遺伝子編集ベビーを生み出した賀建奎氏に、懲役3年の実刑

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
遺伝子編集ベビーを生み出した賀建奎氏に、懲役3年の実刑
Image: Shutterstock.com

実刑判決が出ました。

ゲノム編集した赤ちゃんを誕生させた中国の遺伝子学者、賀建奎(フー・ジェンクイ)氏に対して、深圳の裁判所は、ゲノム編集による遺伝子改変は違法医療行為だとして、懲役3年の実刑を言いわたし、罰金300万元(約4700万円)の支払いを命じました。賀氏に協力した2名の科学者にも、有罪判決が出ています。

裁判所は「自己の名誉と利益のため」の行動であり、結果として「医療秩序を崩壊させた」と判断したとのこと。

ゲノム編集ベビーのニュースは、賀氏が香港の国際会議でゲノム編集ベビーの誕生を発表した2018年11月に大きく報道されました。賀氏は「CRISPR-Cas9」と呼ばれるゲノム編集技術でヒトの胚性遺伝子を編集、それを母親の子宮に戻したと説明。結果、ルルとナナと名付けられた双子の女の子が誕生。ゲノム編集により、双子の赤ちゃんはHIVウィルスに感染しないという理論なのですが、赤ちゃんたちがもう少し成長するまでは、それが実際に成功しているかどうかはわからないそう。

この行動により賀氏は、科学者や生命倫理学者に非難される事態に。さらには、人間に対する遺伝子編集の技術は、実施するには早期であり危険を伴うとのことで、中国の法律上違法であると論議されていました。今回HIVウィルスに耐性を持たせるために削除されたCCR5という遺伝子は、変異があるとインフルエンザによる死亡率が上がってしまうものだということ。

賀氏による遺伝子操作は、彼がまだ南方科技大学の准教授だった2017年3月から2018年11月の間におこなわれました。カップルのボランティア、計8名が実験に参加し、そのうちの2名が出産。3人目のゲノム編集ベビーも確認されています。実験に参加した男性は全員HIV/AIDSの感染者だったということです。裁判では、賀氏が実験を押し進めるために倫理審査の書類を偽造したという証拠も提出され、「国の規程に違反していることを知りながらゲノム編集をおこなった」と伝えられています。賀氏に協力した2名の科学者も違法医療行為で罰金と、それぞれに懲役2年の実刑と懲役1年6月(執行猶予2年)の実刑判決が出ています。

懲役3年の刑が言いわたされたことで、同じようなことを実験しようとしている科学者への歯止めとなるのでしょうか。ゲノム編集については、いろんな視点からも、もう少し待たなくてはいけないようです。

ところで、今回誕生したゲノム編集ベビーたちは今、どうしているんでしょうか? まずインフルにかからないように気をつけないといけないですよね...。

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