動物界の不倫事情…もっとも浮気しない生き物は、アヒルっぽい。引き離されると落胆する

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  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
動物界の不倫事情…もっとも浮気しない生き物は、アヒルっぽい。引き離されると落胆する
Image: Angelica Alzona(Gizmodo US)

いちばん身持ちが堅い動物は?

ニュースで流れる不祥事やスキャンダルに、不義不貞の話題は事欠きません。もしや、人間って、浮気しないではいられない動物だったりするのでしょうか…? そもそも、動物の世界で、一夫一婦制といいますか、一雄一雌というシステムは存在するの? 今回の「Giz Asks」シリーズ、テーマは「もっとも一夫一婦制を守っている動物は?」です。各分野の専門家は、どう答えてくれるのでしょう?

Karen Bales

カリフォルニア大学デービス校心理学教授

一夫一婦制について語るとき、遺伝的あるいは性的な意味ではなく、社会的な意味合いを思い浮かべます。社会的な一夫一婦制度というものは、ときに遺伝的な一夫一婦制を意味することもあれば、そうでない場合もあります。つがいになる動物は、非常に強く感情的にも結びついています。たとえば、つがいの相手を強く好み、もしいなければ動揺したり、ライバルを排除しようとしたりします。これらは人間のカップルにも見られますけど、動物の絆は、もっともっと強力です。

私が研究してきたサルたちは、ここに挙げたような行動をすべて示し、もっと愛らしい仕草も含まれています。たとえば、しっぽを絡め合って、座りっこしたりします。父親のサルが、赤ちゃんサルの面倒を長時間見て、育児に大いに関わります。この特徴は、一夫一婦制の哺乳動物に共通しているようです。その理由については諸説ありますが、私は、雌のサルに雄のサルが強い愛着を抱いており、ほかの雌のサルに割く時間がなくなってしまうからだと考えています。これによって、つがいの子孫が生き残る確率は高まり、よき父親の役割を果たしているともいえるでしょう。

David Barash

ワシントン大学心理学名誉教授

人間以外の動物で、本当の意味で、ずっと一夫一婦制を守る動物は、非常に少ないものです。DNA研究が進んだことにより、以前は手堅く一夫一婦制を守ると考えられてきた、ハクチョウやワシなども、実は不貞をはたらくことがあると判明してきました。とはいえ、私のお気に入りを挙げるならば、もっとも堅実に一夫一婦制を守っている生物は、とある淡水魚に寄生する扁形動物です。Diplozoon paradoxumという学名の、この扁形動物は、思春期に雄と雌が出会うと、身体を絡め合って、そのまま死ぬまで離れることがありません。

ほかに一夫一婦制を守っているように見える哺乳動物を挙げるならば、カリフォルニアマウス、一部のキツネ、数種類のマーモセット、それから、マダガスカルの巨大ネズミキツネザルがいるでしょうか。こうした種が生涯ずっと一夫一婦制といったとしても、本当によく研究すれば、実はそうでもないということもあり得ます。これは驚くには当たりません。生態系というのは、変化に富んでおり、いわゆるつがいの正式な相手に見つかりさえしなければ、性的パートナーは多ければ多いほどよいというのが、雄にとっても雌にとっても当てはまるからです。

Daniel J. Kruger

ミシガン大学進化心理学教授

多くの動物の種は、人間よりも一夫一婦制を守り、一夫多妻ではありません。真に一夫一婦制の動物だって、かなり存在します。生理学的および行動学的な性的二型の差異が大きければ大きいほど、一夫多妻の傾向も強まります。これは交尾相手をめぐる争いとも関連しています。一夫多妻であればあるほど、子孫が長らえる可能性は高まり、同時に雄同士の競争も激しさを増します。大きさや派手さ、いかつさで雄は競い合い、そこに多大なエネルギーとリソースが割かれます。ただし、そこまでエネルギーもリソースも割けるものではないため、交尾相手の取り合いと育児とは両立しません。一般的に一夫多妻の動物の種は、育児に熱心ではありません。

つまり、一夫一婦制の種ほど、雄と雌は生理学的にも行動学的にも似通ってくると考えてよいでしょう。そのよい例は、皇帝ペンギンです。雌の皇帝ペンギンは、大きな卵を産んで2カ月で、エサを取りに海へ戻らねばなりません。代わりに雄の皇帝ペンギンが、なにも食べないまま、厳しい冬に集まり合って卵を温め、その間に体重はガタ落ちします。雄も雌も、育児に多くを注ぎこみ、その外見は似通っています。つまり、性的二型の差異は小さいです。どちらが雄で、どちらが雌なのか、人間には判断しがたいばかりか、当の皇帝ペンギンでさえも、外見だけでは互いを見分けられません。独特のダンスで互いを見分けるのです。皇帝ペンギンは一夫一婦制の動物ですが、ただし、それは1年限りでもあり、次の季節がめぐってくれば別の相手を見つけます。

Mark Erno Hauber

イリノイ大学アーバナシャンペーン校進化生物行動学教授

もっとも一夫一婦制の鳥の一種に、オーストラレーシアカツオドリと、それに近い種を挙げることができます。親鳥たちは、互いに忠実です。オーストラレーシアカツオドリは、たった一個の卵をかえし、その育児に多大な努力が求められます。もし別のつがいなどを探して浮気したりしようものなら、もう片方の相手からトンでもないしっぺ返しを食らってしまうでしょう。

Zoe Donaldson

コロラド大学ボルダー校行動神経科学助教授

「一夫一婦制」の定義で変わってくるでしょう。一夫一婦制で、もっとも大切な特徴は何でしょうか? 忠実さ? リソースの共有? 性的な意味での一夫一婦制と、社会的な意味での一夫一婦制は、はっきりと区別されています。つまり、性的にパートナーに忠実なのか、ほとんどの時間を共に過ごしてリソースを共有し、共に育児をする特定のパートナーがいるという意味なのか、という区別です。社会的に一夫一婦制の動物のうち、性的にも一夫一婦制を守る動物は、あまり多くはありません。最新の研究からすると、コヨーテはそこに含まれ、ほかにも数種が挙げられます。ちなみに、いずれかの意味での一夫一婦制を守る哺乳動物は非常に少なく、社会的に一夫一婦制の哺乳類は、わずかに9%とされています。

おもしろい実態を紹介しましょう。父親判定や犯罪捜査に用いられるDNAテストは、そもそも一夫一婦制と考えられてきた鳥に、浮気をして生まれた子どもがいないかを確かめる研究に端を発しています。巣のヒナ鳥のDNA鑑定をして、本当にその巣にいる父親の鳥の子孫かどうかを確かめました。社会的に一夫一婦制を守っていると考えられてきた鳥たちでさえ、実は性的には一夫一婦制を守ってはいませんでした。DNA鑑定をしたうち、11%は巣にいる父親の鳥とは異なる子孫だと判明したのです。もちろん、この割合は、鳥の種ごとに異なりますが。

Rebecca Young

テキサス大学オースティン校統合生物学研究助手

アヒルガチョウの種のなかには、きちんとお付き合いをしてからつがいになるものがいます。そして、生涯ずっと離れません。もし一夫一婦制の相手と引き離されるならば、激しく悲しんで落胆したりもします。多大のストレスを抱えてしまうのです。ほかにも、長期にわたってつがいになる種は存在します。一般的に、は一夫一婦制である比率が高く、75%の鳥が一夫一婦制なのに対して、その割合は哺乳動物になると3~5%にすぎません。なお、ここでいう一夫一婦制とは、ひとつの繁殖期間中のみを指しており、それが終わるならば、次の繁殖期には別のつがいが生まれます。

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