Sonosはリサイクルを全然わかってない

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Sonosはリサイクルを全然わかってない
Photo: Adam Clark Estes/Gizmodo US

単純に新しいのを買ってほしいだけなんじゃ...。

古い電子機器をポイ捨てするのは環境にとって非常に悪影響です。だから、テック企業は最近リサイクルプログラムに力を入れています。Sonos(ソノス)も昨年10月にこの動きに参加し、アップグレードプログラム、「Trade Up(トレードアップ)」をローンチしました。

これは「同社の古い製品を責任持ってリサイクルした人」を対象として新製品の値段を割引するもので、聞いた感じは理にかなったプログラムです。しかし問題は、持っているスピーカーを文鎮化させ、中古品やリファービッシュ製品として売れなくしなければ参加できないという点です。

リユースなき「リサイクル」

問題が表面化したのは、カリフォルニア州、サン・ラファエルのRenew Computersでリサイクルを行なっているDevin Wilson氏による、Trade Upプログラムに対する怒りのツイートからでした。彼によると、とある客が彼の元を訪れ、何の問題もないSonos Play:5を5つ持ち込みました。しかし、客がスピーカーを「リサイクルモード」にしてしまったため、5つすべて中古品として売り出せなかったのです。このモードをオンにすると21日のカウントダウンが始まり、カウントが終わるとSonosのサーバーがブラックリスト入りさせ、完全に文鎮化させます。

リサイクルモードはスピーカーのハードウェアを傷つけるわけではありません。Sonosのウェブサイトによると、その目的は「安全にリサイクルできるように、データを完全に消去してスピーカーを完全に使用停止にする」ことだそうです。しかし文鎮化すると、リサイクル業者はスクラップするしか手がありません。もちろん、ゴミ捨て場に放置されるよりは全然良いのですが、中古品やリファービッシュ品として売るよりもエネルギーを必要とします。

「まだ使えて価値がある電子機器をリファービッシュして再利用(リユース)するのが環境にもっともいい方法だし、それがあるからうちもビジネスとしてやっていけるんです」Wilson氏は米Gizmodoにダイレクトメッセージで答えました。「雇い主には無許可ででもこの事を広めようと決めました。環境のことが大切で、ちゃんと使える電子機器が捨てられるのが我慢ならない僕は、Sonosの偽善と、このプログラムによる酷い行動には本当に腹が立っているからです」。

環境のためなのか、収益のためなのか

Sonosのフォーラムをのぞいて見ると、顧客もリサイクルモードはあまり気に入っていない様子。中には、中古で買ったSonosがリサイクルモードになっていると気づいた人もいました。つまりSonosは、リサイクルモードにしたスピーカーが認可を受けたリサイクル業者の手に渡ったかをチェックせずに割引している可能性があります。他のスレッドでは、うっかりリサイクルモードにしたことで、間違って文鎮化してしまった顧客も複数いました。どちらも、結局ゴミが生まれてしまったわけです。

データのプライバシなんか重要ではないと言いたいのではありません。勿論重要です。問題はSonosのTrade Upプログラムが、不要かもしれないアップグレードを推奨することでゴミを増やし、同時にリサイクル業者から最適なリサイクル方法を奪ってしまっていることです。また、プログラムに参加して30パーセントの割引を得るには、絶対にリサイクルモードにしなければなりません。どうにも、環境のためという口実のもとに収益を増やそうとしているように見えてなりません。特に、スピーカーはラップトップやスマートフォンより長持ちするということを考えると…ねぇ。

「新たなSonos体験のため」

米GizmodoはSonosに対し、Trade Upプログラムがどうして文鎮化という選択をしたのかと質問しましたが、まだコメントは返ってきていません。しかし、SonosはVergeに対してこう答えました:

残念ながら、古い製品は新たなSonos体験をするには処理能力やメモリーが不足しています。時間と共に、古い製品ではどうしても新技術に対応できなくなってしまうのです。お客様の中にはそれが重要でないという人もいるでしょう。そういう方は、Trade Upプログラムには参加しないと思います。

しかしそれ以外の方は、新しい体験をするためにより新しいSonosが必要で、Trade Upはそういう方々にとってお得な方法なのです。そして、そういった新製品を求める方々にとって最も責任ある行動とは、他の方に10年以上古い製品を渡すことではないと考えます。新品当時とは状態が違いますし、期待していたようなSonos体験ができず落胆させてしまうかも知れませんから。

Sonosによると、間違ってリサイクルモードを起動してしまった人には個別に対応するそうですが、それは彼らのウェブサイトに書いてあることや、フォーラムでのアドバイスと矛盾しています。

また、彼らの「古い製品を新しい顧客に渡さない」という考えは良く言っても世間知らずですが、悪く言えば非常に狡猾です。今時、大抵のユーザーは最新モデルのスペックをググれるし、古い型を探している人は、安い代わりに新機能を犠牲にしているとすぐに分かります。

また、SonosはVergeに対し、92種類の製品(10年前に発売したものも含めて)がまだ利用されていると認めています。つまり、古い型のSonosであっても問題なく使えるということです。それに、最新機能を求める人は、そもそも中古市場なんか見に来ないでしょう。米GizmodoはSonosにコメントを求めており、何か返答があり次第更新します。

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