岩間氏も墓石の影で笑顔? ソニー年末年始フル稼働でもセンサー生産が追い付かない

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  • author satomi
岩間氏も墓石の影で笑顔? ソニー年末年始フル稼働でもセンサー生産が追い付かない
Image: 「初期のソニーCCD開発物語」半導体産業人協会

スマホの3眼化で年末年始も無休。センサーの追い風でSONY(ソニー)がうれしい悲鳴!

半導体子会社社長の清水照士常務がブルームバーグの取材に答えて、2019年を「ToF元年」と総括し、

「これだけ投資してキャパを作っても、まだ足らないかもしれない」

「(5Gスマホを中心に) 作り切れないくらい需要があり、顧客に謝りながらやっている」

とうれしい悲鳴をあげていますよ。 来春には大阪研究拠点、長崎新工場の開設も予定されているのに、それでも追い付かないってすご過ぎますよね。

「いつ日の目を見るともわからないものに200億円もかけて」と社内で叩かれ続けた日陰のセンサーが、まさか家電、ゲームの不振を支える第2の主力になるとは…40年前には誰が予想したでしょう。

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Image: SONY「2019年度2Q連結業績概要」
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センサーの500億円の上方修正で、家電の下方修正の穴が埋まっている
Image: SONY

「半導体」部門を今年度から「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」と改名したことからもわかるように、画像センサーは今や同社の半導体部門売上の86%を占める花形です。2019年度前半に59%増益の過去最高を記録し、SONYは年度営業利益予想を38%引き上げ2000億円としました。ソニーは世界のCMOSセンサー市場で51%のシェアを誇り(2019年5月時点)、2025年度内に60%達成をゴールに掲げて取り組んでいます。

躍進のキーワードは「ToF」

目下、キーワードは「ToF(深度センサー。光の反射で距離を計測して3D化できる)」。ファーウェイやサムスンのスマホなどではすでに採用されていますが、次期iPhoneで5G対応チップが搭載されればToFも積めるのでブレイクスルーは必至です。その追い風がなくても、車載も医療機器もセンサーが当たり前になっている現在、好調は当分揺るぎないものに見えます。まさに21世紀の「目」のポールポジションに付けているわけですが、ここにいたる道筋はそんなに容易なことではありませんでした。

金食い虫と言われるたびに「投資回収は21世紀」と周囲を説き伏せて越智成之研究員らをかばったのは、岩間和夫研究所長(第4代社長)その人です。ベル研究所のCCDの発明に感銘を受け、だれもがムリとあきらめていた実用化を支え、量産化を見ることなく、63歳の若さでこの世を去りました。Bloombergの英字版では、氏の墓石に後年、開発チームが貼り付けたCCDチップの逸話(詳しくは下記)も紹介されていますよ。

ソニーは「井深が見つけ岩間がつくり盛田が売ったトランジスタから生まれた会社と言われますが、そんな伝説のファウンダー、岩間氏ですら、最晩年には「もうCCDはやめてもいいよ」と弱音を吐いたそうですから、そりゃもう針のムシロなんてもんじゃなかったと思います。

それと同じことがほかの人物や会社で今できるのかと言われたら大いに???だし、志を受け継いで報いた研究チームの執念にも心打たれるものがありますね。

Source: Bloombergブルームバーグソニー半導体産業人協会会報産業タイムズ


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