういうシーズンって、大型テレビがバカスカと売れていくものなんでしょうけど、ややさびしい内容ともなっていますよ。
テレビというのは、動画を見せる製品であり、ついでにサウンドも重要で、あと最近はインテリアとしての存在感だってあります。これはテレビが世に出てから、たいして変わっていません。CES 2020でも、数々のテレビの新製品を目にしましたけど、なんともつまらないものばかりで、それほど興奮を誘うモデルはなかったようです。
もしいま4K映像を映し出せるテレビをもっているとしましょう。そうであれば、映画を見て、スポーツを観戦するのに、はっきりいって十分では? いつものごとく、ビッグメーカーが最新技術を披露すべく、テレビの新モデルを展示していましたけど、正直な感想は、昔の4Kテレビと変わり映えしなかったかな? 数年前、4K映像にHDR、Dolby Visionなどのテクノロジーが紹介されて以来、いまではこれらがすっかりスタンダードな時代となりました。そして、今年発売されるテレビのほとんどが、やはりこうした機能どまりとなりそうですね。
これは悪いニュースではありません。もちろん、新たな8K映像に対応したり、スピーカーをスクリーンへと埋め込んだり、microLEDディスプレイを採用したりした、次世代モデルも次々と登場してはいます。ただし、ごく一般的な視聴者にとって、そもそも8K映像で見れるものがそろっていませんし、スピーカーは外部接続で別のものを使ったり、microLEDディスプレイも量産モデルには程遠かったり。
つまり、まだ今年の新モデルで発売されるには時期尚早で、どちらかというと、今年は昨年や一昨年のモデルと大差ないというのが現状です。そして、どうせ購入するならば、型落ちのモデルのほうが安いですし!
ちなみに、どうしても最新式のモデルがほしいのであれば、LGのOLEDディスプレイや巻き取り式デザインなんておすすめです。日本円にして650万円を超える6万ドルもしてしまいますけど。Samsung(サムスン)だって、8K TVを発売しますが、ただ何十万円も8Kモデルのために注ぎこんでも、見れる8K映像がありません。あとはソニーが、最上位シリーズの「Master Series」へ、新たな48インチモデルを投入し、Vizioが、OLEDディスプレイの新モデルを、TCLは、6シリーズへminiLEDを採用したモデルをラインナップに加えてくるくらいでしょうかね。
いずれも美しい新モデルではあります。ただし、革新的なインパクトには欠けてしまうでしょう。きっと、今後数年以内に、microLEDディスプレイのテレビが市場に並び、超薄型のOLEDディスプレイモデルだって、たくさん出てくるはずです。視線をとらえる最新技術を採用し、ホログラム映像も一般化するでしょう。しかしながら、今年に限って言うならば、3年前の4K TVと、それほど今年のモデルは変わらないのかも? だったら、型落ちで大安売りされる古いモデルのほうが、十分に狙い目だったりもするかな?