飛行機の凍結防止に役立つテクノロジーがかなり頼もしい

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
飛行機の凍結防止に役立つテクノロジーがかなり頼もしい
Video: Fraunhofer Institute via Gizmodo US

共同開発にエアバスなどが参加。

寒い冬の朝、車に乗ったら窓が凍っていた…なんてことありますよね。そんなときはデフロスターボタンを押して、白く曇った窓をじっと見つめながら視野が広がるのを待つのみ。でも、待てど待てどなかなか溶けず時間ロスになったり、おまけにエネルギーフル稼働!っていうくらい大きめな音が響き渡るので、なんだか環境にもよくないだろうなと想像したり...。

寒さに弱いのは車だけでなく、航空機も同じなのだとか。なかには搭乗した飛行機が離陸前になって除氷作業を始めて遅延した…なんて事態に遭遇したことがある人もいるかもしれません。

機体が凍ると、翼の動きや機能に影響を与えるだけでなく、重要なセンサーの精度低下、空力の低下、燃費の低下につながることもあります。そんななか最近の研究では、機体の凍結防止レーザーを活用した方法が考案されたといいます。

従来は化学物質や加熱システムを利用

航空会社や航空機メーカーは、航空機に雪や氷が堆積するのを防ぐためにあらゆる戦略を投じています。

たとえば冬季になると、空港に配備されたタンカートラックが不凍液などの化学物質を機体に吹き付けます。除氷作業において、大型飛行機の処理に使用する不凍液は600リットル以上。それでも、すべての氷を溶かしたり、リサイクルしたりすることはできず…。また飛行機の翼には加熱システムが装備されていますが、こうしたシステムへの電力供給には追加で燃料が必要なため、いずれにせよかなり高コストとなります。

こうしたなか、新たな飛行機の凍結防止策を開発する共同研究が行なわれました。参加したのは、ドイツの研究機関Fraunhofer IWS、ドレスデン工科大学、そしてAirbus(エアバス)。研究者らは直接レーザー干渉パターニング(DLIP)と呼ばれる技術に注目したといいます。

新技術で効率アップ

DLIP技術を使用することで、飛行機の翼に複雑なエッチングパターンを作成し、氷が翼表面に残りづらいものへ加工することができるのだとか。

実際、氷が一定の厚さ・重量に堆積すると、自然と翼から落下するようになります。これによって空港での除氷作業の必要性が減るだけでなく、不凍液などの化学薬品の必要性をも完全に排除することができるのではないかと期待されています。

とはいえ氷が自然に落ちるまで待てるのかというと…特に毎時500マイル以上、空中30,000フィートを飛行するときなどあまり現実的ではないように感じます。そこで役立つのが、翼の加熱システム。

研究者らによれば、従来は60ワットの熱が加えられると翼表面から氷が溶けるのに1分以上かかっていたのに対して、同じ材料をレーザーエッチングプロセスで処理すると、同じ熱量でわずか5秒で氷が完全に溶けるという結果が示されました。これにより化学物質を使用せず従来より速やかに除氷できること、また燃料消費を大幅に削減し、暖房システムを小型化できることが示唆されています。

DLIPテクノロジーの新たな利用法は、航空機に限らず発電用風車のブレードや船体などあらゆるものに適用できます。もっとも身近なところでは、やはり寒い冬の日に凍りついた車の窓。これまでデフロストに費やしていた時間やエネルギーを節約できるようになる未来がもうすぐそこまで見えてきたようです。

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