全米のスーパーコンピューターが集結! 対新型コロナ・スパコン連合爆誕

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • Kaori Myatt
全米のスーパーコンピューターが集結! 対新型コロナ・スパコン連合爆誕
テネシー州オークリッジ国立研究所にあるサミットスパコン。 Photo: Carlos Jones/ORNL

テック企業が結集! 期待の高まるニュースです。

パンデミックの嵐が吹き荒れる欧州。私が住むフランスも日に日に感染者数、死者数ともに増え続けており、ロックダウンの中、陽気もいいのに外に全く出られず恐怖におののいています。今もキーボードを打つ手が震えます。

幸いなことに翻訳者の日常の姿はパンデミック前も後もあまり変わらず、在宅での仕事はお手のもの、むしろ家にいられてうれしいくらいなんですが、そうも言っていられなくなってきました。夜はやることないから翻訳しなければ筋トレばかりで、毎日筋肉痛です。フランスは農業大国なので肉、野菜、チーズとさまざまなものが割と豊富にすぐに手に入るため、もうしばらくは野菜とチーズで持ちこたえられるとは思っていますが...不安です。マジで不安です。

先ほどもSNSで知人のおばあちゃんの訃報を見たばかり。英国にいる夫家族の一員もコロナ感染して入院しています。一刻も早くこの危機を脱出できることを祈るばかりです。

ただ、世界の科学者はなにもせずに手をこまねいているわけではありません。米Gizmodoのレポートをご覧ください。


IBM、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)そして大学や国立研究所のラボが結集し、COVID-19 ハイ・パフォーマンス・コンピューティング (HPC) コンソーシアムの結成が発表されました。

そうそうたるメンバーで構成されるこのコンソーシアムは、科学者たちにスパコン資源を自由に利用してもらえるようにするのが大きな目的で、新型コロナウイルス「Covid-19」によって引き起こされる疾病の謎に立ち向かう、大きな力となるものです。

16台のスパコンが集結

科学者たちは爆発的に拡大するこのウイルスに全力で立ち向かわざるを得ない状況に追い込まれています。ウイルスの繁殖を理解して、その仕組みを知り、ワクチンや薬物による治療法を考案するために、このスーパーコンピュータたちはわずかな時間で何千ものモデルを作成することができる強い味方です。このコンソーシアムでは、研究者らに16台ものスーパーコンピュータシステムを提供し、さらにみんなで一緒に戦うためのコミュニティも用意する予定とのこと。

「このコンソーシアムの最大の利点は、ウイルスを理解して、ワクチンを開発し、最終的にウイルスを根絶させるために必要な科学的発見を加速させることができる点です」と、IBMのデータセントリックソリューション副社長のマイケル・ローゼンフェルド氏は米Gizmodoに語ってくれました。高性能スパコンは、普通のコンピュータが数日、数カ月、数年かかって行なう計算を、わずか数分~数時間でやってのけるんです。

テック企業と国立研究所、そして財団がタッグ

このコンソーシアムは現在、IBM、Amazon(アマゾン)、Google、Microsoftなどのテック企業とマサチューセッツ工科大学やレンセラー工科大学などの大学機関、ローレンス・リバモア国立研究所 、オークリッジ国立研究所、ロスアラモス国立研究所などの 米国エネルギー省所管の国立研究所、NASAや国立科学財団などのスパコンを一挙にとりまとめるものです。このコンソーシアムでは、研究者とスパコンリソースを結びつけるために、運営委員会が審査を行なう中央ポータルを通じて新型コロナの研究者に研究提案を呼びかけています。

テキサス高等コンピューティングセンターの健康分析ディレクター、ケリー・ガイザー氏によれば、センターではハリケーン対策などの緊急時にはいつもスパコンの使用環境を研究者たちに提供してきたといい、米Gizmodoのインタビューに、コロナウイルスとの戦いに使用を提供するのは当然のこととも述べています。

それでは、このパンデミックにおいて、科学者たちはスーパーコンピューターをどんなことに使うのでしょうか。科学者たちはこぞってウイルスとその「スパイク」タンパク質の構造を理解しようとしています。そのほかにはSARSの原因となったウイルスのような、別の種類のコロナウイルスとの違いを解明しようとしています

例えば、オークリッジ国立研究所のサミット・スパコンは、ウイルスと闘うことができる可能性を持つ分子を8000個のうちから77個まで絞り込むことに成功しています。またパンデミックがいつ発生して、いつピークを迎えるのか、どのような対策を採ることによりどのくらいの期間続くのか、どのような場所で最も物資を必要としているかなどのシミュレーションの作成もスパコンを使えば可能となります。

米国のスーパーコンピューター資源をウィルス研究に使用したいという研究者たちが、すでにぞくぞくと研究案を送ってきています。 アメリカ国立科学財団 (NSF)は3月初めにCovid-19関連の研究の募集を行っており、NSFの広報担当者が米Gizmodoに語ったところによれば、すでに10件、総額159万2789ドル(約1億7770万円)の基金も集まっているとのこと。

不可能を可能にする科学者たち

ローゼンフェルド氏は米Gizmodoのインタビューに答え、このコンソーシアムはこれまでには得られなかったような形で研究者が協働できる場を提供するもので、お互い助け合う形で共同プログラミングやプロセッサ上での高速処理などを実行することができるという点で不可能を可能にすると語っています。ガイザー氏によると、これにより、異なる専門分野の科学者が連携して新しい方法で問題を解決したり、スーパーコンピューターを研究に組み込む方法を創造的に考えたりすることができるようになります。

このパンデミックがあとどれだけ続くのかを予測するのは不可能に近いことです。新しい科学の進歩とスパコンの力で、このパンデミックをできるだけ早く克服し、きたる将来の新たなパンデミックに対する防御力すら高められるようになることが強く期待されます。

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