Google Playストアからイラン政府の公式コロナウイルスアプリが消えた理由

  • author Victoria Song- Gizmodo US
  • [原文]
  • R.Mitsubori
Google Playストアからイラン政府の公式コロナウイルスアプリが消えた理由
Image: Gettyimages

政府公式「だから」不安、ってことか。

Googleはイラン政府の公式の「新型コロナアプリ」をPlayストアから削除することを決定しました。このアプリ、新型コロナウイルスに感染した人を検出・追跡するもので、一見すると非常に有用なアプリに思えます。でも、今微妙な時期を迎えているイランのお国柄なんでしょうか。人々はその背景に、何やら不穏なものを感じてしまうらしいんです。

この一件を最初に報じたのは、ZDNet。マルウェア研究者のルーカス・ステファンコ氏が「このアプリを調べたところ、特に怪しいものは見つからなかった」とレポートしています。それなのになぜ削除されてしまったのか? 米GizmodoはGoogleに対してその理由を問い合わせましたが、今のところ回答はありません。

ZDNetの言うとおりマルウェアなどの心配がないとしたら、「新型コロナウイルス感染者を検出できる」という内容自体に問題があったということになります。…ってよくよく考えてみたら、ただのモバイルアプリにそんな機能、あるんでしょうか。いや、常識的に考えてあり得ないですよね…。それができたら病院とか保健所の検査いらないし。科学的に無理なはず。

今、テック業界はコロナ関連の偽情報を取り締まるのに躍起になっています。Appleは「認定された機関」以外のコロナウイルスアプリを締め出すと決定しました。他の大手各社も同様で、YouTubeはコロナ関連の動画はNGに、Facebookはマスクの広告を禁止、Amazonも超高額転売や「コロナに効く」的な宣伝文句を排除すべく、100万以上の製品を販売中止としています。今回Googleがとった措置も、その一環と言えます。

本当にそれだけ?

ただイラン政府の公式アプリに関しては、新型コロナウイルス以前に、イラン国民が抱く政府への不信感が根底にあるようですね。実はこの新型コロナアプリを使うにはリアルタイムの位置情報が必要で、それがリモートサーバに送信されるシステムです。新型コロナウイルスがイラン国内で広がりを見せると、イラン国民に対して政府からこのアプリをダウンロードするよう大量のテキストメッセージが送られてきたそうです。

しかも最近、このアプリを開発したのはSmart Land Strategyという企業だということがわかりました。この会社は過去に無料チャットアプリのTelegramのオープンソースコードを利用してGold Telegram、HotGramという2つの模倣アプリを製作しているのですが、そのときユーザに無断で利用データをイラン当局に流した疑いでGoogle Playストアから削除された報じられました

それに輪をかけるように、イランの情報通信技術担当大臣(MJ Azari Jahromi氏)が「政府は新型コロナウイルスアプリをダウンロードした400万人の位置データを所有している」と言っちゃってるんで…こりゃイランの人が不信感もつのも致し方ないですよ。

このアプリが、はじめから国民を監視する目的で作られた、と断言することはできませんが、ZDNetにはイラン政府の裏の目的を懸念する反体制派の声も(もちろん匿名で)掲載されています。もしかしたらGoogleは単純に誤情報拡散防止のためにアプリを削除したのかもしれませんが、それでもアプリへの不信感や不安は消えないでしょう。

国をあげて「コロナ危機」と闘う時でさえ、国民が政府を信用できない国って…ウイルス以前の問題な気もします。緊急事態だからこそ、お人柄、お国柄がよくわかるのかもしれません。日本は海外からどう見られているんでしょう…。とにかく、なるべく穏便に、早くみんなが静かに暮らせるようになるといいんですが。

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