Intel 740(1998年)以来。
Intel(インテル)がCESにて、久しぶりとなる独自グラフィックボードの「DG1」を発表しました。新アーキテクチャのXeを採用したこのDG1は、今年後半に市場に投入される予定です。また、IntelはXeと次世代CPUのTiger Lakeとの連携についても説明しています。
DG1はNvidiaやAMDがリリースしているのと同じ、単体のグラフィックカード製品です。Intelは昨年11月以来、Xeについて情報を公開しています。これは新しいグラフィック製品のためのベースアーキテクチャで、3つのマイクロアーキテクチャに別れます。Xe HPCはクラウドサーバー向け、Xe HPは業務用ワークステーション向け、Xe LPはゲームやモバイル機器向けです。

そして、Xe LPはIntelの次世代CPUことTiger Lakeに搭載される予定です。Intelによると、Tiger Lakeのグラフィック性能は前世代の 「Ice Lake」 の最大2倍になるとのこと。米Gizmodoのテストでは、Ice Lakeは『Overwatch』をHigh設定/1080pにて平均34fpsを記録しています。つまり、Tiger Lakeでは60fpsが実現できるはずです。よって、Xe LPはNvidiaの 「GeForce mx250」 と同等ということになります。
また、Tiger LakeのCPU性能もIce Lakeに比べて10%以上向上しています。つまり、Dell XPS13やLenovo Yogaシリーズのような薄型軽量のノートPCでも、Blenderを使って人気の「Car Demo」ベンチマークを10分未満で終了できるようになります。なお、Ice Lake i7 1065G7プロセッサの場合、このベンチマークは約10分7秒かかっています。
Tiger Lakeは今年後半にノートPCに搭載される予定となっており、またDG1はPCIeスロット仕様で、独立系ソフトウェア開発会社(ISV)に出荷されます。これはソフトウェアのサポートがGPUのパフォーマンスにとって非常に重要であり、OSの開発者、ゲームデザイナー、一般的なソフトウェア企業と協力してAPIを開発する必要があるからです。
Intelはすでにソフトウェア開発に力を入れており、ユーザーがGPUを操作する「Intel Graphics Command Center」はすでにベータ版に到達。また、16ビット(スーパーファミコンやメガドライブのような)ゲームのグラフィックスをシャープにする「retro scaling」などのGPU機能を既に提供しています。
なお、Intelが来週木曜日にRedditでAMA(何でも聞いて)を開催し、さらなる詳細を公開します。NvidiaとAMDの2強体制になったグラフィックカード市場に、新風が吹き込まれることを期待しましょう。