Switch Liteみたいなクラシックゲームエミュレータ。パワー不足だけどめちゃ楽しい

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
Switch Liteみたいなクラシックゲームエミュレータ。パワー不足だけどめちゃ楽しい
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US

いろいろとコピーだけど、楽しくて。

このゲーム機、Powkiddy Q90はNintendo Switch Liteのクローンみたいに見えるかもしれませんが、最新のゲームをプレイするにはパワー不足です。というか、直近四半世紀分くらいのゲームはプレイできません。でもPowkiddy Q90は50ドル(約5300円)という価格ながら、往年のファミコンやスーパーファミコン、セガ時代の8bit、16bitのゲームを存分にプレイできます。といっても同じことができるゲーム機はもう他にもあってそっちのほうが安いんですが、そこは後述しますね。

なおこのレビューにあたり、米GizmodoではオンラインストアRetromimiからPowkiddy Q90の試用機の提供を受けています。

ここ数カ月、米Gizmodoでは中国発のモバイルゲーム端末をいろいろレビューしています。それができるのはチープなモバイルプロセッサでも、ついに初期の家庭用ゲーム機をエミュレートできるくらい速くなったおかげです。今はスマホでも同じことができますが、この種のゲーム機は1000ドル(約10万円)とかは全然しなくて、ほとんどは75ドル(約8000円)を大きく下回ります。

でも今、New PocketGoは65ドル(約7000円)、ArbernicのRetro Game 350(RG350)は74ドル(約8000円)で初代プレステ時代の3Dゲームまでエミュレートできるようになっているのに対し、Powkiddy Q90でまともにプレイできるのはスーパーファミコンとかメガドライブあたりまでです。それでもOKと思えれば、Powkiddy Q90は他の端末よりちょっと安いし、サイズが小さめなのも持ち歩きにはメリットありです。

Powkiddy Q90

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Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US

これは何?:8bit、16bitのレトロゲームをエミュレーションできる、モバイルゲーム端末

価格:50ドル(約5300円)

好きなところ:(Nintendo Switch Liteのクローンなので)この手のモバイルエミュレーターの中では見た目的にベスト。

好きじゃないところ:アナログジョイスティックはあるけど固くて使いにくいし、使うゲームもそんなにないこと。


レゲーを遊ぶ用な感じ

Powkiddy Q90はAllwinnerのアプリケーションプロセッサ・F1C100S搭載で、CPUはARM926EJ-S、RAMは32MBです。RG350はRAMが500MBもあるのと比べるとだいぶ小さめだし、Allwinner F1C100Sは最後の世代のハードウェアという認識なので、Powkiddy Q90ができることも限られています。RG350とかNew Pocket Goのように初代プレステのエミュレーターも入ってますが、パフォーマンス的にほとんどプレイできず、フレームがカクカクするし、音も音楽も画面の動きと完全にズレてます。

Powkiddy Q90でプレイできるのは、初代プレステよりもっと前のファミコンとか80年代のセガ端末、スーファミ、ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンス、ゲームギア、ネオジオポケットあたりまでです。ただパフォーマンスは、ゲームごとに必要な処理能力によって違います。RG350とかではクラシックなゲーム機のタイトルはまったく問題なくプレイできたのに対し、Powkiddy Q90では16bitのゲーム(僕が元々持ってるもの)で画面がチラついたり、フレームが落ちたり、オーディオがずれたりといった問題が出ました。

Powkiddy Q90にプレインストールされているエミュレーター群は、それぞれでゲームのパフォーマンスを変える設定ができます。コンソールゲームの場合、そのゲーム機用に作られたゲームタイトルがプレイできないなんてありえませんが、エミュレーターの場合はこういう微調整がわりと普通にあります。だからこそPowkiddy Q90みたいなデバイスが50ドルで買える、とも言えます。

どこかで見たデザイン

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デザインのインスピレーション源がわかりやすすぎです。
Image: Heather Alexandra (Kotaku), Andrew Liszewski (Gizmodo)

Powkiddy Q90は、今ある中国発モバイルエミュレーターの中で性能を比べたら上位にはならなそうですが、見た目はわりとナイスです。Powkiddy Q90を作った人たちはNintendo Switch Liteなんて今まで見たこともないって言うかもしれませんが、このミニマルなデザインに影響してないとは言い難いです。色もNintendo Switch Liteのターコイズとほとんど同じです。ただPowkiddy Q90には、筐体がクリアなのもあります。

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ゲームを入れる用のmicroSDスロットがひとつあり、ヘッドホンジャックはきっちり本体下部にあります。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US


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アクションボタンは感触が良く、+・ーボタンが画面両サイドにあることで、エミュレーターのサブメニューへのアクセスも他の端末よりしやすいです。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US


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中国の安いエミュレーターでもUSB-Cポートを付けられるんだから、他のもっと高価な端末メーカーが今でもmicroUSBを使ってるのはどういうことなのか…。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US


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ディスプレイはスタンダードな3インチ、解像度320 x 240。ピクセルが見えますが、レトロゲームファンには気にならないでしょう。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US


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サイズ比較のため、左からRG350、ゲームボーイアドバンス、Powkiddy Q90、PocketGo。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US


Powkiddy Q90の十字キーの感触は素晴らしく、ほどよい押し込み感があって、反対側にあるアクションボタンも同様です。セレクトボタン・スタートボタンはきちんと隣り合っているし、画面両サイドには+とーのボタンがあり(これも多分Nintendo Switch Liteから借りてきたデザインですが)。これでいろんなソフトウェアエミュレーターの設定メニューに素早くアクセスできます。

充電はUSB-C経由です。サイドにはアナログのボリュームダイヤルがあり、個人的にボリュームアップ・ダウンボタンよりこっちのほうが良いと思います。内蔵ストレージは16GBですが、拡張用にmicroSDカードスロットがあります。ヘッドホンジャックの位置は本体の下部で、これはモバイルデバイスにおけるヘッドホンジャックのあるべき姿だと思います。

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アナログジョイスティックはNew PocketGoよりベターですが、大差はありません。ちょっと動きが固いし、プラスチック素材がツルツルしてて指が滑ってしまいます。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US

白いボタンはデザイン的にきれいだし、他の端末と違ってベゼルにブランドロゴが入ってないのも良いです。ゲームしてるときにずーっと会社名が主張してるのって(その名前もPowkiddyって、変わった名前だし)わりと気になっちゃうんですよね。

微妙なところ

そんなわけでQ90の全体的な作りのクオリティは素晴らしいのに、悪い意味で不思議なのは、ほとんど使えないジョイスティックが付いてることです。幸いスライドさせて使うデザインなので本体からの出っ張りはほとんどなく、ポケットフレンドリーなんですが、動きが固いし小さいしツルツルしたプラスチック素材だしで、数秒ごとに指が滑りそうになります。まるで機能リストに入れるためだけにくっついてるみたいな気さえします。でもほとんど2Dのタイトルしかプレイしないし、十字キーもちゃんとあるので、このスティックの存在自体無視しても問題ありません。

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OSの見栄えはまあ、こんな感じですが、機能的には問題なく、中身を探すのも大変じゃありません。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US

Powkiddy Q90のOSとUIを使っていると、このデバイスの安さの理由がわかってきます。この手のデバイスメーカーは、何百万ドルもかけて美しく使いやすいUIを開発するつもりはないってことです。RG350とかNew PocketGoと同じように、Powkiddy Q90はLinuxベースのNxHope OSで動いていて、UIの見栄えは悪いですがちゃんと使えます。何かを探すのとか、立ち上げたいエミュレーターを見つけるのにはそんなに時間がかかりませんが、どこに何があるか覚えていく過程はそんなに楽しくないと思います。もし見栄えが気になって仕方なければ、この手のデバイスの多くは、中身は同じオープンソースのハードウェアなので、もっとシュッとしたサードパーティのOSを自力でインストールすることも可能です。ただそのためには、「パーティション」みたいな概念を理解したり、ISOファイル/IMGファイルを書き込んだりが必要で、ちょっとハードルがあります。

エミュレーターにつきまとう問題

あとはPowkiddy Q90みたいなモバイルエミュレーターは、メモリカードにROMファイルでゲームが入ってないとまったく使えません。ROMファイルを使うことは、法的にはグレーゾーンになります。手持ちカセット等からの自力吸い出しが基本です。コピーガードがかかっている製品に関してはそれも不可。なのでグレーなものを使いたくない人、グレーでもいいけどROMファイルを探すのが面倒な人、などは、買うならNintendo Switch Liteみたいな純正端末だけにしておくべきかもしれません。

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画面の大きさ重視の人には、Powkiddy Q90は50ドル(約5300円)としてはお手頃なオプションです。ただしBittboyのPocketGoは、サイズが小さいだけで機能的には同じで33ドル(約3500円)です。
Image: Andrew Liszewski - Gizmodo US

というわけで、Powkiddy Q90をおすすめするかどうかというと、イエスでもありノーでもあります。50ドルってことはRG350とかNew PocketGoよりは安いし、8bit、16bitゲームなら十分プレイできるパフォーマンスですが、それでも周りを見ると若干高いかな、という気がします。Powkiddy Q90に一番近い競合端末はBittboy PocketGoで、画面が2.4インチと小さく、アナログジョイスティックが付いてないですが、17ドル安い33ドル(約3500円)にしてプロセッサは同じ、なので遊べるゲームも同じです。Powkiddy Q90のほうが(ジョイスティック以外は)全体的に使いやすいと思いますが、お得感ではBittboy PocketGoに軍配が上がります。

まとめ

・Powkiddy Q90のハードウェアはNintendo Switch Liteインスパイア感があふれてますが、そのことは必ずしも悪くありません。1色で統一されたボタンとミニマルなデザインはすっきりしてて、ベゼルにありがちなブランドロゴが付いてないのもポイントです。

・十字キーもアクションボタンも、ショルダートリガーも良い感触です。でもアナログジョイスティックは使いにくくてがっかり、動きは固くて素材はツルツルで、指を安定させられません。

・8bit、16bitゲームはほぼ何でもしっかりプレイできますが、プロセッサが比較的古いのでタイトルによってはときどきエミュレーターの設定変更が必要になります。プレステのタイトルもロードはできますが、プレイはほとんど無理です。

・全体的な作りのクオリティは素晴らしく、1,500mAhのバッテリーは背面の取り外しパネルから簡単にアクセスできます。UIは美しいってものでもないですが、ちゃんと使えて、すぐに慣れて使えるようになります。

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