13インチの液タブ「Wacom ONE」ハンズオン:シンプル、なのに深イイ可能性 #CES2020

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  • author ヤマダユウス型
13インチの液タブ「Wacom ONE」ハンズオン:シンプル、なのに深イイ可能性 #CES2020
Photo: ヤマダユウス型

これくらいのポジションを待ち望んでいた人、きっと多いハズ。

CES2020にて、ワコムが新しい液晶タブレット「Wacom ONE」を発表しました。お値段4万2900円(税込)と非常にリーズナブル。お手頃な液タブが年々増えてきて、良い時代になったなぁと実感する次第です。

発表に先駆けて触らせてもらえる機会があったので軽くハンズオンしてみましたが、終始「これ楽しいな」と言っちゃう仕上がりでした。さてさて、どのへんが楽しかったのか、お話させてくださいな。

もっとも間口の広い入門機

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Photo: ヤマダユウス型

まずはスペックをば。13.3インチディスプレイで解像度はフルHD(1920×1080px)、筆圧レベルは4096段階、傾き検知搭載。ほかは「Wacom Cintiq」と似た仕様で、アンチグレアフィルムディスプレイNTSCカバー率72%、マルチタッチおよびオプティカルボンディング非採用といったところ。iPhone 8 Plusと比較してみると、かなーりコンパクト。

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Photo: ヤマダユウス型

サイズ感はこれくらい。iPad Pro 12.9インチより一回り大きく、やや横長気味。でも重量はあまり感じません。公称重量は1kg。タブレットのようにも見えがちですが、AC電源で駆動します。OSも非搭載です。

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Photo: ヤマダユウス型

背面には19度固定のスタンド。正直、このスタンドがあるだけで多くのタブレットにリードしてる感すらある。タブレットで絵を描くときは背面にクッション的なモノや腕を敷く人も自分を含めて少なくないと思うんですが、どうでしょう。端子はワコムの独自端子。

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Photo: ヤマダユウス型

背面およびベゼルはザラリとした白いプラスチック素材。液タブで白って珍しいですね。

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Photo: ヤマダユウス型

スタンド収納部には替芯が3本付属。

理想的な、「ただの描けるディスプレイ」

性能的な予習が済んだところで、どうして僕がこやつにワクワクしたのかをお話しましょう。昨今、デジタルで絵を描くならiPadのようなタブレットやSurfaceも選択肢になります。「描き味の良さ」を最優先事項として選ぶならやはり液タブが筆頭候補になってきますが、そこまで絵を描くことに本気でない人、あるいは、まだそうなるかもわからないくらい初心者な人にとってはハードルが高い選択では?

そういった絵描き初心者に向けた液タブもワコムは揃えていますが、「Wacom ONE」はさらに一歩引いたポジションを取りました。すなわち、デジタル環境においての手書き作業全般に使ってください、という立ち位置。絵を描くだけでなく、たとえばPDF校正や図面引き、メモがてらのデジタルノートのような使い心地です。

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Photo: ヤマダユウス型

それをひとつ象徴するのが、ペンです。「Wacom ONE」は独自のペン「Wacom ONE PEN」を使うため、Cintiqのペンと互換がありません。その代わり、サードパーティのスタイラスペンに対応しています。上の写真ではStaedtlerのデジタルペンを使ってますが、もしすでに愛用しているスタイラスがあるなら、その書き味をそのまま持ってくることができるワケです(対応するペンは順次追加予定)。

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Photo: ヤマダユウス型

もちろんデフォルトの「Wacom ONE PEN」も、ボタン付きで描き味は良好。でも、他のペンを使ってみると意外と使いやすさも違ってくるもので、純正にこだわらなくて良いのは楽しめるところですね。Staedtlerは面で描く感じがするし、「Wacom ONE PEN」もうちょっとエッジが立ってる感。

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Photo: ヤマダユウス型

そしてもうひとつヤバいのは、Androidを母艦にできるところ(iOSは非対応)。まじかよむしろAndroidがすげぇ。市販の変換ハブで接続すれば、GalaxyのDEXモードやHUAWEIのデスクトップモードで「Wacom ONE」を、描ける外部ディスプレイとして使えちゃいます。描けるサブディスプレイとか、わりと理想的なのでは…? タッチ無し&電源駆動があるとはいえ、デスク上にあればサクっとつなげる常設系デジタルメモディスプレイ化できるのでは? ちなみに、Galasy Noteのペンも液タブに使えます。ワーオ。

という感じで、何かとPC作業の可能性を広げてくれそうなガジェットでもあるんです、「Wacom ONE」。今まで液タブって絵描き目線で見てきたけど(むしろそれが本分だけど)、身近なところに手書きできるディスプレイがあるのって面白そうじゃない? かつ、タブレットのように独立してなくて、あくまでもPCとして完結してるのが良い。持ち運ぶのではなく、邪魔にならないスペースに置いておく、みたいなイメージですね。

描き味は安心と信頼のワコム味

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Photo: ヤマダユウス型

とはいえ、液タブを検討する人の多くがお絵かき目的なのも事実。ならばご安心を、描き味でいうならワコムは間違いはありません。バンブー時代から使ってるので保証します。こうした小さなアイコンにも、正確にカーソルの先端をもっていけます。ちょうど冬コミの原稿時期にこうした操作をApple Pencilで幾度となくやりましたが、改めてワコムの精度には感心しますね。

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Photo: ヤマダユウス型

定規で線を引いても、線が定規の左右にブレることはありません。えぇ、世の中にはあるんです、ブレるものが。安いものだと特に。軽快な絵描き心地はお絵かきそのものをポジティブにしてくれるので、なんというかそこは正しい選択をしてほしいなと思います。安かろうは、やばかろう。

そういえばワコムさんいわく、液タブがコンパクトになってモバイルな使い道に近づくにつれ「画面が暗い」という声をもらうことがあるそうな。確かにiPadなどのタブレットと比較すると、画面輝度の差はかなり感じます。

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Photo: ヤマダユウス型

ですが、それも理由あってのこと。単純に、明るすぎるディスプレイを長時間見るのは良くないってことですね。液タブはディスプレイを見つめて何かを描くことを想定しているので、動画やゲームを表示することを想定しているタブレットとは理念が違います。長時間作業するなら、やっぱり液タブの方が目にも優しいと思いますよ。

小さな可能性の獣。だけど問題は…

「Wacom ONE」は、Cintiqの15.6インチよりもさらに入門向けのスペックをもった液タブであると同時に、お絵かき以外の用途も想定した描けるディスプレイ。そんな印象を見受けました。これでバッテリー駆動だったらマジでタブレットを食ってた気がしますが、電源さえ確保できれば持ち運びも簡単ですからね。気分転換に持ち歩いてみるのも良さげ。

あと、Androidの母艦化はすこぶるロマンを感じるのですが、いかんせんアプリが追いついてなさすぎて…。CLIP STUDIOのAndroid版が出れば、「Wacom ONE」とスマホだけで原稿ができるやべぇ環境が作れるっていうね。むしろ現状でiOSと接続できれば大勝利なんですが。iOSを母艦にできる液タブサブディスプレイとか、ロマンオブロマンなのだわ…。

とまぁ、色々な側面を持つガジェット的な深みを備えつつも、お年玉で買える液タブがワコムから出たよ〜というだけで、需要も注目度も申し分ないでしょう。お値段は4万2900円、2020年1月16日(木)発売予定です。

Source: ワコム

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