6年振りに新機種登場。
本日ニコンから、35mmフルサイズデジタル一眼レフ「D780」が発表されました! Zシリーズ譲りのライブビュー撮影機能に、D5をベースにしたAF性能を搭載した今風な一眼レフに仕上がっています。発売は1月24日、市場想定価格は27万5000円(税込)です。
音沙汰のなかったライン
ニコンのフルサイズ一眼レフのなかでも、お手軽で使いやすい機種として人気があるのが「D750」です。D850ラインの弟分に当たる機種で、フルサイズデジイチとしては小型軽量、2432万画素の使いやすい画素数、高感度耐性にも優れており、愛用している人も多い機種。僕も長年メインカメラとして使っています。
しかしこのD750、2014年発売以来まったく後継機種の噂がありませんでした。別にD750に大きな不満があるわけではないのですが、これだけ音沙汰がないとちょっと心配になってしまいます。もう、ニコンはD700番台は作らないのか…、Zシリーズへ移行してよねというメッセージなのか…。そんなことを考え、食事も1日に3回しか喉を通らない日々を過ごしてきました。
そんなところに登場した後継機種が、このD780! もう待ちすぎて床ずれしちゃうところでしたよ! では、どんな風に仕上がっているのか、見ていきましょう。
ライブビュー撮影が大幅進化、瞳AFにも対応!
D780には、有効画素数2450万画素のニコンFXフォーマットCMOSを搭載。画像処理エンジンはEXPEED6へ。常用ISO感度は100-51200。拡張設定で最大2段分、ISO 204800相当まで増感できます。AF方式は、ファインダー撮影時がTTL位相差検出方式、ライブビュー撮影時が位相差AF/コントラストAFです。そして、静止画だけですがライブビュー撮影時の瞳AFにも対応しています。
D780 | D750 | |
---|---|---|
有効画素数 | 2450万画素 | 2432万画素 |
画像処理エンジン | EXPEED 6 | EXPEED 4 |
連写機能 | 約7コマ/秒 | 約6.5コマ/秒 |
連続撮影枚数 | 最大68コマ(14ビットロスレス圧縮RAW) | 約15コマ(14ビットロスレス圧縮RAW) |
画素数こそそれほど変わりませんが、画像処理エンジンは2世代進化しています。連写性能および連続撮影枚数性能に関してはアップしています。
D750を使っていて、バッファフルまでが早いなと感じていたので、連続撮影枚数がアップしてくれたのは素直に喜ばしいと感じました。また、ライブビュー撮影時の性能にも期待。正直、D750のライブビュー撮影はそれほどいいものではありませんでしたし。
また、D750では最大1/4000秒だったシャッタースピードが、D780では最大1/8000秒になっているのが地味にいいなと思いました。
もうひとつ、フル充電のバッテリーを使用しての撮影可能枚数が大幅にアップ。D750では約1,230枚でしたが、D780では約2,260枚と約2倍になっています。
約7コマ/秒動画に関しては、4K UHD(3840x2160)/30pでの撮影に対応。また、カメラ内タイムラプス動画撮影が可能です。なお、フルHD画質で約120コマ/秒の超高速連続撮影にも対応。スローモーション動画などの撮影にも使えそうです。
加えて電子手ぶれ補正や、AF追従速度の調整に対応。ゆっくりとAFを合わせるといったことが可能となります。動画撮影機能も結構充実しています。
D750とは違う個性的なデザイン

ボディに関してですが、見た目がD750とは異なっています。D850の両側をそぎ落としたようなデザイン。マグネシウム合金を使ったモノコックデザインはD750と同じなのですが、印象は違います。重量はバッテリー、SDカード込みで約840g。これはD750と変わりません。
記録媒体はSDカード、そしてデュアルスロット仕様です。データのエラーを出さないためにもデュアルスロットは安心感がありますね。D7500ではシングルスロットだったのでちょっと心配していたのですが、一安心です。
ファインダーは視野率100%、倍率は0.7倍。そして、USB-C端子を搭載。パソコンなどと接続してファイルの転送ができるほか、充電にも対応しています。ただしPDには非対応となっています。
背面液晶はタッチセンサー搭載のチルト式3.2型TFT液晶モニター。画素数が約236万ドットとD750よりも高画素になっているので、撮影した写真の確認やライブビュー撮影時のファインダーとしての視認率もよくなっています。
D5譲りのAF性能でオールマイティな撮影に対応
「もうダメかも…」と思っていたD750ユーザーにとって、このD780は待ちに待った機種。しかも、D750でのウイークポイントであった連続撮影枚数やライブビュー関連をきちんと進化させてきたのは素晴らしいと感じました。
特にAF性能に関しては、D5のアルゴリズムをベースにチューニングしているということで、かなり期待できそう。D750は動きものにはあまり向かないと言われてきましたが、これでオールマイティに活躍できることでしょう。
上を見ればD850がありますが、画素数も価格もかなりハイスペック。あそこまでは必要ないけれど、フルサイズでいい写真を撮りたいニーズにピッタリな機種と言えます。
また、ライブビュー時のAF性能の進化を見るに、Zシリーズのいいところをかなり取り入れている模様。デジタル一眼レフとミラーレスのハイブリッドなカメラと言ってもいいでしょう。要は、幅広い人が満足できるカメラじゃないかっていうことです!
2020年1月7日 21:00訂正:初出時「D750ではシングルスロットだったのでちょっと心配していたのですが、一安心です。」としていましたが、正しくはD7500でした。お詫びして訂正いたします。
Source: ニコン