看護師さんたちの雑用を代わってくれます。
人々の雑用をお手伝いするロボットアシスタントを作るべく、ふたりの女性たちが立ち上げたAI企業Diligent。彼女らが開発した最新型の一本腕ロボ「Moxi」が、今コロナ関係で人手不足の病院に一筋の光明をもたらすかも?と、designboomが伝えています。
ロボットができること
「Moxi」は直接医療に関わることはなく、医療器具やサンプル、布巾などの収集/回収/配達などを行うことで、人間がもっと大事な仕事に専念できるよう考えられています。
医師や看護師らが雑用をしない、また感染者の触ったものを触らないことで、二次感染のリスクを抑えられるメリットもあります。ついでに手を振ったり目がハートになったりと、人とちょっとしたコミュニケーションも取れるので、癒やしの存在としても価値がありそうですね。
看護師の離職率は高い
Diligentいわく、看護師の離職率は16.8%で、新規雇用された看護師が1年以内に離職するのは23.8%とのこと。それに患者に寄り添うサポートをしたいのに、無駄な雑用に就労時間の最大30%を費やすという統計があるのだそうな。
そんな激務の看護師たちを、自律的にお手伝いのが「Moxi」の目的です。これで少しでも、看護師たちが本来の仕事に専念できると良いですよね。
高まる期待に10億円の投資が集まる
Diligentのブログ記事によりますと、同社はベンチャーキャピタルに投資されるシリーズAラウンドで、複数の企業から10億円を集めたと発表しています。2017年に設立してから、今日の世界的パンデミックに至るまで、このロボットがどれほど世に必要なものなのかが認められたのかを物語る金額です。
「Moxi」は今年初頭に、ダラスのメディカル・シティー・ヘルスケアという大きな病院に導入され、現在活躍しているとのこと。腕は一本ですが、猫の手も借りたい現場ではとても重宝されることでしょう。
病院で働くロボットたち
このご時世、病院で活動するロボットはいくつもあります。たとえば紫外線で病室を殺菌するデンマーク製のロボが、中国に大量輸入されているなんて話もありましたし、喋って痛がる“不気味の谷”な小児科患者シミュレーターロボット「HAL」なんてのも。このままいくと、病院内はいろんなロボットだらけの、星新一の小説みたいな世界になるかもしれませんね。
Source: vimeo, Diligent via designboom