無人化時代ですね。
2年前、Amazon は初のレジなしコンビニ「Amazon Go」をオープンし、それから全米各地に24店舗のAmazon Goを展開しています。そして今、初のレジなしスーパー「Amazon Go Grocery」を正式に開店しました。
野菜などのトラッキングが難題
シアトル・ダウンタウンの端に新しくオープンしたAmazon Go Groceryの面積は1万400平方フィート(買い物エリアはそのうち7700平方フィート)と、これまでのキャッシュレス店舗の450~2000平方フィート超と比べてだいぶ広々としています。しかし、初のキャッシュレススーパーを作るうえでのAmazonの最大の課題は店舗の大きさではなく、販売する商品の数そして何よりその種類の豊富さでした。
なぜなら、ポテチやボトル入り飲料といった包装済みの商品を仕入れる典型的なAmazon Go店舗と異なり、Amazon Go Groceryは生鮮食品のような追跡しにくい食料を正確にトラッキングしなくてはならないからです。買い物客がレモンやエアルーム・トマトをひとつカゴに入れるまでにどれだけ選んでは戻すを繰り返していたとしてもです。
5000種ものアイテムを取り扱い
生鮮食品のトラッキングを可能にするため、Go Groceryも他のGo店舗と同じように、買い物客には入り口でスマホをかざして入店してもらい、どの商品を掴んだかを店舗の天井に設置されている大量のカメラやセンサー類が追跡します。しかし、人々が良さそうな野菜を選んでそれ以外を(おそらく陳列されていた場所とは少し違うところに)戻しても、間違って勘定に足されることがないよう改良されました。
AmazonいわくGo Grocery店舗には全部で5000種のアイテムが用意されており、大手ブランドの商品、オーガニック野菜、その他の食品で構成されていて、多くがAmazon傘下のWhole Foodsから調達されているとのこと。
従来のスーパーと違うところ
同社Physical Retail & TechnologyのDilip Kumar副社長はGeekwireの取材で、買い物客が「(従来の)方法で並べられている野菜」に迎えられるようにしたかったと述べていますが、Amazonのレジなしスーパーと一般的なスーパーとでは大きな違いがいくつかあります。
天井に目をやると、Amazon買い物客が何を買っているかを記録するための無数のセンサーとカメラが見えます。
Go Groceryには肉売り場やベーカリーといった店内での調理サービスがないため、鮮魚や肉、製菓は個々に包装されて数日ごとに店舗に届けられます。チーズ売り場にも同じことが言えて、次に作るマカロニチーズにはフォンティーナとブリーチーズのどちらがよいかと相談できるチーズ屋さんはいません。
店内において人間がいる数少ないスポットはアルコール売り場で、お酒の購入を許可する前に身分証をチェックすべく、Amazonの従業員が待機しています。店舗の手前側にはコーヒーやベーグルなどのセルフサービスコーナーと、調理済み食品の区画があります。
買い物を終えたら他のAmazon Go店舗と同じように、財布に手を伸ばさずにスーパーから出てOKです。
Go Groceryの主な目標はAmazonのスピーディーでフリクションレスな買い物体験を普段の食料の買い出しに引き継ぐことで、同社がこの先Goモデルに大きな計画を用意しているのは明らかです。Kumar副社長はWall Street Journalのインタビューで、Go Groceryを作る過程でAmazonは「多くを学んだ」さらに「真の上限はない。(店舗は)5倍の大きさ、10倍の大きさにもなり得る」と語っていました。
Amazonにはコストコやサムズ・クラブなどと競争するための巨大な倉庫型のGo店舗を作る計画があると示唆するような発言ですが、今のところGo Groceryを拡充する正式な予定はありません。現時点でのGo Groceryは、Amazonのテクノロジーを他の大手小売業社が自社店舗向けに導入あるいは購入したくなるよう展示するため設計されたようなものです。
しかし、Amazon Go店舗がニューヨーク、サンフランシスコやシカゴへと広がっていった速度からすると、そのうちGo Grocery店舗が主要都市にできたとしてもおかしくないでしょう。
Source: Geekwire, Wall Street Journal,